2025/12/11
QCDを高いレベルで達成した
AxceleadのHT-ADMEサービス
探索研究に限った話ではありませんが、QCD(Quality、Cost、Delivery)の各項目を高めることは重要です。このページではHigh throughput ADME(HT-ADME)試験におけるQCDへのアプローチについて紹介いたします。
Quality
90年代後半からHigh throughput screening(HTS)の流れを汲んだ薬物動態試験の評価系構築が盛んに検討されるようになりました。Axceleadは前身の武田薬品時代よりHT-ADME試験の評価系構築を積極的に行ってまいりました。溶解度・代謝安定性・CYP阻害などは20年以上にわたる評価実績があります。その豊富な経験と実績が高品質のHT-ADME試験として、お客様の創薬プロジェクトを支えます。 AxceleadのHT-ADMEサービスは、化合物マネジメントグループによる化合物自動倉庫の制御も含めたラボラトリーオートメーションとWeb受注システム(CARS)などのITの導入による試料の取り間違えなどが発生しない仕組み並びに分注ロボットによるin vitro反応およびサンプル処理の自動制御と最先端の分析技術による精度の高い試験実施により高品質のHT-ADMEデータを提供いたします。

Cost
CROへの委託の多くの場面では、1つの委託に対して1度の試験が実施されます。この場合、1化合物の依頼であっても1度の試験を行わなければならず、人件費がその1化合物に集中してしまうため、試験費用が上がってしまいます。AxceleadのHT-ADME試験ではアッセイカレンダーを公開し、複数のお客様のご依頼を一度に試験する方法を確立しています。これにより、1化合物からでも安価に試験をご依頼頂けるようになっています。例えるならば、貸し切りバスと乗り合いバスの違いとお考えいただければと思います。この場合、データのコンタミネーションが気になりますが、その点は前述のITシステムによる制御によってコンタミネーションを回避しています。
Delivery
Lead generationおよびLead optimization期においては、創薬のDMTAサイクル(Design-Make-Test-Analyze)を限られた期間内に何回回すことができるかが重要です。そのため、Testの期間は短ければ短いほど良いことになります。AxceleadのHT-ADMEでは上記の考えのもと、Turnaround timeの短縮に取り組んでいます。

げっ歯類のカセットドージングを例に挙げます。通常は試験計画を立てた後に動物発注を行い、1週間以上の馴化を経て投与・試料採取後、LC/MS/MSによる分析を行い、報告します。投与までに2週間、報告までには3~4週間を要する試験となります。
Axceleadでは上記のカレンダー日程に従って動物を先に準備することにより、お客様は依頼を頂くと3日後には動物への投与・試料採取が行われます 。その結果、依頼受付から報告のTurnaround timeとして平均7.2営業日を達成しております(2023年度実績)。
miRNA解析
-176種類以上のmiRNAを網羅的に解析-
miRNAでバイオマーカー探索しませんか
miRNAとは?
21~23塩基程度の短いノンコーディングRNA(non-coding RNA)で、標的となるメッセンジャーRNA(mRNA)に結合して翻訳抑制を行い、遺伝子を抑制的に制御します。
細胞の分化や個体発生など様々な生命現象に関与し、その発現異常はがんをはじめとする多くの疾患と関係することがわかってきています。
miRNAの特徴は?
- 塩基配列は種を超えて保存されているため、種差の影響を受けにくい
- 臓器特異的なmiRNAが存在する
- 疾患組織と正常組織とでmiRNAプロファイルが異なる
- 血液(血漿・血清)や尿、唾液、脳脊髄液といった様々な体液中にも存在
- 体液中のmiRNAはRNaseの影響を受けにくいため、安定性が高い
miRNA解析
組織採取より低侵襲的で簡便に得られる利点があることから、血液や尿、唾液などの体液中miRNAを用いた疾患マーカーや臓器障害マーカーの探索は加速していくと思われます。Axceleadでは、ヒトで約2,000種類あるといわれているmiRNAのうち、疾患に関連するmiRNAを解析いたします。
miRNA解析から、課題解決に適したバイオマーカーを見つけてみませんか。

少量の検体から網羅的解析が可能です!
200uLの検体からmiRNAを網羅的に解析し、評価します。 たとえ、RNA収量が少なくても、miRNA解析が可能です。
例)健常人由来唾液200 uLからtotal RNAを抽出し、qPCR解析
進化を続けるAxcelead の化合物ライブラリ
- これまで十分にカバーできていなかった標的(RNA など)、難ターゲット(PPI など)に対する打ち手となるライブラリを拡張
- MOA 解析、フェノタイプ創薬への打ち手も充実

Diversity library
- 製薬企業オリジン。リードライクネスと多様性を考慮して選抜した大規模ライブラリ
- 700以上のターゲットに対して90%以上のヒット実績
このような方にお薦めです!
・複数の優れたヒットケモタイプを基に最適な創薬を目指したい方
→複数ケモタイプのヒット創出だけでなく、ヒットからの最適化研究によって多数のリード・IND創出を達成させています!
ライブラリの特長
- 製薬会社オリジンの150万化合物から構造多様性、細胞障害性、溶解性、各種アッセイデータを基に選抜
- リードに適した特性
- 60%がオリジナルに設計・合成、40%はケミカルスペースを考慮して180以上のベンダーから購入
- 周辺化合物を150万化合物ライブラリーから選択可能
- 細胞障害性や膜透過性、ヒット率を考慮したフェノタイプスクリーニング用Diversityも保有
- Pooledライブラリー 500,000化合物(標準320,000化合物):効率的HTS用
- Singleライブラリー 317,000化合物
Extend/Beyond RO5 library
HTS成功のカギを握る、材料調製とアッセイ系構築
HTSは創薬を実現するための出発点となる化合物を見出す上で重要な手段の一つであり、緻密な戦略の立案が必要です。そして最初のステップである材料調製と系構築は、創薬の成功にとって極めて重要であり、高度な知識と経験が必要とされます。Axceleadでは、プロジェクトの目的に合致する化合物を取得するための戦略立案の段階からご相談いただけます。 材料調製では、HTSはもちろん、HTS後のbiophysics 試験や結晶構造解析などの試験も見越して、最適な発現系やアフィニティータグを選択し、材料調製を行います。アッセイ系においても、HTSの安定的実施や、偽陽性・偽陰性の低減を目指した評価系の選択や条件設定など、経験に基づくノウハウを最大限活用して最適なアッセイ系をご提案、構築します。このように、磨き抜かれた材料、アッセイ系でお客様のHTSおよびその後の創薬研究を支えます。
材料調製の豊富な実績とスピード
Axceleadでは豊富なタンパク質の調製実績があり、設立以降の6年間で610個以上の実績があります。Axceleadではタンパク質調製を専門に担当するチームの豊富な知識と経験を基に効率化を進めています。大腸菌発現系の場合最短3週間、昆虫細胞発現系もしくは動物細胞発現系の場合は最短4週間という短期間で調製可能な体制を整えています。日本だと海外在庫の市販品を入手するのに1ヵ月以上かかるケースもあり、タイムラインに与える影響は大きいと思います。

アッセイ系構築の豊富な実績と提案力
セルフリーの評価系や細胞評価系など、幅広いターゲットクラスに対して6年間で480種類以上のアッセイ系構築の実績があります。このうち約80%はAxceleadが独自に一から構築したアッセイ系です。お客様が構築した評価系を移管していただきHTSを実施することも可能ですが、Axceleadが評価系構築から担当するケースも多くあります。アッセイ系構築では、プロジェクトの目的に合致する最適な系を構築するために様々なポイントを考慮して進めます。HTSで安定的な評価をするための評価系の選択や条件設定をしたり、偽陽性、偽陰性を低減するためにバッファー条件選択したり、経験に基づくノウハウを最大限活用して最適なアッセイ系を構築しています。

シームレスにHTSやその後の創薬研究サポートいたします。ぜひHTSターゲットが決まった段階からご相談いただき、我々の豊富な知識、経験をご活用ください。
Hydrodynamics法を用いたマウスへのin vivo遺伝子導入
Hydrodynamics法によりマウスへin vivo遺伝子導入することで
動物モデルの可能性を広げます!
- Hydrodynamics法は、遺伝子改変細胞と遺伝子改変動物の中間に位置する、動物を用いて一過性に遺伝子を導入する技術のひとつで、スループット性及び疾患外挿性の両方を兼ね備えた技術です。
- 一過性に遺伝子を導入するその他の方法(LNPやAAV)や遺伝子改変動物と比較して、短期間で簡単に実施できるのが魅力です。
- 主な遺伝子発現臓器は肝臓ですが、血中分泌タンパク(サイトカイン等)も増加させることができます。
- 免疫ヒト化マウスモデルの作製への応用や既存の病態モデルマウスへの追加遺伝子導入も行うことができ、疾患を模倣した多様な動物モデルを短期間で簡単に創出可能なプラットフォームです。
- 肝疾患における創薬ターゲット候補分子のコンセプト検証のサポートに使用することもできます。
迅速で確実な一過性in vivo遺伝子導入
- 導入したい核酸が準備できればすぐに実施可能です(必要に応じてプラスミドDNAの設計/調製もAxceleadにて承ります)。
- 導入に特別な試薬、装置、LNPやAAVのようなキャリア準備は一切不要です。
- 主に肝臓に導入された遺伝子は 数時間後から発現確認可能で、数週間から数カ月間持続します(マウスの系統によります)。
- 適度な回復期間をおけば反復投与することも可能です。
- siRNAやshRNAなどによる遺伝子ノックダウンにも適用可能です。

ヒト遺伝子Knock-In(KI)マウス/ラットを用いた評価をワンストップで実施
ヒト遺伝子KIマウス/ラット(ヒト遺伝子ノックインマウス/ラット、 以下 KIマウス/ラット)は対象となる内在遺伝子にヒト遺伝子を挿入した動物で、種差のある開発化合物の評価や、疾患モデルを作出するために活用されてきました。Axceleadではサルやイヌ、ブタを用いた試験に加え、KIマウス/ラットの作出から薬効・安全性評価、ひいてはIND申請用非臨床試験(薬理、安全性)までワンストップでご提供いたします。

なぜ、今、KIマウス/ラットなのか?
内在のマウス/ラット遺伝子を欠失させてヒト遺伝子と入れ替えて作出するため、種差のある医薬品の評価に有用です。特に、以下のようなケースでKIマウス/ラットを使った評価をお薦めしています。
〈実験用サルの代替動物種として〉
昨今、カニクイザルの価格高騰や輸入制限などによって非臨床試験が実施困難な状況となり、多くの創薬研究プロジェクトが延期や中止に追い込まれていると伺います。
この状況に対し、Axcelead ではヒト遺伝子 KI 動物の活用という選択肢をご提案しております。
本ソリューションについて、詳細のご紹介を希望される方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。
〈ニューモダリティ医薬品の評価〉
Off target毒性が発現しにくいと言われているニューモダリティ医薬品の毒性試験では、薬効発現動物を用いてのon target毒性評価が規制当局から求められています。創薬標的をヒト遺伝子に置き換えたKIマウス/ラットを用いた薬理試験において薬効が確認できた場合には、引き続きKIマウス/ラットを用いて毒性試験を実施することで、on target毒性評価が可能となります。
核酸医薬品開発ではエクソン-イントロン構造を保持した長鎖遺伝子配列を発現させたKIマウス/ラットを用いた薬効及び安全性評価が有用になります。特に、Axceleadでは長鎖KIマウスの作出も得意としております。

〈低分子医薬品の評価〉
いずれの動物種を用いても薬効が発現しないケースでは、KIマウス/ラットによって薬効が評価可能となります。また、規制当局からはKIマウス/ラットを用いたon target毒性評価が求められる可能性があります。詳しくはお問い合わせください。
核酸の組織内分布を見る技術
–in situ hybridizationや免疫組織染色を
利用したソリューションー
見えれば分かる核酸医薬開発の課題と解決策
近年、核酸医薬品の研究・開発が盛んになり、Lipid Nano Particle (LNP)に内封した核酸の動態・薬効評価、更には効率的に送達させるためのスクリーニング技術開発が進められています。従来、核酸の動態評価や生体内分布の評価には、質量分析による組織抽出物中の核酸定量法が用いられてきました。
しかし、質量分析では、組織中の含有量は検出できますが、位置情報までは確認できません。特に、ターゲット遺伝子のノックダウン活性と定量結果とに乖離がある場合に「組織内分布が確認できれば良いのに!」と思われることはなかったでしょうか?
そのような時にターゲット遺伝子に対するプローブを用いたin situ hybridizationや修飾核酸に特異的に結合する抗体を用いた免疫組織染色で組織内・細胞内での分布を可視化することにより、投与した核酸が狙い通りに標的組織や細胞まで届いたのか、あるいは血管内に蓄積していたのかなど重要な位置情報を知ることができます。
一歩踏み込んだ核酸医薬の動態・薬効評価、
そして毒性MOAについての新たな知見を提供します!
■投与した核酸と、その後を可視化します!
投与したDNA(Plasmid DNA)はターゲット遺伝子に対するプローブを用いたin situ hybridizationで、修飾を施したAntisense oligonucleotide(ASO)の局在は修飾部位に特異的に結合する抗体を用いた免疫組織染色で、細胞レベルでの可視化が可能です。更に、投与した核酸の取り込みをこれらの技術で識別するとともに、転写、翻訳後の産物もin situ hybridizationや免疫組織染色を実施することで、取り込み、転写、翻訳までの一連の流れにおける標的物質を可視化できます。この技術により、一歩踏み込んだ核酸医薬の動態・薬効評価、そして毒性MOAについての新たな知見を提供可能です。

■どんなものでも可視化できるの?
可視化したい核酸の配列に対するプローブをハイブリダイズさせるin situ hybridizationを用いますので、ターゲット遺伝子の配列が分かり、それに対する特異的なプローブを設計/作製できれば可視化が可能です。
■配列が短いASOは?
ASOなど配列が短く特異的なプローブの設計が難しい場合でも、Phosphorothioate(PS)修飾されたASOであれば、PS修飾部位に特異的なオリジナル抗体を用いた免疫組織染色により、配列に依存することなく可視化が可能です。

核酸の生体内分布評価をトータルでお引き受けします!
■核酸の局在・質量分析を総合的に評価可能に!
Axceleadでは、可視化技術をもって作製された標本の染色結果から、病理専門家による評価を行うことが可能です。更に、核酸の動態に関する専門部門からのデータも併せ、総合的な評価をご提供することができます。
核酸医薬品の評価に取り組まれている皆様でノックダウン活性と定量結果との乖離など、解釈でお困りの方がいらっしゃいましたら、Axceleadの可視化技術で課題解決に取り組んでみてはいかがでしょうか?是非お声かけください!
◇関連サービスのご紹介◇
核酸医薬品オフターゲット効果評価のトータルサービス
核酸医薬品開発の効率化および核酸医薬品開発
プロセス加速化のためのサービスを提供します!
核酸医薬品の開発において、標的以外の配列へのハイブリダイゼーションに起因するオフターゲット効果による毒性は開発の初期段階で回避したい項目の一つです。 Axceleadでは、核酸医薬品候補の多様なオフターゲット効果を予測するために、ヒト肝細胞株を初めとする種々の細胞を用い、ヒトへの外挿性の高いin vitroハイスループットアッセイ系(96および384ウェルフォーマット)を提供します。
in vitro評価、網羅的遺伝子発現解析、
バイオインフォマティクス解析までワンストップで提供
- お客様の核酸医薬品候補をお預かりし、ヒト細胞株へのトランスフェクションの実施、ターゲットKD/細胞毒性の確認、およびAmpliSeqデータ取得まで、ハイスループットに実施します。
- 必要に応じて、種々のパラメータを指標にヒトでの安全性予測に外挿性のあるデータを取得します。
- トランスクリプトーム解析により、オフターゲット効果の低い配列を選択することができます。

ご希望の細胞を用いた核酸導入実験を実施します
- 実績が豊富なHepaRGTM細胞以外にも、お客様ご希望の細胞を用いた核酸導入実験を承ります。弊社で導入条件の検討や標的遺伝子発現の確認等、事前の検討から対応可能です。実績のある細胞:HepaRGTM、HepG2、hiPS由来分化細胞など
- HepaRGTM細胞の場合、自社で構築した網羅的遺伝子発現DBを活用することで、
評価対象遺伝子の発現の有無やその程度を事前に確認することが可能です。 - HepG2細胞の場合、384ウェルフォーマットのハイスループットな細胞毒性評価系(ATP、caspaseなど)との組み合わせにより、毒性の初期スクリーニングとオフターゲット効果(狭義)を同時に評価することが可能です。

網羅的遺伝子発現解析による多面的アプローチ
- 網羅的な遺伝子発現解析によって、(1)標的遺伝子のノックダウン活性と(2)オフターゲット効果による遺伝子発現変動を同時に評価することができます。オフターゲット効果の低いASOの選択および優先順位付けが可能になります。(A)
- 主成分分析によって、網羅的な遺伝子発現データからASOのプロファイリングが可能になります。(B)

High Throughput-Affinity Selection Mass Spectrometry (HT-ASMS)
・膜タンパク質AS-MS
・Target and Molecular Quest by AS-MS (TMQ)
・クライアントライブラリーを用いた結合試験サービス
HT-ASMSから見えてきた新しい低分子創薬
HT-ASMSは、従来のような生物活性を指標に化合物を探索するのではなく、標的分子との結合活性を指標にヒット化合物を探索する手法になります。従って、標的タンパク質の活性部位以外(アロステリック部位)にも結合する化合物の取得や、標的タンパク質分解における化合物探索に適用できます。また、生化学試験系の構築が困難な標的分子であるRNAやDNAにも適用可能です。HT-ASMSの手法を用いることで、これまでの戦略とは異なる新しい低分子薬の創出が可能になります。Axceleadでは、サイズ排除クロマトグラフィーと逆相クロマトグラフィーを1つに組み合わせたオンラインLC/TOF-MSシステムを構築し、HT-ASMSを実現しました。最初にサイズ排除クロマトグラフィーで化合物と標的分子の複合体を取得します。続いて逆相クロマトグラフィーにより複合体から分離した化合物を質量分析計(TOF-MS※)で分析します(Two Dimensional Liquid Chromatography-Affinity Selection Mass Spectrometry, TDLC-ASMS)。本システムを用いることで、膨大な化合物ライブラリーから標的分子に結合する化合物を迅速にスクリーニングすることができます。
※時間依存型質量分析計(Time of Flight Mass Spectrometry, TOF-MS)
TDLC-ASMS
1. 標的分子と化合物群をインキュベート
2. サイズ排除クロマトグラフィーによる化合物複合体と非結合化合物の分離(B/F分離)
3. 逆相クロマトグラフィーによる化合物の分離
4. TOF-MSによる標的分子に結合した化合物の同定
サイズ排除クロマトグラフィー

なぜ、ラベルフリースクリーニングが選択されるのか
従来のラベルベースの方法では、アッセイ系で検出するために標的分子もしくはリガンドを蛍光標識等で修飾する必要があります。また標識することで分子の構造や機能が変化し、活性を示さないというリスクもでてきます。しかし、HT-ASMSの手法を用いれば、生化学的手法にもとづくアッセイ系を構築する過程を経ずに、ヒット化合物を同定することが可能になります。さらに、標的分子に結合した化合物をMSで直接測定することから、擬陽性等のアーティファクトが生じるリスクを抑えることができます。
スピード・効率を磨き上げ、研究現場で本当に使えるシステムを開発
どんなに画期的なシステムでもスループットが低ければ創薬研究の現場で活用することはできません。 Axceleadでは、分析に高分解能のTOF-MSを使用し、プールドライブラリーを用いたハイスループットスクリーニングを実施するシステムを構築しました。これによりAxceleadが有する製薬企業由来の高品質な大規模ライブラリー(約32-50万化合物)から、標的分子に結合する化合物を短期間で同定することが可能です。
Axceleadの大規模ライブラリーの特長
表現型創薬を相乗的に加速化させるトータルサービス
フェノティピックスクリーニングから、ヒット化合物構造情報を用いた
プローブ合成、ターゲット同定を一気通貫でお受けできます!
近年、スクリーニングツールの充実や病態を模倣したモデル細胞系の進歩から、特定の細胞表現型に影響を与える低分子化合物をスクリーニングする「フェノティピックスクリーニング」が脚光を浴びています。
フェノティピックスクリーニングを実施することで、創薬ターゲットとなりうるpathwayの発見や、特定の創薬ターゲットタンパク質の機能調節を志向した従来のスクリーニングでは見出せなかったタンパク質分解やRNAスプライシングモデュレーターなどユニークなメカニズムの化合物が見出されます。
一方で、ヒット化合物の作用メカニズムやターゲット遺伝子を同定するステップ (ターゲットデコンボリューション) が、その後の最適化研究を加速化、成功させるための鍵の一つとなっています。 Axceleadでは、フェノティピックスクリーニングの実施から、化合物構造情報を駆使したプローブ合成、ターゲット分子同定までの一気通貫のフルサービスを提供します。
Axceleadの幅広いcapabilityと多くの経験を最大限活用した
フェノティピックスクリーニング
- 大規模かつ質の高いdiversity libraryと狙いを定めたfocused library、Target既知のannotation libraryの中から、phenotypic screening系のthroughputやコストに応じて最適な組み合わせをご提案可能です。
- Cell line、iPS由来細胞、初代培養細胞を用いたphenotypic screeningの実績(>70 PJ)があります。
- これまで社内に蓄積したナレッジと公知情報を最大限活用します。
- Screeningグループ、Chemistryグループ、Omicsグループ、Bioinformaticsグループの連携により、phenotypic drug discoveryのボトルネックである、HTSヒット化合物のターゲットデコンボリューションがシームレスに実施可能です。




ニューモダリティに対するソリューション
Axceleadでは、ニューモダリティに特化したライブラリーやアッセイ系の開発にも力を入れてきました。実績に裏打ちされたノウハウや技術を活用し、お客様の画期的な創薬を実現します。
プロテインデグレイダーに対するソリューション
タンパク質分解を誘導する薬剤(Targeted protein degrader)を創出するための統合的な評価系、ライブラリー、プロファイリング技術を取り揃えており、ヒットおよびリード創出をサポートいたします。セルフリーの三者複合体アッセイ、結合アッセイ、細胞ベースのアッセイなど複数の探索手法でHTSを実現できます。
実績:16プロジェクト(HTS、リード創出)
タンパク質分解誘導薬プラットフォーム

タンパク質分解誘導薬の探索実例


RNA標的薬に対するソリューション
RNA標的薬(RNA targeted drug)のヒット、リード探索に必要なプラットフォームを各種取り揃えております。実例としてAxceleadのDiversityおよびGeneral RNAフォーカスライブラリーから、FMNリボスイッチRNAに結合する低分子化合物のヒット探索を示します。Affinity Selection Mass Spectrometry (AS-MS)によるHTSによって強力な結合活性を有するヒット化合物を同定いたしました。さらにFMNリボスイッチRNAと結合する化合物との共結晶構造解析による結合モードの同定に成功しています。
実績:15プロジェクト(HTS、リード創出)
株式会社イクスフォレストセラピューティクス、協和キリン株式会社との共同研究も実施しています。
>ニュースリリース
RNA標的薬プラットフォーム
ヒット創出が難しいターゲットに対するソリューション
【Diversity ライブラリー】
Pooledライブラリー 500,000化合物(標準320,000化合物)
Singleライブラリー 317,000化合物
【Diversity ライブラリー】
Pooledライブラリー 500,000化合物(標準320,000化合物)
Singleライブラリー 317,000化合物
高品質化合物ライブラリーやバーチャルスクリーニングなどを活用し、難しいターゲットにも効率的にアプローチする方法をご提案します。また、より強力なヒット化合物を生み出すための”Hit Expansion”で、Lead創出に向けた最高のスタートを目指しませんか?
高品質ライブラリーを活用したヒット創出
多様かつ大規模な化合物ライブラリーから、お客様のHTSに最適なライブラリーをご提案します。
- 製薬会社オリジンのDiversity library
- ターゲットクラス別Focused library (PPI、RNA、Kinase 等)
- Extended rule of five (分子量500以上でドラッグライクネスを考慮)
- 共有結合性化合物、天然物由来化合物
- Biological annotationライブラリ (作用機序の明らかなライブラリセットによるPhenotypic screeningからのヒット化合物の標的同定をサポート)

【Diversity ライブラリー】
Pooledライブラリー 500,000化合物(標準320,000化合物)
Singleライブラリー 317,000化合物
HTSアッセイ系構築に関するソリューション
Axceleadでは、お客様が系構築でお困りの点に対し、豊富な経験を踏まえたディスカッションやアイディア出しを重ね、最適な系構築・HTSへと導きます。
HTS実績
約700プロジェクトに渡り、成功確率の高いスクリーニング戦略を立案・実施してきました。ターゲットクラスも多岐に渡り、系構築やHTS実行時に課題となりやすいポイントも熟知しています。組み換え型タンパク質、安定発現細胞株などの材料調製、アッセイ系構築、HTS、各種プロファイリング、Hit expansionなど統合型のサービス提供が可能ですので、安心してヒット、リード探索をお任せください。


難易度が高いターゲットに対する系構築戦略の具体例
ターゲットクラスや目的に合わせて、最適なプラットフォームをご提案します。
| プラットフォーム | 適した用途 |
|---|---|
| Rapidfire-MS系 | 反応産物の分子量の変化を検出するロバストな酵素アッセイ系での化合物探索 |
| AS-MS系 | 生化学試験系構築が困難なターゲット(RNA etc.)に対する結合化合物の探索 |
| GPCRプラットフォーム | Orphan GPCR標的薬、Biased ligandの探索、Allosteric modulator探索 |
| Syncropatchを用いたHTS | 電気生理活性を指標にしたイオンチャネル創薬 |
| HiBitシステム | 蛋白質発現・分解調節薬の探索 |
| iPS分化細胞/Primary細胞/スフェロイドを 用いたPhenotypic screening | 疾患を反映した細胞評価系の構築、新規MOAを有する化合物探索 |
事例
GPCRバイアスリガンド探索
GPCR標的薬の分野では選択的にシグナルを調節することで副作用が少なく、薬効の期待できるBiased ligandsが注目されています。Axceleadは豊富な経験と実績のあるGPCR標的薬探索プラットフォームを活用してBiased ligandsなどの特徴的なプロファイルを有する化合物の探索もサポートいたします。実例としてGPR39に対するGsシグナル選択的な作動薬のヒット創出を成功させています。さらに、ヒットのプロファイリングとして種差、結合特性、Kinetics、VLPを用いたAS-MS結合などの各種の解析を実施することが可能ですので、ケモタイプの優先順位付けにも貢献いたします。
病理ピアレビューの実施により、
毒性試験の病理データの質と信頼性を向上
病理ピアレビューの実施が、OECDガイダンスによって推奨されています。その背景には、病理データがパソロジストの知識・経験・主観に左右される側面があり、経験豊かな第三者のパソロジストによるピアレビュー実施が望まれています。Axceleadには、創薬経験を持つ熟練のパソロジストが複数名在籍しており、毒性試験の病理ピアレビューを実施することで、病理データの質と信頼性を向上させます。
様々な毒性試験において、お客様の目的に合わせた病理ピアレビューを実施
- げっ歯類・イヌ・サル・ブタの毒性試験の病理検査について、GLP基準の公式ピアレビューあるいは簡略的な非公式ピアレビューなど、お客様の目的に合わせた病理ピアレビューを実施します。
- 病理ピアレビューの一環として、毒性試験の中で認められた所見の判断や解釈などのご相談をお受けいたします。
- 他施設で実施した毒性病理検査の病理ピアレビューを実施することが可能です。
- Whole slide imageを用いたテレパソロジー(webを活用した遠隔病理評価)による病理ピアレビューについても、ご要望に応じて検討いたします。
経験豊富なパソロジストが、セカンドオピニオンとして
公正かつ的確な病理ピアレビューを実施
- JSTP認定毒性病理学専門家、JCVP認定専門家である熟練のパソロジストが在籍しています。
- GLP及びINHAND(毒性病理用語・診断基準国際統一化)に精通した経験豊富なパソロジストが病理ピアレビューを実施することにより、所見の精度や信頼性を高めることができます。
- 第三者のパソロジストが客観的な視点で病理ピアレビューを実施することにより、病理データの納得性や信頼性が高まります。
- お客様の若手パソロジスト育成を目的とした教育的な病理ピアレビューも受けております。

微量検体を活用し、創薬研究初期から肝・腎障害を評価
わずか20 μLの微量検体を最大活用!
- Axceleadは、創薬研究の初期段階から肝・腎障害を検討するために、これまで100 μL以上の検体量が必要であった血液生化学検査を改善しました。すなわち小動物の健康状態に影響が無い採血(頻回を含む)で得られる程度の微量血液で臓器障害マーカーを評価できるように、微量検体の肝・腎障害マーカー測定系を構築しました。
- 肝臓・腎臓は薬物の主要な代謝臓器であり、薬物による肝・腎障害の見極めは非常に重要です。開発初期段階から手持ちの血漿・血清を有効活用し、肝・腎障害の懸念を払拭しませんか?
- わずか20 μLで肝障害マーカー(AST, ALT, GLDH)1)または腎障害マーカー(Cre, UN)2)の評価が可能です(肝・腎障害マーカー両方で40 μL)。
- 別途、25 μLで臨床検体あるいは非臨床検体(サル、イヌ、ブタ、ラット、マウス)のサイトカインなど最大100項目の評価が可能です。
- P1・P2レベルの検体に対応できます。
- 限られた検体量の中で、お客様の課題解決に必要な測定項目をご提案します。
1) AST: Aspartate aminotransferase, ALT: Alanine aminotransferase, GLDH: Glutamate dehydrogenase
2) Cre: Creatinine, UN: Urea nitrogen.
創薬初期から肝障害を見極めることが重要です
- 臨床試験の中止や上市薬が市場から撤退する理由の多くは、薬物性肝障害(DILI)であり、全体の30%を占めます。また、近年開発が進む核酸医薬品には、肝臓や腎臓など特定の臓器に集積しやすい特徴があるため、それら臓器障害の有無を早期に見極めることは非常に重要です。
- DILIを見極めるために、肝障害バイオマーカーである肝逸脱酵素の血中AST・ALTが広く利用されていますが、AST・ALTは骨格筋にも多く発現していることが知られています。採血時の保定操作で骨格筋からAST・ALTが逸脱し、一見すると肝障害があるように見誤る可能性があります。Axceleadは、骨格筋の影響を受けない肝障害バイオマーカーとしてGLDHを採用し、AST・ALT・GLDHを測定する事で肝障害を的確にとらえます(第44-46回日本毒性学会にて、ラット、イヌ、サルにおける肝逸脱酵素(ALT, AST, GLDH)の臓器・組織分布及びその種間比較として発表)。
カニクイザルにおける肝逸脱酵素(ALT, AST, GLDH)の臓器・組織分布


お客様の課題解決に必要なサポートのご提案
- マルチプレックスアッセイは微量検体から沢山の情報を得る事ができ、多様なキットが販売されていますが、どれを選んだら良いかお悩みではないですか?
- GLP/Non-GLP毒性試験を長年担当してきた経験豊富な研究者が、お客様の課題解決に最適なキット・評価項目をご提案いたします。例えば、急性炎症の評価に用いられる急性相反応タンパクは、ヒトではCRPが用いられますが、げっ歯類ではCRPに比べSAA(Serum Amyloid A)の方が炎症に対して鋭敏に反応するため、げっ歯類の急性炎症の評価にはSAAをお勧めしています。このような種差の他、検体採取の条件などもご提案いたします。
- ICH3)-Q2分析法などガイドラインを準拠したバリデーションの実施も可能です。
3) ICH: International Council for Harmonisation of Technical …
iPS細胞を用いた化合物スクリーニング
FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc. との協業体制により、
皆さまのiPS細胞創薬をサポートいたします
iPS細胞は病態モデル細胞としての利用が期待されており、iPS細胞を用いる創薬研究が注目を集めています。iPS細胞を用いた化合物スクリーニングのヒット化合物が臨床試験で効果を示した事例も報告されつつあることから、化合物スクリーニングツールとしてのiPS細胞の魅力が高まっています。
Axceleadでは、iPS細胞のリーディングカンパニーである FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc. (以下FCDI)と協働で、 評価系の構築から、大規模化合物ライブラリーを用いたスクリーニングまで、 皆さまのiPS細胞スクリーニングをサポートいたします。

Axceleadの表現型スクリーニングサービス
AxceleadとFCDIが培ってきた経験をもとに、iCell®*を活用した創薬研究をサポートします。

*スクリーニングサービスで使用可能なFCDIのiCell®製品についてはこちらをご参照ください
一連のスクリーニングプロセスを一貫してサポート:
- お客様のiPS細胞を用いた化合物スクリーニングをサポートいたします。
- 評価系構築からスクリーニングの実施までお任せください。
- ADDPの多様性に富んだ化合物ライブラリーの中から最適なライブラリーをご提案いたします。
心循環器系(CV)領域をリードしてきた
専門家集団が提供する的確な橋渡し
~ リード化合物最適化フェーズから
IND まで一気通貫でお任せいただけます ~
CV領域をリードしてきた専門家集団が提供する的確な橋渡し
- 心毒性で開発を中止するケースは依然として多く、創薬ステージの最適なリスク軽減スクリーニ ングと前臨床ステージの適切な Best Practice ガイドライン試験によって、リスクを的確に評価していくことが成功の鍵です。
- Axcelead では、業界をリードしてきた経験豊富な専門家チームが、最適なリスク低減 In Vitro/In Vivo スクリーニング戦略を立案。更には、新たに発行された ICH S7B/E14 Q&A ガイドラインを踏まえた In Vitro & In Vivo Best Practice 試験の実施により、一気通貫で、臨床まで的確に橋渡しします。

ユニークなIn Vitro統合的心臓QT延長リスク
(QT延長および催不整脈活性)評価
- FDAにも導入されたSyncroPtatch 384PEとCiPA推奨プロトコールを用い、信頼性の高いマルチイオンチャネル電流高速スクリーニングにより、メカニズムベースでQT延長リスクを評価します。
- hERG, Nav1.5 peak & late, Cav1.2 いずれのアッセイにおいても、凍結細胞の解凍当日使用が可能。それにより、同一継代細胞を用いた実験間差の小さい安定したデータを速やかに提供します。
- hiPS心筋細胞を用いたphenotypic assayの結果を、マルチイオンチャネルアッセイ結果を考慮しメカニズムベースで考察し、効果的なQTリスクスクリーニング戦略を提案します。
- 構築したイオンチャネルアッセイの基礎的研究成果を是非ご一読ください(NANION社と共著1)2))。
1) 10.1016/j.vascn.2020.106884 2) 10.1016/j.vascn.2021.107125

ICH S7B Q&Aガイドラインへの準備は出来てますか?
専門家集団が最適なIn Vivo Best Practice
CVテレメトリー試験を提供
- 新たに発行されたICH S7B Q&A ガイドラインに合せて、最適なIn Vivo Best Practice GLP CV Telemetry 試験を提供します。
- In Vitro及びIn Vivo、E-R解析、臨床QTデータに基づいて、統合的にQTリスクを的確に評価し、臨床まで橋渡します。
- GLP試験だけでなく、創薬ステージのスクリーニングやGLP試験後のフォローアップなど、特殊な試験デザインにも柔軟に対応したCVテレメトリー試験を実施し、課題を解決します。
- 血圧・LVP、心拍数、不整脈、体温などについても、豊富な背景データと様々な創薬経験に基づいて、開発候補化合物のリスクの解決策を提供します。
統合トランスレーショナル研究 浅野研究員の共著論文が『Scientific Reports』に掲載されました!



Characterization and reduction of non-endocrine cells accompanying islet-like endocrine cells differentiated from human iPSC
2022年4月
https://www.nature.com/articles/s41598-022-08753-5
論文の概要:
糖尿病の根治的な治療法として、ES細胞やiPS細胞などのヒト多能性幹細胞から作製した膵島様細胞の移植が期待されています。人工的に細胞を作製すると目的外の細胞が混入する可能性があります。特に大量の細胞移植が必要となる臨床応用にむけて、安全性の観点から可能な限り混入を低減することが望まれますが、混入する細胞は非常に稀な細胞集団であるため、解析が困難で不明な点が多いという課題があります。
日吉秀行 主任研究員(武田薬品工業株式会社T-CiRAディスカバリー)、佐久間健介 主任研究員(前職:武田薬品工業株式会社T-CiRAディスカバリー、現職: オリヅルセラピューティクス株式会社)、山添則子 主任研究員(前職:武田薬品工業株式会社T-CiRAディスカバリー、現職: オリヅルセラピューティクス株式会社)および豊田太郎 講師(CiRA増殖分化機構研究部門、T-CiRA、現 未来生命科学開拓部門)らの研究グループは、 ヒトiPS細胞由来の膵島様細胞の遺伝子発現を単一細胞レベルで解析することで、製造過程で混入の可能性がある目的外細胞の特徴を同定し、高感度に検出する方法を見出しました。また、目的外細胞の除去方法として、細胞増殖に関わるPLK分子の阻害や、解糖系の阻害といった新規の方法が有効であることを示しました。これらの知見は、移植治療のためのヒトiPS細胞由来膵島様細胞の大量製造において、既存の方法と組み合わせて目的外細胞を除去し、安全性を高めることに役立つと期待されます。
本研究においてAxceleadはシングルセル遺伝子発現解析を担当しました。
シングルセル遺伝子発現解析
関連情報:

RNA splicing focused libraryを用いたHTSサービス
低分子-RNA創薬に特化したPurpose-built library
RNA splicingへの作用を指向してメディシナルケミストがデザイン、合成した化合物を用いたHTS(High-Throughput Screening)を実施することで短期間かつ高成功確率でヒット化合物を取得することが出来ます。
ライブラリーコンセプト
RNA splice siteへの結合を指向したPharmacophoreにフォーカスし、メディシナルケミストがデザイン、合成した約1,700化合物で構成されています。既存ライブラリーではほとんど埋められていなかったケミカルスペースにアクセスすることができます。

質にこだわったライブラリー
- リードライクかつ多様性のある分子量分布
- 高いドラッグライクネス
- 幅広いレンジの塩基性を持った化合物ライブラリー

高いヒット率と選択性
ライブラリーから各ケモタイプの代表化合物を選出し、培養細胞に一晩作用させて、各化合物のRNA splicingへの作用をReal Time PCRで比較検討しました。その結果、コントロールとして用いたSMN2遺伝子だけでなく、選出した2つの遺伝子A, Bについても、RNA splicingへ影響を与える化合物が見いだされ、そのヒット率は10%を超えています。また、それぞれの遺伝子に選択的な化合物も複数見出されました。

遺伝子改変マウス・ラット作製
ターゲット/バイオマーカー探索や病態を再現するために、
多様な遺伝子改変マウス・ラットを作製・繁殖し、
お客様の創薬課題を解決します
ターゲット/バイオマーカー探索や薬効薬理試験に、病態モデル動物は非常に有用です。Axceleadでは、ES細胞による相同組換え法やCRISPR/Cas9によるゲノム編集技術を用いて、短期間でユニークな遺伝子欠損(KO)、遺伝子ノックイン(KI)などの遺伝子改変マウス・ラットを作製いたします。作製した遺伝子改変マウス・ラットを用いて、表現型解析や薬理・病理評価までを一貫した体制で受託することができるため、より短期間で試験結果をご提供いたします。
次のようなご要望がありましたら、ぜひ我々にご相談ください。
核酸医薬品評価のために長鎖DNA配列をKIしたい
関連性の高い複数の遺伝子を一度にKOしたい
既存の病態モデルに遺伝子改変を行いたい
短期間で多くの遺伝子改変動物を解析に使いたい
モデル作出から解析までのトータルソリューション

AXCCマウスを用いた腎疾患(CKD)創薬/病態研究
Mc4r KOマウスを用いたNASH治療薬/病態研究
ヒト型のエクソン・イントロン構造を保持したマウス
‐40kbpまでの長鎖KIが可能‐
近年、核酸医薬品を中心として、ヒトのゲノムDNA配列をターゲットとした薬剤の研究開発が活発となり、エクソン・イントロン構造を保持したヒト型KIマウス・ラットの需要が高まっています。 Axceleadでは、ES細胞やゲノム編集技術を用いてヒト型の長鎖KIマウス・ラットを作製いたします。これにより、ヒト型配列での薬剤の挙動や効果を生体で解析することができます。ご要望に応じて、核酸創薬研究をお手伝いするサポート体制を整えております。
ES細胞を用いた相同組換え法では、最大40kbpのKIマウスを取得
ゲノム編集技術を用いた手法では、最大17kbpのKIマウスを取得
KIラットの作製も可能

多層オミックス解析による
臨床応用可能なバイオマーカー探索
- ノンターゲットプロテオーム解析による蛋白質の網羅的な比較定量分析が可能です
- 蛋白質のリン酸化やユビキチン化など、翻訳後修飾に特化したプロテオーム解析が可能です
- 疾患特異的なアミノ酸配列を同定するためのデータベースを保有しています
- 安定同位体ラベル化アミノ酸を用いた蛋白質のターンオーバー解析が可能です
- 医薬品候補の治療効果を予測できる指標を見つけたい
- 医薬品候補の作用メカニズムを解明したい
- 医薬品候補に効果がある群(レスポンダー)を特定したい
- Axceleadでは、ヒト検体を用いたオミックス解析の実績があります
- 多群・多検体の生体試料の取り扱い及び分析・解析が可能です
- トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームの各層のオミックスデータを取得できます
- バイオインフォマティクスによって多層オミックスデータの解析及び解釈が可能です
- ノンターゲットプロテオーム解析による蛋白質の網羅的な比較定量分析が可能です
- 蛋白質のリン酸化やユビキチン化など、翻訳後修飾に特化したプロテオーム解析が可能です
- 疾患特異的なアミノ酸配列を同定するためのデータベースを保有しています
- 安定同位体ラベル化アミノ酸を用いた蛋白質のターンオーバー解析が可能です
このような課題はありませんか?
Axceleadは、疾患モデルの作成、多層オミックス解析、PK/PD解析などのソリューションによってこれらの課題を解決することで、医薬品開発の成功確率向上を支援します。
オミックス解析は、生体内の状態を分子レベルで網羅的に定量化することにより、生体メカニズムを解明することができる手法です。Axceleadは、トランスクリプトミクス、プロテオミクス、メタボロミクス、リピドミクスなどのオミックス解析を実施するプラットフォームを有しており、バイオマーカーの探索から検証まで、全てのプロセスを実施することが可能です。これまでの医薬品開発の経験をもとに、試験デザイン、オミックスデータの解釈、仮説構築をサポートします

あらゆる生体試料の多群・多検体・多層オミックス解析が可能です

プロテオーム解析プラットフォーム
「Axceleadに聞いてみた」シリーズ:
創薬の成功を左右する「創薬標的のバリデーションのエキスパートに聞いてみた
日時:
2021年12月16日(木)12:00 – 12:30
概要:
創薬研究における創薬標的のバリデーションは、プロジェクトの進め方や価値、および創薬の成功率に大きな影響を与える重要なディシジョンポイントです。
バリデーションには、ツール(標的細胞、阻害薬など)が重要ですが、Axceleadでは、ツール化合物をはじめ多くのバリデーションに欠かせないツールが充実しており、さらにはこれらを駆使した蓄積されたノウハウがあり、創薬研究に重要な創薬標的探索のソリューションを提供しています。
今回は、製薬企業での豊富な創薬研究経験を持つ2人のエキスパートが、創薬標的のバリデーションの課題に挑みます。
※本イベントは、視聴者の皆様から事前募集した創薬研究に関する質問に回答する形で進めさせていただきます。是非、皆様のご意見をお聞かせください。
募集内容
創薬標的のバリデーションにおいて解決すべき課題を幅広く募集いたします。
課題のレベルは問いません。どの領域の方からのご質問も幅広く受け付けます。
演者紹介:

戎野 幸彦 統合トランスレーショナル研究 シニアダイレクター
2005年大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了後、Oklahoma Medical Research Foundationに留学。 関西医科大学、武田薬品工業株式会社、大塚製薬株式会社を経て、2020年9月より現職。
Axceleadの
空間的トランスクリプトミクス(Visium)サービス
– 診たい組織サンプルはありませんか? –

Visium HDについても受託サービスご提供を開始しております。ぜひお問合せ下さい 。
こんなお客様に
- 空間的トランスクリプトミクスを研究に取り入れたいが導入でお困りの場合
- 密なディスカッションや手厚いサポートをご要望の場合
- 臨床検体の解析を目的とする場合
空間的トランスクリプトミクスとは?
病理組織切片をサンプルとして網羅的な遺伝子発現情報を得ることで、組織や細胞の位置/形態情報を伴った遺伝子発現データを可視化し、様々な観点から解析できる技術です。Axceleadでは10x Genomics社のVisiumキットを用いてサービスをご提供致します。解析に用いるサンプルはヒト及びマウス*の未固定新鮮凍結あるいはFFPEブロックが利用可能です。Visium解析の活用場面はトランスレーショナル研究、ターゲット探索/検証、MOA解析、病態解明など様々です。
バイオマーカー探索への活用
*場合によってはその他の動物種も解析可能ですのでご相談下さい
Axceleadの強み
Visium解析に必要となる病理ならびにバイオインフォマティクスを中心とした知識技術と、その連携による提案力です。お客様の様々なご相談に対し、蓄積してきた経験と実績を活かしながら試験デザイン、研究立案の部分も含めたご提案をさせて頂いております。弊社サービスの特長上、困難な課題が持ち込まれることが多いですが、解決に導くためお客様と密に連携しながら研究を進めます。
お客様の声をぜひご覧ください。
体細胞変異カスタムパネル解析
すべてお任せください!疾患に関連する
体細胞変異を検出する高効率ソリューション
腫瘍細胞における体細胞変異のプロファイルは、発症メカニズムを明らかにし薬剤の有効性や安全性を高めるために重要な情報となっています。Axceleadにご依頼いただければターゲット領域を特異的に増幅したNGS解析を実施することで、ごく少量のゲノムDNAから多検体の体細胞変異を効率よく検出することが可能です。

わずか10ngのゲノムDNAから、疾患に関与する
1,000を超えるサイトの変異を同時検出が可能
弊社のカスタムパネル解析をご利用いただければ、多検体の体細胞変異を効率よく検出することが可能です。全エキソン解析(WES)などノンバイアスに体細胞変異を検出する方法は探索的な研究では有効ですが、膨大なノイズを含む出力から疾患に関連する変異を見出すことは決して容易ではありません。また、解析するゲノムの範囲が膨大になるため、少ないカバレッジであってもトータルのリード数が多く必要となり費用面で高額になります。
疾患パスウェイに関連するゲノム領域に最初から絞ることにより、効率の良いデータ取得・解釈が可能となります。また、弊社のカスタムパネル解析では、PCRを用いて増幅するため、少量のゲノムDNAからでも解析することができます。

Axceleadでカスタムパネルのデザインからデータ解析まで対応可能
お客様から頂いた試験計画を元にカスタムパネルのデザインから、データ解析までワンストップで対応可能です。是非ご相談ください。

安全性の課題に対するソリューション
1. 網羅的な遺伝子発現解析によるオフターゲット毒性 (狭義) の評価
ヒトでのオフターゲット毒性リスクの低い配列を選択するため、ヒト細胞株を用いた網羅的な遺伝子発現解析を行います。
オフターゲット遺伝子が認められた場合、当該遺伝子の毒性情報調査を行いリスク評価をサポートいたします。
臨床での安全性情報が知られている核酸医薬品を参考データとして、お客様の核酸医薬品候補の遺伝子発現データを解析することで、
ヒトでの毒性リスクの低い候補品の選択に貢献します。

【臨床での安全性情報が知られているASOのオフターゲット毒性評価実例】
日本核酸医薬学会第6回年会にて発表
『Evaluation of the extrapolation about the off-target effects of antisense oligonucleotides from in vitro to human』
2. 多様な毒性評価系によるオフターゲット毒性 (広義) の評価
核酸創薬で注意すべき血液系・免疫系への影響や肝・腎毒性等を評価することにより、毒性リスクの低い核酸医薬品候補を選択します。
Axceleadではこれまでの豊富な創薬経験を活かし、各種毒性プロファイルについて、どのタイミングで・どの種類の毒性試験を実施すべきか、戦略面からご提案します。
また、in vitro・in vivo試験共に、下記のような多様な評価系を有しておりますが、お客様とご相談しながら、目的に応じたオリジナルな評価系も構築いたします。

3.LNPの作製および免疫刺激性評価
Axceleadでは、遺伝子導入(mRNA, siRNA, DNA etc)のための Lipid nano particle (LNP)を用いた評価をサポートいたします。

標的組織・細胞への送達の課題に対するソリューション
細胞内動態評価 細胞内動態評価 細胞内動態評価 血漿/臓器中濃度評価 保有機器(LC/MS) 細胞内動態評価 薬効が不十分な場合に、標的組織の細胞までの送達が十分でないことが原因の一つとして考えられます。 血漿/臓器中濃度評価 保有機器(LC/MS) 細胞内動態評価
最新の機器を用いて迅速に血漿中、臓器中濃度を評価
・ Orbitrap Exploris 120
(ThermoScientific) 
1. 標的組織の細胞までの送達評価 (PK/PD解析)
Axceleadでは、様々な手法を組み合わせて動態上の課題を解析し、ボトルネックとなる工程を見出します。
まず、得られた動態結果 (PK解析)とPD解析結果から、送達が十分か否かを考察します。更に、薬理試験における投与レジュメのご提案も可能です。
病態モデル動物を用いた薬効評価
最新の機器を用いて迅速に血漿中、臓器中濃度を評価
・ Orbitrap Exploris 120
(ThermoScientific) 
ICHガイドライン未整備の課題に対するソリューション
最適なGLP試験パッケージのご提案
探索段階のデータを基に書面評価を実施し、お客様の目的(IND申請等)に応じた毒性試験GLPパッケージをご提案いたします。100品目以上のIND等の経験を有する専門家が、試験全体のマネジメントに加え、安全域の解釈や毒性課題の解決までサポートいたします。
非臨床安全性評価をトータルサポート
例えばこのようなシーンでご用命ください!



薬効評価の課題に対するソリューション

【弊社における病態モデル動物を用いた薬効評価の実例】
「非アルコール性脂肪肝炎の病態モデルマウスを用いたACC阻害薬の薬効評価」
・病因:生活習慣病
・病態:脂肪肝や肝線維化
・病態モデル動物:高脂肪食を負荷させたMC4受容体欠損マウス
・PD:肝臓中マロニルCoA
・薬効:脂肪肝や肝線維化の抑制
MC4R KOマウスを用いた薬効評価に関する論文 (PLOS ONE サイトへ)

1. ヒト細胞 (病態モデル)を用いた多様な表現型解析
各種 Cell line やhiPS細胞由来分化細胞を用いた様々なヒト細胞 (病態モデル)を準備して、多様な表現型解析を行い、お客様の核酸医薬品候補の選択に貢献します。
経験したスクリーニングや化合物評価技術を応用することで、お客様とご相談しながら、目的に応じたオリジナルな細胞評価系も構築いたします。

2. 病態モデル動物を用いた薬効評価
臨床外挿性の高い病態モデル動物において医薬品候補の薬効評価 (PD/薬効)を行い、臨床試験に向けたデータをご提供いたします。
お客様とご相談しながら、これまでの豊富な創薬の経験を活かして、必要最小限の試験デザインのご提案から薬効評価の実施まで対応いたします。

【弊社における病態モデル動物を用いた薬効評価の実例】
「非アルコール性脂肪肝炎の病態モデルマウスを用いたACC阻害薬の薬効評価」
・病因:生活習慣病
・病態:脂肪肝や肝線維化
・病態モデル動物:高脂肪食を負荷させたMC4受容体欠損マウス
・PD:肝臓中マロニルCoA
・薬効:脂肪肝や肝線維化の抑制
MC4R KOマウスを用いた薬効評価に関する論文 (PLOS ONE サイトへ)

腎疾患創薬における
臨床バイオマーカー測定/新規バイオマーカー探索
CKD患者の診断・予後予測に使用されるバイオマーカー
・尿中アルブミン・蛋白
・血中尿素窒素・クレアチニン
CKD患者の診断・予後予測に使用されるバイオマーカー
・尿中アルブミン・蛋白
・血中尿素窒素・クレアチニン
CKD患者の診断・予後予測に使用されるバイオマーカー
・尿中アルブミン・蛋白
・血中尿素窒素・クレアチニン
フローケミストリーを活用した効率的合成法の開発
フローケミストリーを用いて開発初期から後期までの
効率的な合成プロセスを確立し、
プロジェクト全体の加速化、コスト削減に貢献します!
フローケミストリーとは
創薬研究への応用
応用事例1: フラッシュケミストリー
応用事例2: 光反応
よくあるご質問
フローケミストリーとは
原料、試薬類の2種類以上の異なる溶液を微細流路に流し、温度や滞留時間(反応時間)をコントロールしながら化学合成を行う技術

【リアクターの特徴】
・リアクターの比表面積が大きく熱拡散が早い ⇒ 反応温度のコントロールが容易
・Mixer 間の長さ、流速で反応時間が決まる ⇒ 反応時間のコントロールが容易
・反応系内から生成物が随時流出される ⇒ 生成物の過剰反応を抑制し、収率が向上
・反応系が閉鎖系 ⇒ 高温、高圧下での反応や危険試薬・高活性物質の使用が可能
・送液量を増やすことでスケールアップが可能 ⇒ 小スペースでのスケールアップ合成が可能
腎疾患治療薬の創薬/病態研究
創薬ターゲットの検証から
病態モデルでの評価、臨床開発への橋渡しまで
腎疾患治療薬の創出を強力にサポート
腎臓は機能の異なる多種多様な細胞により構成されている複雑な臓器で、多彩な機能を有しています。高血圧などの腎疾患のリスクとなる基礎疾患に対する治療薬は充足してきていますが、有効性予測可能な信頼できるバイオマーカーが乏しいなどの理由により、腎臓を直接狙った治療薬の開発は途上であり、透析導入への流れを止めるに至っておりません。弊社では、創薬ターゲットの探索/同定から、薬効薬理試験、さらには、臨床バイオマーカーの探索や臨床開発への橋渡しまで腎疾患治療薬の開発をサポートします。

1.ターゲット同定/検証(KO/Tgマウス等)
- 患者サンプルや病態モデルサンプルを用いた網羅的遺伝子発現解析により、創薬ターゲット候補を同定します
- 創薬ターゲット候補に対する市販化合物/抗体等を用いて、病態モデル動物での薬効を検証します
- 創薬ターゲット候補分子の遺伝子欠損マウスを作製して腎機能不全や腎線維化を誘導し、改善/増悪効果を検証します
https://www.axcelead.com/achievement/43mbsj_hashikami/
2.ハイスループットスクリーニング
- 業界最大級、高品質な化合物ライブラリーと種々のハイスループットスクリーニング技術を駆使し、広範なターゲットに対し高品質なヒット化合物を提供します
https://www.axcelead.com/service/587/
3.細胞アッセイ
- 創薬ターゲットの作用機序に基づいた評価系をお客様と相談しながら構築いたします
Visium Dayにご参加の皆様
私たちは創薬ソリューションプロバイダーAxceleadです
“Partnership Research Organization(PRO)”として、
お客様と共に歩み、共に考え、日本から世界へ創薬イノベーションの創出を目指します。
Axceleadは、2017年に武田薬品工業株式会社の創薬プラットフォームを継承して事業を開始した、日本発の創薬ソリューションプロバイダーです。
製薬企業で長年培った豊富な技術や知識、経験を基に医薬品探索研究から臨床開発への橋渡しプロセスまで、お客様のニーズに合わせたソリューションを提供しています。
◆Axceleadのご紹介
約4分半でAxceleadをご紹介いたします。
まずは、私たちが何者なのかをご確認ください。
Axceleadのサービス一例をご紹介します
◆空間的トランスクリプトミクスとは?
Axceleadで提供している「空間的トランスクリプトミクス」とは?
バイオインフォマティシャンの坂口が、概要をご紹介します。
Axcelead Hit-identified Target (A-HiT) プロジェクト
- 約60% 以上のターゲットにおいて、First-in-Class が狙えます。
- オリジナルインディケーションの疾患モデルで有効性が確認できているプロジェクトが多数あります。
- ドラッグリポジショニングの可能性も秘めているため、お客様の注力領域や薬剤貢献度が低い疾患領域でのターゲットバリデーションからスタートすることも可能です。
- 約30%のターゲットについては、共結晶構造を取得済です。
- 製薬企業で実際に実施していたHit/Lead化合物取得済みのプロジェクトを活用し、お客様と開発候補化合物創出を目指すプログラムです。
- これらのターゲットに関するすべてのアセット (Hit/Lead化合物、関連化合物、スクリーニング系などの評価系、過去の取得データ等) を活用することで、初期の創薬ステップを大幅に短縮できます。
- A-HiTプロジェクトで合成展開を行った化合物の知財は、原則お客様に帰属します。
- 約60% 以上のターゲットにおいて、First-in-Class が狙えます。
- オリジナルインディケーションの疾患モデルで有効性が確認できているプロジェクトが多数あります。
- ドラッグリポジショニングの可能性も秘めているため、お客様の注力領域や薬剤貢献度が低い疾患領域でのターゲットバリデーションからスタートすることも可能です。
- 約30%のターゲットについては、共結晶構造を取得済です。
お客様の効率的なパイプライン拡充にコミットします
Axceleadでは、Hit/Lead化合物、関連化合物、およびスクリーニング系などの評価系が既に確立されているプロジェクト(A-HiTプロジェクト*)を活用し、初期の創薬ステップを大幅に短縮しながらお客様のパイプライン拡充を目指します。 これら化合物に紐づく各種データやターゲットに関するナレッジも有しているため、お客様と共にプロジェクトを推進し、効率的・効果的な創薬研究に貢献します。
*Axcelead Hit-identified Targetプロジェクト

1.A-Hitプロジェクトとは?
2.プロジェクトの進め方
3.実績
A-Hitプロジェクトとは?
✓リード創出・リード最適化から研究をスタート
✓魅力的なターゲットを厳選
Laser Microdissection法
組織/細胞レベルでの領域特異的な解析により、
生物学的作用の機序解明やターゲット/バイオマーカー探索研究の課題解決を可能にします
Laser Microdissection法(LMD)とは、凍結切片やFFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)切片を専用スライドに載せ、顕微鏡で組織の観察を行いながら解析領域を採取する技術です。網羅的な遺伝子・タンパク質発現解析と組み合わせることで、目的の領域に特異的な現象を捉えることが可能になります。Axceleadでは、病理やオミクス研究の知識技術・経験を活かした統合的なサービスをご提供しております。
- 病変部位、特定構造やその比較対象を、解析領域として適切に見極めて採取することで、従来アプローチできなかった創薬ターゲットやバイオマーカーの探索/検証が可能となります。
- 病理組織像や作用機序に基づいて領域を設定することで、解像度を上げた薬効作用、毒性発現機序検証を実施することができます。
- ドラッグリポジショニングを目的に、お客様が保管されているFFPEブロックを再解析してターゲット探索/同定を実施することが可能です。
- 複合的なサービスとして、シングルセル/核-RNAseqなど周辺技術を用いた解析や薬効薬理試験との同時実施の形でご提供することも可能です。
シングルセル遺伝子発現解析
シングル核遺伝子発現解析
様々なサンプルに対応可能!
- Axceleadでは腎臓、膵臓、肝臓、眼球、卵巣、精巣、大動脈、癌組織やスフェロイドなど、様々な臓器/組織を扱った実績がございます。また、従来RNA断片化などの悪影響が懸念されてきたFFPEブロックについても、良好な結果が得られております。
- 事前検討として、解析に用いる組織の病理組織評価やRNAの質・量の確認を行い、サンプルの選別を実施することが可能です。例えば、臨床検体を用いてLMDからトランスクリプトーム解析を行う場合には、ブロックに含まれる組織成分とRNAの質・量が不均一であることが解析を妨げる原因になります。事前検討を実施しその結果を活かすことで、お客様の課題が解決できる可能性が高まります。

臨床検体で腸神経叢組織に着目した解析例。FFPEブロックを用いた解析例になります。

目的組織を含まない領域のブロックをトリミング除去して切片を作製することで、1枚のLMDスライドに載せる切片枚数を多くし、採取組織量を効率的に増加させることができます。
お客様の目的に合わせた適切な領域設定をご提案!
- 病理組織学的な観点からの病変/非病変部位の切り分けや、マーカー分子を利用した多重免疫染色による領域分類をご提案した実績がございます。お客様の目的に合わせた解析領域の設定をご提案させて頂きます。

多重免疫染色の一例。マーカー分子を赤色蛍光(細胞質)と緑色蛍光(核)に染め分けることで、発現分子による領域分類が可能になりました。
遺伝子発現解析だけでなくタンパク質発現解析も可能!
- AxceleadではLMDとプロテオーム解析を組み合わせた課題解決の実績がございます。これまで解析が困難であるとされていた微量組織やFFPEでも対応可能なプロテオーム解析技術とセットでのサービスとしてもご利用下さい。
プロテオーム解析技術
核酸医薬品オフターゲット評価
オフターゲット毒性リスクの低い核酸配列選択が可能!
核酸医薬品を研究開発する上で、核酸成分に由来する毒性が懸念されます。その中で、標的以外の配列へのオフターゲットは研究開発の初期段階で回避したい項目の一つであります。我々は、オフターゲット作用リスクの低い核酸配列を選択するために、ヒト細胞を用いた網羅的な遺伝子発現解析から発現変動遺伝子数を基にした評価を行い、配列選択を行います。
- Axceleadでは、AmpliSeqプラットフォームを有しており、少量のRNAから384プレートを用いたハイスループットのアッセイ系で次世代シークエンスデータを取得することが可能でございます。
- ヒト肝臓細胞 (HepaRG細胞) を用いたトランスクリプトーム解析によって核酸医薬品によるオフターゲット作用を検出します。
- 塩基配列によるin silico予測と組み合わせることにより、オフターゲット作用を総合的に評価します。
- 網羅的遺伝子発現データを用いることで、オフターゲット作用に加えて、オンターゲット作用を同時に検出することが可能でございます。
- In vitro・In vivo安全性評価やPK/PD評価を総合的に行うことで、核酸創薬を総合的にサポートさせていただきます。
- 日本核酸医薬学会第5回年会、第6回年会で発表しています
網羅的遺伝子発現解析およびin silico予測によるASOのオフターゲット作用評価の一例。


フィンガープリンティング
フィンガープリンティングとは、化合物特有の遺伝子発現プロファイリングであり、Axceleadでは、化合物を用いたトランスクリプトームデータから、化合物に特異的なgene signatureを抽出し、フィンガープリンティングデータを作成します。
- Axceleadでは、AmpliSeqプラットフォームを有しており、少量のRNAから384プレートを用いたハイスループットのアッセイ系でトランスクリプトームデータを取得します。
- 化合物を用いたトランスクリプトームデータから、化合物に特異的なgene signatureを抽出します (フィンガープリンティング)。
- フィンガープリンティングデータを公共データベースと比較することにより、疾患候補の抽出(ドラッグリポジショニング)およびターゲット候補の抽出(ターゲットデコンボリューション)が可能になります。

ターゲットデコンボリューション:
フェノティピックスクリーニング
ヒット化合物のターゲット同定!
フェノティピックスクリーニングは細胞の表現型変化を指標とした化合物探索であり、従来のターゲットベースの化合物探索ではヒットしない化合物を見出す可能性がございます。同時に、ヒット化合物には作用メカニズムが不明な化合物が含まれる場合がございます。ヒット化合物を用いた創薬研究を進める上で、ヒット化合物の標的ターゲットの同定は解決するべき課題となります。我々は、ヒット化合物の標的ターゲットの同定を行うために、化合物から得たトランスクリプトームデータのフィンガープリンティングを行っており、標的分子の同定をいたします。
- フェノティピックスクリーニングから見出した化合物を用いたトランスクリプトームデータを取得し、化合物特有のgene signatureを抽出します (フィンガープリンティング)。
- 化合物特異的なgene signatureを用いて、ターゲット分子やMoAを推定します。
- 化合物の標的ターゲットを明らかにすることにより、創薬研究を加速することが可能でございます。
Axceleadの遺伝子改変動物作出機能や薬理薬効試験の統合的なサービスを提供することで、標的ターゲットの評価が可能となります。
Axcelead独自のデータベースを組み合わせることにより、標的ターゲットの確度高い推定を行います。

ドラッグリポジショニング:
新規適応疾患を探索!
ドラッグリポジショニングはお客様の財産である化合物を最大限に生かす事が可能であり、近年注目されているアプローチの一つでございます。開発化合物のライフサイクルマネージメントの観点から、既存化合物の適用疾患を拡大するために、適応疾患リスト作成が可能でございます。また、お客様が何らかの理由で研究開発を中止した化合物に関して、適応の可能性がある新たな適応疾患リストを作成いたします。
- 化合物を用いたトランスクリプトームデータから化合物に特異的なgene signatureを抽出します (フィンガープリンティングデータ)。
- 標的ターゲット分子に対する公共トランスクリプトームデータからターゲット分子に特異的なgene signatureを抽出します 。
- 化合物あるいは標的ターゲット分子に特異的なgene signatureを用いて、新規適用疾患候補を抽出します。
- これまでに培った経験により、解析の偽陽性・ノイズを効果的に除くことができます。
- In vitro研究の知識・経験を活かした総合的なサービスを提供しており、スピーディーに結果をご提供することが可能でございます。

ドラッグリポジショニングのフロー。化合物に特異的なgene signatureと公共データベースとの比較解析により疾患候補を抽出します。
核酸医薬品の研究をサポートします!
日時:
2021年8月25日(水)12:00 – 12:30
概要:
核酸医薬品は、これまで低分子医薬品や抗体医薬品では標的とすることが難しかった遺伝性疾患等に対する新しいモダリティとして注目されており、近年世界的に研究開発が活発化しています。創薬ソリューションプロバイダーであるAxceleadでは、これまで培ってきた豊富な経験と技術力を活かし、核酸医薬品研究におけるソリューションを提供いたします。本セミナーでは、核酸医薬品の創薬研究における課題とその解決を中心に紹介いたします。
演者紹介:

吉田 唯真
統合トランスレーショナル研究 主任研究員
修士(環境科学)。日本環境変異原学会及び日本毒性学会会員。2013年静岡県立大学博士前期課程修了後、武田薬品工業入社。入社以来、主に候補化合物のin vitro毒性評価を担当し、2017年から核酸医薬品のin vitro安全性評価も担当。2017年7月よりAxcelead Drug Discovery Partners株式会社 非臨床安全性研究 in vitro毒性 研究員。2018年10月より現職。
マイクロダイアリシスで創薬研究にイノベーションを!
日時:
2021年8月3日(火)12:00 – 12:30
概要:
マイクロダイアリシス法は、創薬研究における強力なツールとなっています。
1970年代に開発されたマイクロダイアリシス法は、脳内の細胞外モノアミンなどの神経伝達物質を測定する方法として普及しました。現在では、中枢領域だけでなく、血液や末梢領域でも、さらには、病態関連ペプチドや、薬物濃度を測定するのためのツールとして幅広く使用されています。分析技術の発展により、複数種の同時測定や高感度分析が必要なバイオマーカーやセカンドメッセンジャーなどの変動をとらえることも可能となりました。
マイクロダイアリシス法と既存の評価系を組み合わせることで、創薬研究に新たな価値を見出すことができます。我々は、PK/PD/Efficacy 解析を活用して、ターゲット部位でのMOA 評価やPOM/POC 獲得にも応用しています。ここでは、マイクロダイアリシス法の実例や今後の展開についてご紹介します。
演者紹介:

前田 千恵
統合トランスレーショナル研究 統合生物 中枢疾患領域 主任研究員
薬学修士、薬剤師。大阪薬科大学卒業後、岡山大学大学院自然科学研究科医療薬学修士課程を修了。2003年に武田薬品工業に入社。睡眠リズム障害、認知症、精神疾患、神経変性疾患など、多岐にわたる中枢疾患領域の治療薬創製のため、数多くのプロジェクトに従事。
2017年 Axcelead Drug Discovery Partners株式会社設立時に武田薬品から転籍し、現職。3歳と11歳の2児の母。
パネルディスカッション:
進化するオープンイノベーション
~Unlock the value of Japanese Science~

協力:湘南アイパーク 後援:一般財団法人 バイオインダストリー協会
日時:
2021年9月8日(水)16:00 – 17:30
登壇企業:
オープンイノベーション(OI)を積極的に展開する企業と、ライフサイエンスエコシステム構築を目指す湘南アイパークからパネリストが登壇。

概要:
国内においても研究の効率化や外部の先端技術の活用を目的として、創薬研究にオープンイノベーション(OI)が活用されるようになって久しい。製薬企業はこぞって、ユニークな技術やシーズを持つアカデミアやバイオベンチャーとの連携を推進し、革新的な医薬品の創出を志してきた。一方、欧米は日本よりも大きく進んでいると言われており、強固な創薬エコシステムを背景に、特定の領域に特化した創薬ベンチャーが研究開発を進め、その成果を大手製薬会社が買収して世に出していくモデルが一般化している。
日本の創薬プレイヤーは、今後どのようにオープンイノベーションを展開していくべきか?今後も、日本から革新的な新薬を創出し続けるために、我々は今何に取り組めばいいのか?ライフサイエンスエコシステムの構築をミッションに掲げる湘南アイパーク。そのテナントの各業界代表者が本音をぶつけ合います。
パネリスト紹介:企業名アルファベット順
開発薬物動態
IND に向けた準備から申請、LCM まで
薬物動態全般をトータルサポートいたします
日米欧3極で統一されつつあるガイドラインの制定や実験手技の標準化、ヒト由来サンプルの安定的供給など、非臨床薬物動態試験のメニュー決定やデータ採取は高いハードルではない時代になりました。しかしながら、効率的な試験の実施や結果の解釈、試験結果から導かれる次への展開などの開発戦略は企業ノウハウに大きく依存します。
Axceleadは製薬企業やベンチャー、アカデミア、新たに医薬品開発へ参入されるお客様それぞれの戦略や目的に合わせた最適なソリューションをご提供します。あらゆる薬効領域においてのべ100品目以上のIND、20品目以上のNDA/BLA申請の経験を持つ非臨床薬物動態研究者が試験の立案・実施から結果の解釈、開発戦略をご提案します。また、試験単位、プロジェクト単位、さらには包括的なコンサルティングもお受けします。
1.お客様のプロジェクトを前進させる3つのソリューション
2.開発動態研究者のサブスクリプションサービス
3.サポート事例
お客様のプロジェクトを前進させる
3つのソリューション

開発動態研究者の
サブスクリプションサービス
IND、NDA/BLAの経験をもつ開発動態研究者が皆様のプロジェクトに参加し、創薬研究を加速化します!
- 開発ステージおよび橋渡し研究のプロジェクトメンバーとしてご活用ください。
- IND申請のための試験についてもご提案させていただきます。
- Axcelead研究者がハブとして働くことで、Axceleadの他部門も含めてお客様の創薬をサポートいたします。

Meet a cutting-edge technology:
ドライーウエット融合型創薬を目指して
業務提携を行っているFRONTEOの豊柴氏をお招きし、開催いたします。
日時:
2021年7月15日(木)12:00 – 12:30
概要:
創薬においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が高まり、「IT創薬」、「AI創薬」が積極的に進められています。そこでは、ITやAI(ドライ)を通して仮説を構築し、実際に試験(ウエット)を行って構築された仮説を効率的に検証する、仮説・検証サイクルを効率的にまわすことが非常に重要です。本セミナーでは、FRONTEOの自然言語処理AIとAxceleadの創薬プラットフォームを組み合わせた、ドライーウエット融合型のリポジショニング・疾患探索の取り組みについて紹介します。
演者紹介:

豊柴 博義氏 株式会社FRONTEO ライフサイエンスAI事業部 CTO
博士(数学)早稲田大学大学院 理工学研究科数学専攻。理学博士(数学、2000年に博士号取得)課程中の1999年より九州大学医学部附属病院の医療情報部にて医療データの統計解析を担当する。2000年よりアメリカ国立環境健康科学研究所(NIEHS)において、データ解析による発がんプロセスの研究などに参加。2004年からは独立行政法人国立環境研究所にて、毒性データの統計解析・疫学研究のデザインとデータ解析の研究に従事。2006年に武田薬品工業に入社し、バイオインフォマティクス分野の研究員、グローバルデータサイエンス研究所・日本サイトバイオインフォマティクスヘッド、サイエンスフェローを歴任。また、臨床試験データにおける遺伝子発現データ解析やターゲット探索、さらに免疫と癌におけるバイオマーカー探索にも携わる。

「ペプチド創薬」が拓く中分子創薬
日時:
2021年7月21日(水)12:00 – 12:30
概要:
中分子創薬は、低分子薬と抗体の分子特性を併せ持つモダリティとして注目されており、その中で「ペプチド創薬」は、それぞれの利点を最大に活かすことができるアプローチとして期待が高まっています。本セミナーでは、Axcelead Drug Discovery Partnersが有するペプチド創薬のプラットホームや、ペプチド創薬の課題解決法について紹介を行います。
演者紹介:

医薬探索研究 主席研究員 寺尾嘉人
博士(工学)。2003年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員を経て、武田薬品工業株式会社に入社。創薬化学者として、新規化合物創出に従事。部門横断的な創薬プロジェクトをリード。2017年7月より現職。ペプチド、核酸、低分子を担当するMedicinal Chemistry&Modalityグループをリード。京都市出身
Meet a cutting-edge technology:
ヒト中枢移行評価を創薬初期段階から可能にする
Human BBB-on-a-chip
Axceleadが共同研究を進めている最先端技術をご紹介します。
日時:
2021年7月1日(木)12:00 – 12:30
概要:
ヒト由来細胞を用いた評価を、生体に近い環境で可能とする生体模倣デバイスMicrophysiological systemsは、外挿性の向上から近年非常に注目されている。BBB-on-a-chipは、中枢神経系を標的とした創薬において長年の課題である、探索段階でヒトにおける中枢移行を予測しうる評価系として期待される。本セミナーではiPS細胞とマイクロ流体デバイスによる三次元培養を駆使した最新の成果を紹介します。
演者紹介:

黒澤俊樹先生 帝京大学 薬学部 薬物動態学研究室 助教
博士 (薬学)。薬剤師。2020年に帝京大学大学院薬学研究科を修了後、同薬学部助教に就任。学部の頃から出口芳春教授のもとで血液脳関門 (BBB) 研究を開始し、薬物の脳移行に影響するBBBの複雑かつ巧妙なシステムに興味を持つ。大学院博士論文のタイトルは「ヒトiPS細胞由来脳毛細血管内皮細胞のBBBモデルとしての有用性」。現在はヒト脳微小環境を模倣する3次元培養モデルの開発に精力を注いでいる。第41回生体膜と薬物の相互作用シンポジウムで優秀発表賞を受賞。BBB関連の論文数は7報である。
いま見えていないだけ、必ず答えはそこにある。
上手くいかない、、、そんな時まずは自分を疑ってみる
武田薬品工業へ入社後、14Cラベル体を用いた薬物動態試験での代謝物の構造解析、臨床Bioanalysis(生体試料中の薬物濃度測定)関連業務に携わると共に、ヒトマスバランス試験での代謝物分析などにも対応し、医薬品承認申請時の申請資料作成や適合性書面調査対応などの業務に従事していました。2017年にAxceleadへ転籍しBioanalysis、代謝物の構造解析等担当しています。
そもそも創薬に興味を持ったのは“薬ひとつで多くの命を救えることもある”そのような事例に触れて貢献したいと思ったこと、また、実験や化学が楽しかったので薬学の道へ進みました。実験が楽しいと感じるのは「そこにある真実が見えるからであり、必ず答えはそこにあるからです。」まだ見えていないものを見つけていく、自然科学はここが楽しいと感じています。
実験が上手くいかないときは大体自分が何か間違っていることが多い。本当に手順通りにやっているのか?思い込みで進めていないか?など初歩的なことを含めて“自分を疑い”取り組んでいます。恩師となる先生からの「おかしいときは大体自分がおかしい」という言葉を思い出し、経験的にもそのように感じていますので、何かしっくりこないときまずは自分を疑って見直すことにしています。なるほど!という答えが見えたときはやはり快感です。
異国で学んだ向き合う姿勢
欧州でのヒトマスバランス試験の代謝物分析に関してトラブル対応で訪問したベルギーの委託先CROで、フランス語圏のベルギー人と日本人がお互い母国語でない英語で議論し、お互いを非難するかの様相で緊迫した空気となり本当に胃が痛かった思い出があります。半年くらいテレビ電話で会議していましたがテレビ電話といっても今のような技術もなかったこともあり、なかなか言葉では通じにくいことも多々あって、プロジェクトが思うように進んでいませんでした。そこで先方からの要望もありベルギーへ。
何としてもデータを取得する必要があったため、器具が足りないなどの事態を避けるために日本からガラスの遠沈管、LCカラム、ピペットなど必要な器具を一切合切スーツケースに入れて持ち込みました。緊迫した状況の中、それらを取り出していた正にその時、その様子を見ていた先方のトップの目の色がガラッと変わって協力的になり、一緒に実験室まで入って必要な追加の器具探しまでしてくれました。前向きに進めるためのこちらの本気度を理解してくれたのだと感じました、その瞬間は今でも忘れられません。言葉が上手く通じなくても何かを真剣に訴えかければ相手に伝わるもの、という経験をしました。それ以来、真剣に向き合えば何とかなる、通じる、とある意味開き直って落ちついて取り組めるようになりました。
それぞれの特徴を楽しむ
ベルギーに行ったあたりからクラフトビールにハマり飲むようになりました。アメリカに行った時も意外と各地にいろんなビールがあって、それぞれ味に特徴があり面白く楽しんでいました。今はコロナ禍であまり行けませんが湘南や横浜あたりのクラフトビールを出しているお店に行ってみたり、横浜のベルギービールのイベントやオクトーバーフェストがあれば出向いてみたりしました。個人的にはホップが効いていて苦みと香りがあるIPAが好みです。 ※IPA:India Pale Ale

これまでの英知を活かし薬の発展へ
ガイドラインには、これまでの人類の英知が結集していると言っても過言ではないと思っています。NDAに向け、どのようにそのガイドラインを利用し、助けてもらうか。一方では、基本はやはりサイエンスであり、サイエンスを積み重ねてガイドラインと上手く組み合わせて対応していくこと、と考えています。当然わたし一人でなしえないことなのでAxceleadのネットワークなども活かし‘創薬’に取り組んで行きます。
「Axceleadに聞いてみた」シリーズ: 創薬の成功を左右する出発点「創薬標的探索」の エキスパートに聞いてみた
日時:
2021年6月24日(木)12:00 – 12:30
概要:
創薬研究における標的分子の選定は、その後の創薬の成功率に大きな影響を与える重要なディシジョンポイントです。
Axceleadでは、蓄積されたノウハウや、オミックス解析やバイオインフォマティクスなどの基盤技術を駆使してお客様のニーズに合わせた創薬標的探索のソリューションを提供しています。
今回は、製薬企業での豊富な創薬研究経験を持つ3人のエキスパートが、創薬標的探索上の課題に挑みます。
※本イベントは、視聴者の皆様から事前募集した創薬研究に関する質問に回答する形で進めさせていただきます。是非、皆様のご意見をお聞かせください。
募集内容
創薬標的探索フェーズにおいて解決すべき課題を幅広く募集いたします。
課題のレベルは問いません。どの領域の方からのご質問も幅広く受け付けます。
演者紹介:

医薬探索研究 主席研究員 尾野晃人
修士(工学)。大阪大学工学研究科修士課程修了後、武田薬品工業株式会社に入社。主に表現型スクリ―ニングを用いた医薬品探索研究に従事。2017年7月より、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社分子スクリーニング主任研究員。2019年8月より現職。大阪府堺市出身
「Axceleadに聞いてみた」シリーズ: 化合物創製/最適化を支える薬物動態のエキスパートに聞いてみた

統合トランスレーショナル研究 主席研究員/HT-ADME Lead
青山和誠
修士(薬学、経営学)。2008年東北大学大学院薬学研究科医療薬科学専攻前期課程を修了し、武田薬品工業株式会社入社。創薬探索研究において薬物動態の見地から数十の創薬プロジェクト、開発候補化合物の最適化と選択を担当すると同時に新規 in vitro評価系の構築に携わる。
2017年7月にAxcelead Drug Discovery Partners株式会社転籍後に引き続き創薬プロジェクト・探索動態をリードする傍ら、Axcelead労働組合の設立し、初代中央執行委員長を兼任。2020年1月にAxcelead Drug Discovery Partners株式会社薬物動態分析主席研究員、2020年4月より現職。年間200超の案件を担当している。
日時:
2021年5月26日(水)12:00 – 12:30
概要:
Axceleadでは、創薬研究に必要なほぼ全ての機能がひとつ屋根の下に揃っています。
リード化合物創製/最適化フェーズにおいては、豊富な創薬経験を有するケミストと共に各機能の専門部隊が連携を図り、化合物の”デザイン、合成、評価、解析”サイクルをスピーディーにまわしながらプロジェクトを推進しています。
化合物の”デザイン、合成、評価、解析”サイクルを支えるAxceleadの専門部隊とは?
今回は、薬物動態の専門部隊代表 青山が、リード化合物創製/最適化における皆さまの疑問に答えまくります。
なお、回答者の青山は本番まで質問内容を知らされません。司会陣との本気の応戦をお楽しみください。
※本イベントは、視聴者の皆様から事前募集した創薬研究に関する質問に回答する形で進めさせていただきます。是非、皆様のご意見をお聞かせください。
募集内容
質問の募集は終了しました。
今回は、以下の条件にて皆様からのご質問を募集いたします。
質問内容のレベルは問いません。
また、化学・薬物動態に限らず、どの領域の方からのご質問も幅広く受け付けます。
■ モダリティ:低分子
■ 創薬フェーズ:化合物創製/最適化
■ 領域:薬物動態
演者紹介:

統合トランスレーショナル研究 主席研究員/HT-ADME Lead
青山和誠
修士(薬学、経営学)。2008年東北大学大学院薬学研究科医療薬科学専攻前期課程を修了し、武田薬品工業株式会社入社。創薬探索研究において薬物動態の見地から数十の創薬プロジェクト、開発候補化合物の最適化と選択を担当すると同時に新規 in vitro評価系の構築に携わる。
2017年7月にAxcelead Drug Discovery Partners株式会社転籍後に引き続き創薬プロジェクト・探索動態をリードする傍ら、Axcelead労働組合の設立し、初代中央執行委員長を兼任。2020年1月にAxcelead Drug Discovery Partners株式会社薬物動態分析主席研究員、2020年4月より現職。年間200超の案件を担当している。
新しい作用機序の化合物探索を実現するAxceleadのフェノティピックスクリーニング
日時:
2021年4月21日(水)12:00 – 12:30
概要:
フェノティピックスクリーニングは疾患モデル細胞に対する薬効(表現型変化)を指標に化合物をスクリーニングする手法であり、近年標的分子の枯渇やiPS細胞などの新規技術の進歩を背景に、その有用性が見直されています。フェノティピックスクリーニングを活用することで、新規の作用メカニズムを有する薬剤の発見も期待できます。本セミナーではアクセリードがご提供するフェノティピックスクリーニングのプラットフォームについてご紹介いたします。
演者紹介:

医薬探索研究 主席研究員 尾野晃人
修士(工学)。大阪大学工学研究科修士課程修了後、武田薬品工業株式会社に入社。主に表現型スクリ―ニングを用いた医薬品探索研究に従事。2017年7月より、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社分子スクリーニング主任研究員。2019年8月より現職。大阪府堺市出身
「そういうもんなんだ」それって本当?!
有機合成はまるでプラモデル
メディシナルケミストリーとパラレル合成を担当しています。薬の研究に興味を持ったきっかけは、父親が小さな島で漁師をしており赤貝の養殖の研究をしていて、小学生のころ養殖場にいやいやついて行ってたんですが(笑)薬を混ぜたりするのは楽しかったんです。それと、大学生の頃東京大学の薬学部から教授が赴任してきてその研究室に配属され薬学と出会い「有機合成はまるで部品を組み立てて作り上げるプラモデルみたいだな」と興味を持ちました。有機化学者を目指した理由も、分子を自分で自由自在にデザイン・合成できることが楽しかったからです。
ここ2年は古巣の武田薬品以外にも様々な企業やアカデミアの方とプロジェクトでの関わりが増え、とにかく学ばされることが多いです。多様な文化に触れることで選択肢も増え視野もより広がりこの歳になって仕事を通じてまだ学べる、成長できるという事はこれほど幸せなことはありません。
僕らが思っている常識は常識ではないかもしれない
「知りたい!」という想いが強く「それはそういうもんなんだ」と言われると、それって本当?!と疑問を抱きます。なぜなら、僕らが思っている常識は常識ではないかもしれないからです。最前線で創薬研究をしているからこそ、既存の理論がいつ覆されるか分からないから自分でやってみて答えを出してそれを原理原則に落とし込めた時よろこび感じます。
生きる土台となっている野球から得た学び

プロ野球選手になるのが夢だったくらい野球が好きで、今もキャッチボールを会社のお昼休みにしています。そして、お声をかけていただき昨年8月から大船で少年野球のコーチとして5年ぶりに指導者復帰しました。野球に育ててもらった感覚があって、コーチを引き受けたのも野球に恩返したいと思ったからです。小さな島で育ちその中では野球が上手かったから、中学生までは「俺が!」という気持ちが強かったんです。ですが高校から島を出てみると、かなわないほど上手い人ばかりで愕然としました。そこから心を入れ替えて監督と選手の潤滑油となるマネージャーをすることで「チームで勝つにはどうしたらいいのか?」を意識して取り組んできました。
武田薬品に入社してからの創薬研究で仕事を任せられ始めると合成だけでなく、薬理、動態、毒性などいろんな専門性の方々とプロジェクトを正に「one team」で進める中で解決策を一緒に探ったり、相乗効果が働き同じ方向を向くことを経験しました。僕の行動の根底はやはり野球にあって、チームで仕事を進める、その中で自分が貢献できることを精いっぱいやれるということで、この仕事が病み付きになりました。
「薬を創る」につながるを信じて。
なぜこの化合物はこの作用を出すのか?この毒性を出すのか?じゃあこの課題をどうやってクリアできるのか?を追求していきたいです。それは「薬を創る」につながるはずです。
ニューヨークのTDIで研究した際、アカデミア発の種を「薬」に昇華させることを、製薬会社の経験からサポートする重要性、必要性を体感しました。日本のアカデミアやバイオベンチャーがもつ種を、日本の研究者と「薬」に仕上げたい。Axceleadはそれを具現化できる組織だと信じています。
※TDI:Tri-I Therapeutics Discovery Institute
化合物管理(Compound Management)
化合物管理は、お客様の化合物ライブラリをお預かりするサービスです。お客様の化合物を適切な環境で保存し、必要なときに迅速かつ確実に提供いたします。
384tube strage system(TSUBAKIMOTO CHAIN)
Powder compounds strage system (TSUBAKIMOTO CHAIN)
A-pod, Echo555(Agilent Technologies, LABCYTE)

化合物をお預けいただくことで、HTS(ハイスループットスクリーニング
ハイスループットスクリーニング(HighThroughputScreening:HTS)
- 豊富な経験と確かな技術でアッセイ系構築からヒット化合物探索までを丁寧にサポート
- 700以上、ヒット率90%以上を誇るスクリーニング実績
- 多様なターゲットクラスに対するハイスループットスクリーニング
- 高品質かつ多様な構造を持つ150万以上の業界最大級化合物ライブラリー
- バーチャルスクリーニングを活用した効率的なヒット探索
- ヒット化合物のフォローアップまでワンストップでサポート
ハイスループットスクリーニング(HTS)は、
化合物ライブラリーから創薬の出発点となる
ヒット化合物を同定するプロセスです。
お客様のヒット化合物探索をサポートいたします!
- 豊富な経験と確かな技術でアッセイ系構築からヒット化合物探索までを丁寧にサポート
- 700以上、ヒット率90%以上を誇るスクリーニング実績
- 多様なターゲットクラスに対するハイスループットスクリーニング
- 高品質かつ多様な構造を持つ150万以上の業界最大級化合物ライブラリー
- バーチャルスクリーニングを活用した効率的なヒット探索
- ヒット化合物のフォローアップまでワンストップでサポート
フローケミストリーを活用した効率的合成法の開発
フローケミストリーを用いて開発初期から後期までの効率的な合成プロセスを確立し、プロジェクト全体の加速化、コスト削減に貢献します!
フローケミストリーとは
創薬研究への応用
応用事例1: フラッシュケミストリー
応用事例2: 光反応
よくあるご質問
フローケミストリーとは
原料、試薬類の2種類以上の異なる溶液を微細流路に流し、温度や滞留時間(反応時間)をコントロールしながら化学合成を行う技術


【リアクターの特徴】
- リアクターの比表面積が大きく熱拡散が早い ⇒ 反応温度のコントロールが容易
- Mixer 間の長さ、流速で反応時間が決まる ⇒ 反応時間のコントロールが容易
- 反応系内から生成物が随時流出される ⇒ 生成物の過剰反応を抑制し、収率が向上
- 反応系が閉鎖系 ⇒ 高温、高圧下での反応や危険試薬・高活性物質の使用が可能
- 送液量を増やすことでスケールアップが可能 ⇒ 小スペースでのスケールアップ合成が可能
創薬研究への応用
開発化合物の安全性を見極めてIND申請までのプロセスを効率化するAxceleadのIntegratedサービス
~開発候補化合物の選択とIND用試験の成功確率向上のため、
プロジェクトでこのような問題を抱えていませんか?~

Axceleadにお任せいただくことで、
化学、薬物動態、安全性の3部門が密に連携し、
これらの問題を解決します。
■ ワンストップだから迅速に開発早期の安全性評価サービスをご提供できます。
■ 安全性評価に必要な数百グラムのGLP 試験用APIを効率的に合成および粉砕いたします。
■ 更に、将来を見据えてGLP原薬製造につなげる化合物合成法も同時にご提案いたします。
開発早期の安全性評価に柔軟に対応
懸濁液調製技術:
少量(数グラム)未粉砕品の化合物においてもWet ball millingを用いた高濃度懸濁液調製法で安全性評価
経口吸収性改善:
毒性試験に使用可能な媒体の提案、ナノ化製剤の作製など、経口吸収性の改善策をご提案
ワンストップだから提供できる迅速な安全性試験:
化合物合成と安全性評価をすり合わせて試験計画するため大幅な時間短縮が可能
タイムリーかつ効率的なバルク生成
コスト削減とスピードアップ:
最適量の安全性評価用バルクを調製
TK/MTD試験用化合物の提供とスケールアップ合成法を同時に検討
豊富な経験に基づくトラブルシューティング:
安全性評価用化合物合成時にバルクスケールの製造法を開発
重要中間体、主要夾雑物、異性体を提供可能
API品質保証:
残留溶媒、残留金属、夾雑物最大量のクライテリア設定および達成
結晶多形を早期に検討し安定晶の粉砕品を初期毒性試験から提供可能
また、ワンストップだから、
複数の会社・施設に試験を委託することによる
人的コスト・タイムロスを削減できます。
免疫抑制ブタを用いた薬効薬理試験
免疫抑制ブタを用いた薬効薬理試験ができます!
再生医療分野において、臨床外挿性の高い免疫抑制ブタを用いた薬効薬理試験が可能となりました。
お客様の臨床試験での成功確率向上に貢献いたします。
再生医療研究の分野では、ヒト細胞でつくられた再生臓器をヒトへ移植する前に、臨床と同じ手法での介入が可能な大型動物による有効性・安全性の検証が望まれています。一方、ヒトと大きさが近いブタにヒト細胞由来の再生臓器を移植した場合、異種移植によって生じる免疫応答の問題があり、本免疫不全ブタモデル開発以前は、ヒト細胞由来再生医療等製品のブタでの安全性・有効性の検証は困難と考えられていました。
Axcelead は、外科手術及び免疫抑制剤の薬物動態測定を基本とし、免疫抑制を個体毎のテーラーメードでコントロールした臨床外挿性が高い免疫抑制ブタを作製し、臨床試験の成功率を高めるようサポートをいたします。
免疫抑制ブタモデルの作製
- 外科的手術(胸腺及び脾臓摘出)および 免疫抑制剤の投与により免疫抑制状態にします。免疫抑制剤の投与用量は、ブタ末梢血単核球細胞を用いたin vitro 試験を基に設定し、投与後に目標血中濃度に達していることを確認します。
- 本モデルを用いて、異種移植やヒト細胞由来再生医療等製品の評価が可能となります。
- 病理評価による細胞生着、特異的な細胞マーカーを使用した細胞分化の程度を評価することができます。

病態モデルの作製例
◆ 免疫抑制心不全ブタモデル:
- 上記の免疫抑制ブタの左冠状動脈を結紮して、心不全を惹起するモデルを作製します。
- 3D エコーによる心機能評価ならびに細胞移植による有効性評価が実施可能です。
◆ 免疫抑制1型糖尿病ブタモデル:
- 上記の免疫抑ブタにストレプトゾトシンを処置し、1 型糖尿病モデルを作製します。
- 静脈内糖負荷試験などの評価ならびに細胞移植による有効性評価が実施可能です。
その他病態モデルの作製についてもご相談ください。

■ 免疫抑制ブタモデルの作製に関連する論文が「Nature research protocol Exchange」に公開されました
Axcelead の牧研究員、井垣研究員が共同執筆しています。
“Surgically produced, controllable immunocompromised pigs”
(Nature Research Protocol Exchange掲載情報)
Eiji Kobayashi et al., Posted …
シングル核遺伝子発現解析
凍結組織から1細胞レベルの
遺伝子発現解析ができる時代に
シングル核遺伝子発現解析(シングル核解析)は、1細胞から網羅的に遺伝子発現解析を行う手法であり、シングルセル遺伝子発現解析(シングルセル解析)では評価できなかった組織が対応可能な最先端の研究手法です。凍結組織を用いるシングル核解析により、従来のシングルセル解析でアプローチが困難であった疾患の病態機構解明が可能になります。Axcelead ではシングルセル解析に加えて、新たに難易度の高い脳組織の核取得技術を確立しました。さらに経験豊富なバイオインフォマティシャンが解析結果の考察までサポートすることで、遺伝子発現解析を基に新規創薬標的探索やバイオマーカー探索などの創薬研究を加速させます。
シングルセル解析では評価できなかった組織も対応可能に

シングル核解析が可能にすること
1.病態機構解明への新たなアプローチ
- 貴重な臨床検体の死後脳凍結組織を用いて、遺伝子レベル / 細胞レベルでの解析が可能になりました。
中枢領域のより深い生理機構 / 病態機構の理解をサポートします。
(例) レット症候群:Nature Neuroscience 2018; 21(12):1670–1679
アルツハイマー病:Nature 2019; 570(7761):332-337 - 細胞がダメージを受けやすい肝臓等も、凍結組織を用いることで、よ り正確な解析が可能になります。
(例)
シングルセル遺伝子発現解析
1細胞レベルでの網羅的な遺伝子発現情報を
よりスピーディーに高精度で解析できます!
次世代シーケンサーを用いたシングルセル解析では、iPS細胞の分化・未分化をより正確に評価することが可能になりました。更に、大量の遺伝子発現データをバイオインフォマティクス解析し、目的/非目的細胞のマーカーや、最適な分化誘導条件を導き出します。目的細胞を効率的に獲得し、お客様の再生医療研究を加速させます!
シングルセル解析で、より正確に評価

次世代シーケンサーで、よりスピーディーに解析

再生医療分野へのシングルセル解析の活用
1細胞レベルでの特性解析:
1細胞ごとの大規模な遺伝子発現データから、サンプル内の亜集団(サブポピュレーション)を検出し、サブポピュレーションごとに細胞種を推定します。これにより、目的細胞への分化の成否を正確に評価することが可能となります。
更に、見つかった目的/非目的細胞集団を判別できるバイオマーカーを探索し、効率的な細胞品質の評価をサポートします。

分化誘導の最適化
シングルセル解析で取得した細胞の擬似時間軸における発現変動を調べることで、細胞の分化経路や時系列における発現変動様式をとらえる事ができます。これらのデータから、細胞系譜の分岐に関わる遺伝子や、時系列に変動している転写因子を同定し、目的の細胞へ分化させるための最適な詳細条件をご提案いたします。
きれいな染色像では終わらない。
画像解析による定量データで薬効評価をサポート

1. Original 投薬終了後のマウス腸管組織 サンプルに対して抗MPO抗体*を用いた免疫組織化学を実施。 * : 好中球のマーカー
2. Markup 免疫陽性反応(茶色)の染色強度を画像解析ソフトで数値化。
生体内の反応を最大限に評価する
AxceleadのIntegratedサービス
バイオロジーと安全性、一つ屋根の下にいる2つの部門が協力して、
無駄のない薬効評価試験デザインを提案します。
ワンストップで評価することで
スピーディで確かな考察を提供いたします。
【実施例】
大腸炎モデルマウスを用いた
薬理評価と炎症系細胞の画像解析
画像解析:

1. Original 投薬終了後のマウス腸管組織 サンプルに対して抗MPO抗体*を用いた免疫組織化学を実施。 * : 好中球のマーカー
2. Markup 免疫陽性反応(茶色)の染色強度を画像解析ソフトで数値化。
In vivo薬物動態試験(非経口投与)
薬物動態試験の結果だけでなく、薬効や安全性とのバランスも加味した検討が必要となりますが、Axceleadは、創薬研究に必要な全ての機能を有しているため、これら多角的な評価・解析をワンストップでスピーディーにサポートします。
一部の投与経路では、化合物の適否判断からヒト予測までご対応可能です。
非経口製剤の創薬は、Axceleadにお任せください!
特長1 幅広い試験への対応力と知見を活かしたご提案
最適な投与設計には、様々な経路での比較や、適切な試験動物種の選択が重要となります。
Axceleadでは、これまで培ってきた豊富な経験と技術力を活かし、お客様のニーズやご希望のモダリティに合った最適な投与経路をご提案します。
特長2 薬物動態・薬効・安全性の観点から多角的に評価
薬物動態試験の結果だけでなく、薬効や安全性とのバランスも加味した検討が必要となりますが、Axceleadは、創薬研究に必要な全ての機能を有しているため、これら多角的な評価・解析をワンストップでスピーディーにサポートします。
一部の投与経路では、化合物の適否判断からヒト予測までご対応可能です。
非臨床安全性評価パッケージサービス
IND申請や導出など、
お客様のGoalに合わせた
最適なパッケージサービスをご提供
GLP試験の項目はICHのガイドラインにより定められていますが、非臨床開発全体のプランニングや予備試験の進め方には様々な方法があり、試験の組み方次第で、全体のスピードやコストに大きな差が出ます。
Axceleadでは、豊富な創薬経験と確かな技術を併せ持つ安全性評価研究者が、最も効率的な非臨床開発戦略をご提案するとともに、試験の立案・実施から結果の解釈まで試験全体をマネジメントします。更に、毒性課題が発生した際のコンサルティングやPMDA・FDAなど当局への対応もお任せください。

お客様のGoal達成へ向けて、
非臨床開発をトータルサポート
- 化合物の薬理・物性・薬物動態・安全性に関する既存データをもとに書面評価を実施し、お客様のGoal(IND申請、導出)に向けて、必要な安全性試験・サービスをパッケージ化し、ご提案します。
- 試験全体のマネジメントに加え、安全域の解釈や毒性課題の解決まで全面的にサポートします。
- Axceleadの薬理、合成、薬物動態の各部門や提携CROと連携し、薬理試験に毒性評価を組み込んだ早期毒性スクリーニングなど、お客様に最適なソリューションをリーズナブルな価格でご提供します。



バイオマーカーを用いたM&Sの実例
バイオマーカーを用いたM&Sが、
抗癌剤プロジェクトに与えた付加価値の実例
1. プロジェクト背景
2. M&Sの手法
3. M&Sによって得られた結果と考察
1.プロジェクト背景
Hedgehog阻害剤である化合物Xのプロジェクトにおいて、開発部門より、“Hedgehogシグナルの転写因子であるGli1 mRNAをバイオマーカーとして利用した臨床至適用量の設定ができないか”との要望を受けた。
まずはじめに、化合物XのPK、腫瘍体積及びGli1 mRNAデータを計測した結果、腫瘍中のGli1 mRNAはPKに連動して変動し、皮膚のGli1 mRNAは腫瘍内のGli1 mRNAの変動を反映していたことから、
① Gli1 mRNAを薬効のバイオマーカーとして利用できる
② 腫瘍組織以外の組織(皮膚)中Gli1 mRNAの反応で薬効を評価できる可能性が示された。

2.M&Sの手法
“PK/PD解析、およびPK/Efficacy解析それぞれの結果を一つのグラフに記述することができれば、バイオマーカーを用いた至適用量の設定が可能になる”という戦略の下、modelingによる検討を実施。
PK、バイオマーカー、腫瘍増殖モデルについては一般的なモデル式を使用。まずPK modelingの結果から、設定したモデル式とパラメーターで、 Hedgehog阻害剤の体内動態が把握可能であることを確認した。
次に、PKとPD(皮膚中 Gli1 mRNA)をリンクさせて解析したところ、下図の結果となった。グラフ内のポイントは実測値、ラインは設定したモデル式と最適パラメーターで計算した予測値。全ての投与量において満足できる収束解が得られ、臨床で皮膚中Gli1 mRNAの変動が利用可能であることが示された。
PD modelingとその結果 (皮膚中 Gli1 mRNA)
創薬研究におけるPK/PDの重要性 -PD評価系を駆使した研究ー
概要:
創薬研究において創薬標的に対してリード化合物の探索から最適化するプロセスを経て候補化合物を見出しているが、臨床試験まで進んだものは少ないのが現状です。このためトランスレーショナル研究が重要になっており、弊社においてはこの研究を進める上で重要であるPK/PD/薬効の観点から、臨床への橋渡しのサービスを展開している。今回、特にPD評価に着目してご紹介。さらにはバイオマーカー探索に関するサービスも合わせてご紹介します。
演者紹介:
修士(薬学)。1994年大阪大学薬学研究博士課程前期終了後、武田薬品工業に入社。創薬薬理部門において、アカデミアとの共同研究も含めて、骨・関節、炎症・免疫などの疾患領域での創薬研究の薬理を担当。免疫ユニット リサーチマネージャーを経て、2017年7月よりAxcelead Drug Discovery(株)統合生物 リサーチマネージャー、2020年4月から現職。武田薬品で培った知識・経験を生かして創薬研究をサポート。
多角的な視点から考える、非臨床開発成功の鍵 Part1
「毒性が出ない、大変だ!」
概要:
2回シリーズのイントロダクションとして、充分な血中暴露を確保するために化合物大量合成時に気を付けておくべきこと、毒性試験における充分な暴露とは幾らなのか、更に充分な暴露が得られなかった場合の対応事例について紹介します。
演者紹介:

永井博文 (コンサルティング プリンシパルコンサルタント)
博士(獣医学)。1987年 山口大学大学院農学研究科獣医学専攻修了後、武田薬品工業株式会社薬剤安全性研究所入社。毒性及び薬効病理責任者を経て薬剤安全性研究所長及びグローバル武田におけるDrug Safety Research & Evaluation Headとして、Safety Board and First in Human Committee Member、 Occupational Exposure Limit Panel Memberも兼務。 2017年7月よりAxcelead Drug Discovery Partners(株)非臨床安全性部門 ヘッドを務め、2020年4月より現職。
「非臨床開発の成功のために ~ものづくりの観点から~」
多角的な視点から考える、非臨床開発成功の鍵 Part2
開催日時:
2021年3月4日 12:00〜12:30
概要:
現在Step 3 にあるICH ガイドライン E14/S7B Q&A 補遺から見える、QT/QTc 統合的リスク評価の今後の展望を中心に、低分子創薬における効率的な安全性スクリーニングと効果的な評価戦略について、Axceleadが展開する安全性ビジネスの概要と合わせてご紹介します。
演者紹介:

非臨床開発 主席研究員 宮崎裕康。博士(獣医学)。獣医師。万有製薬(現:MSD)、Merck & Co., Inc.(米国)にて、安全性薬理試験や試験系の研究に従事。2018年7月よりAxcelead Drug Discovery Partners(株)へ非臨床安全性研究 主席研究員として入社し、2020年4月より現職。
臨床メタボロミクスによる層別化研究の実現に向けて
開催日時:
2021年3月18日 12:00〜12:30
概要:
創薬成功確率の向上のために、治療コンセプトが適している患者群の同定は重要です。この目的において、低侵襲的に採取可能なヒト体液を用いたオミックス解析は有用な手法と考えられています。一方で、臨床データは、被験者背景の多様性のため、大きな個人間変動を有することが知られており、その解決にはデータ数を増やすことが不可欠です。本セミナーでは、技術的に蓄積が困難と考えられていた臨床メタボロームデータの課題解決の可能性と、その応用例を紹介します。
演者紹介:

統合トランスレーショナル研究 主席研究員 安藤智広
2009年東京大学大学院薬学部研究科修了後、
武田薬品工業株式会社にて、薬物動態研究および、バイオマーカ研究に従事した。2017年より現職。
Integrated & Translational Science、Omics、主席研究員、薬学博士。
その他のセミナー
…
バイオインフォマティクスによる新たな価値創造:トランスクリプトーム解析を中心とした事例ご紹介
開催日時
2021年3月31日 12:00〜12:30
概要:
解析技術の進歩に伴い一つの実験で得られるデータ量は年々増大しています。Axceleadでは膨大で複雑な生物学データを解釈するために、種々のバイオインフォマティクス関連のサービスを提供し、お客様の課題を解決します。本セミナーでは、次世代シーケンサートランスクリプトーム解析(AmpliSeq 高感度アンプリコン解析、シングルセルRNA-seq)、公共データベースとの統合解析(エンリッチメント解析、パスウェイ解析)、MoA解析、ドラッグリポジショニングなど、多様なバイオインフォマティクス解析の事例を紹介します。
演者紹介:

統合トランスレーショナル研究 主席研究員 三井彰
博士(理学)。1986年大阪大学大学院理学研究科博士前期課程修了後、味の素株式会社に入社。分子生物学・遺伝子発現解析・バイオインフォマティクス技術を駆使して、創薬標的探索、薬剤作用メカニズム解析、バイオマーカー探索などの研究に従事。特に遺伝子発現解析は、PCR、マイクロアレイ、サンガーシーケンサー、次世代シーケンサーの黎明期から現在まで技術の進歩を間近に感じながら研究を行ってきた。1996年から2年間、米国MITに留学(Pillip Sharp研究室)。2020年8月から現職。バイオインフォマティクスをリード
その他のセミナー
「楽しい、面白い」はこれまでの自分の枠を越えるカギ
課題を解決してこそ答えがある
現在は、プラットフォームラボであるFrontier Technologyのオミックスチームで、LC/MS(液体クロマトグラフィー質量分析計)を用いた代謝物変動解析をしています。科学の道に進むことを志したきっかけは、中学生くらいの時とあるドラマを見て「病理医がかっこいい!」と思い、病理検査に従事する臨床検査技師を目指ざすようになったことと高校時代の生物の先生が面白い先生で。「問題を解いて答えがある」数学や生物がもともと好きだったこともあり、その先生のおかげでより生物が好きになっていきました。ただ、病理検査に携わることを目指していましたが顕微鏡をずっと覗いてるのは私の性に合っていなかったみたいで「自分には向いてないな」と感じていたとき、学校の先生に「生化学の方が向いてるんじゃない?」と言われて「確かに、生化学の方が好きだな」と感じたのに加え、判断基準がはっきりしていて「問題を解いて答えがある」のが好きな私には「こちらの方があってるかも」と思い、今の分析する仕事に至っています。
未知なる可能性へ
入社2年目の頃、初めてLC/MSに触れて私の理解の範囲を超えていて感動しました!サンプル量が少なくても測定できること。例えば、少ない採血量で患者さんにも負担が少なく測定することができるため、大きな可能性を感じました。触れる前は、名前は聞いたことがあるという程度で、どんな装置なのかあまりにもわからないことが多すぎました。ただ、LC/MSに可能性を感じたこともあり、どうしても使いこなせるようになりたくて、死に物狂いで調べまくりました!
とりあえずいろいろやってみよう!と思うようになったのは、この頃からだったのかもしれません。LC/MSという装置は、汚れが溜まると分析結果に影響が出てしまいます。「もっと知りたい!」と思いが湧いてきたことも加わり、今では自ら装置のメンテナンスをするようになりました!分解して洗浄することで「ここを洗えばこうなる」ということまで知ることができて面白いです。難事件を解決していく過程が面白くて小さいころから名探偵コナンが好きでした。探偵になりたいと思ったこともありましたがいまはこの仕事を通して解決していく過程を楽しんでいます。
性格を変えてくれたボードゲームとの出会い

プライベートでは、「カタンの開拓者」というボードゲームをよくやっています。もともとリアル脱出ゲームが好きで各地で開催されるゲームに参加していました。ある日、ゲームに参加されていた方と仲良くなり、「社会性身に付くからどう?」と誘われたのがきっかけです。
実際にやってみたら、どう交渉したら相手は動いてくれるんだろう?とか、同じボードゲームでもプレイする人が変わると全く違った展開になったりとその面白さにハマりました。「面白いからもっとやりたい!」「身近で一緒に出来る人が欲しい!」と思って社内で広めた結果、社長と一緒に遊んだこともあります!以前は、人見知りで恥ずかしがり屋だったので自分から何かに誰かを誘うことは滅多になかったんですがそんな自分を変えてくれた出会いとなりました。
心に響いた言葉を信じて
学生時代に「どんな名医がいても、生涯で助けられる人の数はそんなに多くないけれど、優秀な薬があればより多くの人を助けられる」という言葉聞いて以来、それを信じてここまでやってきました。今でもどんな形でもいいから創薬に携わりたいと考えています。
「自然はウソをつかない」語り掛ければ答えは返ってくる
多種多様な考え方と経験を掛け合わせ創薬と向き合う
現在は、統合生物・免疫疾患領域チームのリーダーとして、チームマネージメントの他、炎症・免疫疾患に関連する受託案件において試験遂行の管理や、薬理に関するコンサルテーション、創薬機能を跨る統合型創薬支援サービスにおける薬理部門のリーダー等を担当しています。大手製薬会社からアカデミア・ベンチャーなど、様々なクライアントが持つ多種多様な考え方や文化に触れ、新たなことを学び挑戦できることに面白さを感じています。自身の経験や考えを基に提案したアイデア、ソリューション案がクライアントに受け入れられ、試験を遂行できた時、また、その試験で良い結果が得られれば、更に嬉しく、楽しいです。
誰も知らないことを明らかにしていく面白さ
大学4年生の時、希望して入った研究室の教授に言われた「自然はウソをつかない」という言葉に衝撃をうけました!それまで考えたことがなかったことでしたし、その言葉を今でも大切にしています。自然はこちらから何かを問いかけるとアクションが必ず返ってきます。期待しない返事が返ってくるときは、違う問いかけをしてしまっているか、自身が立てた仮説が間違っているかです。いつも期待した答えが返ってくるわけではありませんが、やればやるだけ答えが返ってきます。新しい答えがわかると嬉しいですし、誰も知らないことを明らかにしていく面白さがあって研究にのめり込んでいきました。これが研究の楽しさだと感じています。
続けるヒケツは環境づくりから

プライベートでは、ランニングを10年ほど続けています。当時、私の周りで走り始めた方が数人いて、みんなで大会に出よう!ということになったのがきっかけです。その頃の仲間はみんなやめてしまったのと(笑)、生活の環境が変わってしばらく一人で走っていましたが、何だか寂しくなってしまい、ネットでランニングチームを見つけました。
現在は週1回、そのランニングチームでトレーニングに励んでいます。また、チームのメンバーは幅広い年齢層で、ほぼ全員が異業種で働く方々であり、走ること以外でもいい刺激になっています。
困難だからこそクライアントと共に叶えたい夢
製薬会社で研究者として働いていて、創薬の初期段階から携わった開発化合物が上市されるという幸運に辿りつけることは極まれであると言われながらも、新薬の創出を夢見て長年取り組んできました。Axceleadでは、多くのクライアントの皆様の創薬に関われることから、そのチャンスは格段に増えると思っています。引き続き、私とクライアントの共通の夢の実現、「革新的な新薬の創出」に向けて、日々業務に邁進していきます。
迷ったときこそ、困難な方へ
教科書に載るような写真を撮りたい!
2017年に武田薬品工業からAxcelead Drug Discovery Partnersへ転籍し血液検査や標本作製(免疫染色や画像解析なども)、そして病理組織検査を行うチームをリードしています。それぞれの技術を目当てに異なるお客様からご依頼を受けることもありますが、薬効試験や毒性試験といった場面ではひとつのチームであることを活かし、これらの技術を総合して動物の状態により深く迫れる(病態を理解する)ことに面白さを感じます。
そもそも、標本作製技術や顕微鏡観察技術に興味を持ったのは「教科書に載るような写真を撮りたい!」「模式図やイラストなど想像で描くのではなく、自分の目で見たことを載せたい!」と思ったからです。ですので、顕微鏡や染色方法など、組織を可視化するためのツールを使いこなせるようになりたくて、大学では専門の教授の元で学び、生物現象を可視化する方法を探求しました。
創薬に携わる自分の役割、取り組む姿勢の原点

社会人になって2年目のある日、今と同じように組織染色の仕事をしていたことがありました。薬の投与によってある神経細胞が活性化していることを示唆するきれいな写真が撮れ、定性的な結果として上司に報告したところ。「え、それで終わり?それじゃあ、Go/No-Goの判断できないじゃない。」と言われました。私は、組織染色に定量性を持たせることは不可能、無意味と考えていたため、そこで思考が停止していました。しかし、上司の一言で、会社の仕事とはそういうことかと気づかされ、すぐに、数十枚の画像について活性化している細胞の数をひたすら手動でカウントし続け、グラフに起こし、統計解析を行ったところ有意な変化として捉えることができました。その日は、ちょうど会社のレクリエーションがあり、外の庭でBBQが行われ、私も楽しみにしていたのですが、参加出来ずカウントは夜まで続きました。上司はBBQに参加はしたものの早々に引き上げて、居室に戻ってデスクワークを続け、深夜近かったのですが、私の報告が上がるまで静かに待っていてくれました。結果を報告すると、「よくやったね。ここまでやるのが会社の仕事。」と笑顔で言葉をかけてくれました。その日を境に、“染めるだけでは終わらない”、といった今の仕事への姿勢につながっています。
困難な方を選択したからこそ
武田薬品からAxceleadに転籍したことで、試験を委託する側から受託する側へ。一研究員として自身の研究・役割を遂行する立場から、チームをリードする立場へ。仕事内容も薬の種を作る仕事から、創薬研究の後期のフェーズである安全性へとガラッと変わりました。正直、お話をいただいた時は悩みました。責任も大きくなりますし、今までやったことのない仕事でしたから。ですが、これまでと同じ環境よりも困難に思える方を選択したのは、「迷ったときは困難な方を選択しよう!」と大切な人に言われたことがあって、以来、人生で何か悩んだ時や迷った時こそ困難な方を選択することを大切にしています。
結果、様々な価値観の方と出会うことが増えたことで、視野が広がり「これはこういうもの」という先入観が減り、以前と比べると柔軟性が高くなったように思いますし、その違いが面白いなと感じています。
立場が変わり見えたことを活かして
委託していた立場だったからこそお客様の気持ちを理解できることもあると思っています。しかし、お客様の気持ちにちゃんと寄り添えているか?といわれると正直、至らない点もあるかと思いますが、創薬に熱い想いを持った方に技術とアイデアで新たな視点を提供し、全力を尽くしてサポートさせていただきます。
創薬研究の未来を切り拓くオミックス解析
~多層オミックス解析によるメカニズム探索~
Axceleadでは、創薬研究に必要な先端プラットフォーム技術の拡充にも力を入れており、中でもこの10年で大きく研究の裾野が広がったオミックス解析についてご紹介します。創薬研究者ならではのこだわりや今後の展望など、新たな時代を感じるインタビューとなり、私も非常にワクワクしました!
答えのない問題に対して、答えを創りだす面白さ
きっかけは些細な疑問から
「病気はストレス、食事、運動不足など生活習慣の蓄積によって起こる。」と言われていますよね?ですから、常日頃から何を食べ、何を食べないかを選択することが予防医学の観点から重要と考えていたので、学生時代は研究テーマとして栄養生化学を選択しました。一方で、キノコやフグの「毒」で亡くなられるニュースをみて、「どうして、そんなことが起こるんだろう?」と思ったことがきっかけで、毒性学にも興味を持ったんです。就職する際、食品会社か製薬会社かで悩みましたが、最初にお声がけ頂いた武田薬品に入社を決めました。その後、武田薬品薬剤安全性研究所で新薬の安全性評価を中心に約30年間研究してきました。
答えのない課題を解決してきた経験が自信に

幸運にも十数もの新薬創出に関与することができました。グローバル毒性担当責任者として、新薬開発の全行程(化合物選別のスクリーニングから承認申請まで)を担当した化合物が2品目あります。いずれも武田薬品の最重要課題で、first in classの画期的な新薬でした。1品目を上市するまでに十年以上かかります。その間に毒性が問題となり、候補化合物を開発中止するかどうかの判断を迫られることが複数回ありました。いずれの毒性問題も教科書に答えが記載されている訳でもなく、文献検索しても回答が得られませんでした。考え抜いた上で実験計画を立て、自らが実験をしてデータを創り、ヒトへの安全性を証明する必要がありました。その過程では、全世界にいるエキスパートや規制当局(PMDA、FDA、EMA等)とも十分な議論が必要になってきます。しかし、それらの答えのなかった問題を解決し、新薬が上市された時の喜びは何事にも代え難いものです。これらの経験が、コンサルティングをする上でも自信となっています。
薬の偉大さを実感したからこそ
画期的な新薬により、病気であったひとの日常が一変することをこれまで何度も見てきました。例えば、寝たきりであったひと、歩けなかったひと、頻回の下痢でトイレから出てこれなかったひと、腹痛で夜寝られなかったひとが、あるお薬で発病前の日常生活に戻れます。「この新薬のおかげです」と臨床の先生や患者様本人から言われたことがあり、薬の偉大さを実感しました。これからも、クライアントとともに画期的な新薬創生に貢献していきたいと思います。
魂が震えるほどの出会い
海外旅行が趣味で、目的のひとつは“かっこいいな”と思う人に会ってエネルギーを高めることです。本物の人物を求めて、長い方だと40年くらい継続して講演を聴きに行っています。また、チャレンジしている方から話を聴いて活力にしています。あと、絵を観ることも好きで、ある絵画を観たときその前から動けなくなるほど魂が震えたことがありました。こんなことは初めてで自分でもびっくりしました。実際と写真とでは絵から発信されるメッセージが全く違うんですよね!その感覚になりたくて実は毎年のように観に行ってるんですよ。どんな絵画か?というとロンドンのナショナルギャラリーにある『レディ・ジェーン・グレイの処刑』という絵画です。家にはポスターを飾っています。仕事もプライベートも魂が喜んでいるか?どうかを基準に楽しく過ごすことを大切にしています。
大学の研究室からのキャリアチェンジ!
見えた世界・見たい世界
不安を抱えつつも可能性へダイブ!
今は統合トランスレーショナル研究 Frontier TechnologyシニアダイレクターとしてプラットフォームラボであるFrontier Technologyをリードしていますが、10年間、大学で研究をした後に、武田薬品工業に転職しました。企業へキャリアチェンジしようと思ったきっかけは、研究に没頭するだけではなく、より社会の役に立ちたい!自分の可能性を試したい!と思ったからです。でも、大学の研究室というある種特殊な世界でしか過ごしたことがなかったので、製薬企業での研究はどうなんだろう?外からみた武田薬品工業の印象はサイエンスのレベルが高そうでしたし、これまでやってきた研究や知識が通用するのか?ちゃんとやっていけるのかな?と正直不安でした。
実際に入社してみると、大学と企業では研究の目指す方向性が違っていました。自分の知的好奇心があるところを大学ではどんどん追及していくスタイル。製薬企業では決まった時間の中で成果を出さなければいけない。あとは、共通言語も違っていて、キャリアチェンジした時には周りの方に手伝っていただいて、独特な社内略語の一覧表をつくり覚えていました(笑)。慣れるまで半年~1年くらいかかりましたね。
チームで結果を出す楽しさ、多様性がもたらす化学変化
大学の研究室で働いていた時は、私が計画した研究を3人くらいのチームで行っていましたが、製薬企業では大きなプロジェクトになると、関わる研究者が100人くらいいて、「こんなに大きな仕事ができるんだ!」とダイナミックさに感動しました。大学の研究室だと関わる人が限られていましたが、企業にはいろいろな感性をもった方が大勢いて刺激的でした。バックグランドが異なる合成研究者と生物研究者がいる混合チームをリードしていた時に、多様性を力に変えて短期間で結果を出す楽しさと、専門の異なるメンバーで一つのことを成し遂げたよろこびを感じました。
「良い習慣は才能を越える」まず、やってみる。
もとから「まず、やってみよう!」というタイプではなかったのですが、大学からキャリアチェンジしたことで環境が変わっていろいろな感性に触れたり、ポジションが変わったことで求められるものが広がった結果、以前は書店で素通りするくらい手に取ることがなかったビジネス書を読んでいくことで考え方や感覚が変わってきたように思います。
特に変わったなと感じるのは会議での姿勢です。以前は会議で発言するのが苦手で、目立たないところに座って「話を振られませんように!」と思って過ごしていました。ある時から「最低1つは質問して会議に貢献しよう!」と決め、会議に積極的に参加するようにしてから、変わっていったと思います。質問するのも最初は勇気がいりましたが、自分を変えようと思って意識して習慣化することで、いつの間にか当たり前になりました。
プライベートではお酒と旅行が好きでしたが コロナ禍で外食や旅行が難しくなり、自宅で過ごす時間が増えたので、料理を始めてみました。ちょうどパンを焼く機械があったのでピザを生地から作ることに挑戦してみたのですが、ゼロから何かを作るという面白さにはまってしまい、今では得意料理のひとつです。仕事でもプライベートでも、「まず、やってみる!」ということを大切にしています。

ひとりひとりが楽しく
アカデミア、製薬企業、ソリューションプロバイダーとキャリアチェンジを重ねてきた私ですが、一貫して「創薬」に関わり続けてきました。病で苦しむ方に薬を届けたいという想いが原点にあったからです。それは父が医師であり幼いころから研究に触れていたからかもしれません。これまでに身に着けた自分の知識や経験を創薬研究に捧げることで、より多くの人々の健康に貢献したいと考えています。また、「画期的な医薬品の創出に貢献する」というミッションの元で働いているAxceleadのひとりひとりが笑って楽しく働ける環境であるように努めることも、私の使命だと考えています。
最新設備と戦略的アプローチで挑むイオンチャネル創薬!~課題を打破する創薬力~
イオンチャネル標的薬創出を目指すお客様に対し、理想的なHit化合物をご提供するため、Axceleadではオートパッチクランプ法(SyncroPatch 384PE)を取り入れたハイスループットスクリーニング (HTS) の測定系を構築するなど、新たなスクリーニングサービスを強化しています。そこで今回は、イオンチャネル創薬のスペシャリスト3名にお話を伺いしました!
進化を続ける心血管系の統合的安全性評価
Axceleadでは、医薬品・医療機器の承認申請に必要な安全性試験を実施しています。前回のインタビューに続き、心血管系の安全性評価をテーマに、宮﨑主席研究員にお話を伺いました。宮﨑さんは長年、安全性薬理試験や心血管系の試験系についてご研究されていますが、世界中で使用されているあの解析方法の生みの親でした・・・!
AxceleadのhERG current アッセイの魅力に迫る! ~心機能毒性評価のベストパートナーを目指して~
Axceleadでは、全自動高速パッチクランプ装置 SyncroPatch 384PE(Nanion社)を用いたhERG current アッセイ サービスを開始しました。探索・リード化合物最適化フェーズでhERG アッセイを行う意義やAxceleadのサービスの特徴など、心毒性のエキスパートである高砂主席研究員にお話を伺いました!










