ヒト遺伝子Knock-In(KI)マウス/ラットを用いた評価をワンストップで実施

ヒト遺伝子KIマウス/ラット(ヒト遺伝子ノックインマウス/ラット、 以下 KIマウス/ラット)は対象となる内在遺伝子にヒト遺伝子を挿入した動物で、種差のある開発化合物の評価や、疾患モデルを作出するために活用されてきました。Axceleadではサルやイヌ、ブタを用いた試験に加え、KIマウス/ラットの作出から薬効・安全性評価、ひいてはIND申請用非臨床試験(薬理、安全性)までワンストップでご提供いたします。

なぜ、今、KIマウス/ラットなのか?

内在のマウス/ラット遺伝子を欠失させてヒト遺伝子と入れ替えて作出するため、種差のある医薬品の評価に有用です。特に、以下のようなケースでKIマウス/ラットを使った評価をお薦めしています。

〈実験用サルの代替動物種として〉

昨今、カニクイザルの価格高騰や輸入制限などによって非臨床試験が実施困難な状況となり、多くの創薬研究プロジェクトが延期や中止に追い込まれていると伺います。
この状況に対し、Axcelead ではヒト遺伝子 KI 動物の活用という選択肢をご提案しております。
本ソリューションについて、詳細のご紹介を希望される方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

〈ニューモダリティ医薬品の評価〉

Off target毒性が発現しにくいと言われているニューモダリティ医薬品の毒性試験では、薬効発現動物を用いてのon target毒性評価が規制当局から求められています。創薬標的をヒト遺伝子に置き換えたKIマウス/ラットを用いた薬理試験において薬効が確認できた場合には、引き続きKIマウス/ラットを用いて毒性試験を実施することで、on target毒性評価が可能となります。
核酸医薬品開発ではエクソン-イントロン構造を保持した長鎖遺伝子配列を発現させたKIマウス/ラットを用いた薬効及び安全性評価が有用になります。特に、Axceleadでは長鎖KIマウスの作出も得意としております。

〈低分子医薬品の評価〉

いずれの動物種を用いても薬効が発現しないケースでは、KIマウス/ラットによって薬効が評価可能となります。また、規制当局からはKIマウス/ラットを用いたon target毒性評価が求められる可能性があります。詳しくはお問い合わせください。

Axceleadによるワンストップソリューションの流れ

一例をご紹介します。
お客様の状況、ゴールに合わせてフレキシブルに対応いたします。まずはご相談ください。

AxceleadのKIマウス/ラット作出の特長

★薬効発現の検証が可能なヘテロKIをわずか4か月で作出

ゲノム編集技術 (CRISPR/Cas9)を利用して作出します。様々な遺伝的背景に対応し、KIラットの作出も可能です。

★最長で40kbpの遺伝子をヒト遺伝子に置き換え

ES細胞における相同組換え法にて作出します。ヘテロKIの取得には約8カ月を要しますが、核酸医薬の評価に用いるための長鎖KIが可能です。

★希少疾患などの遺伝子変異の導入内在の遺伝子への変異の導入や変異を導入したヒト遺伝子のKIも可能です。

★CRISPR/Cas9を用いたゲノム編集技術について、ERS Genomics社および Broad Instituteよりライセンス許諾を受けて実施しております。

よくいただく質問

Q : KI動物の作出実績を教えてください。
A : Axceleadには、前身の武田薬品工業にてKI動物の作出を多数実施してきた研究者が複数名在籍しています。直近67の委託案件では、ほぼすべての系統においてF0世代KIの取得に成功しております。

Q : KI動物を用いた薬効評価を受託した経験はありますか?
A : はい、あります。こちらも、前身の時代からKI動物を用いた薬効評価を実施してきた薬理研究者が在籍しており、複数の領域での案件受託実績がございます。

Q : KI動物を用いた安全性評価を受託した経験はありますか?
A : 現在計画中の試験がいくつかあります。KI動物を用いた安全性評価は昨今のカニクイザル入手困難な状況により注目を浴びている手法であり、今後増加していくものと考えています。

Q : KI動物を用いたIND申請用試験の実施は可能ですか?
A : はい、もちろんです。Axceleadでは数々のプロジェクトを成功に導いた安全性のエキスパートが、IND申請用試験のパッケージからご提案させていただきます。安心してご相談ください。

Q : KI動物を用いた評価にかかる費用はどれくらいですか?
A : 例えば、GLP反復投与毒性試験を行う場合に必要な動物数は、カニクイザル約40頭に対し、KIマウス・ラットでは約130匹になります。動物の入手に必要な費用を単純に比較した場合、KIマウス・ラットではカニクイザルと比較して遥かに低い価格となります。詳細はお問合わせください。

私たちのチームにお任せください!

竹山 道康 統合トランスレーショナル研究 ディレクター
工学博士。1991年大阪大学工学研究科博士課程修了後、武田薬品工業に入社。遺伝子改変動物やつくば研究所でのEST(expressed sequence tag)データベースの解析、初期のマイクロアレイ解析技術など一貫して分子生物学的研究に従事。2017年、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社設立時に武田薬品から転籍。統合生物 主席研究員を経て、2020年4月より現職。無理な要求の多かった武田薬品で鍛え上げられた私たちの技術を、ぜひ幅広く創薬研究に利用していただきたいと考えています。

福井 英夫 応用レギュラトリーサイエンス シニアディレクター/シニアコンサルタント 1989年 名古屋大学大学院生命農学研究科栄養生化学専攻修了後、武田薬品工業株式会社入社。1994年京都大学薬学博士。2000年米国コロンビア大学医学部博士研究員。米国(ABT)及び日本(JSOT)毒性学会認定トキシコロジスト。グローバル武田における消化器病領域治療薬等の非臨床安全性評価リードとして、様々な毒性課題の解決や当局対応、導入候補化合物のデューデリジェンスなどを経験。2021年開催の第48回日本毒性学会学術年会(神戸)年会長も務めた。

「ヒト遺伝子KIマウス/ラットを用いた評価」について、
動画でご紹介しています。

◆どうする?ニューモダリティの評価。 サルに代わる動物とは。:いけちゃんねる#64

安全性コンサルタント 福井英夫氏をお招きし、「ニューモダリティの安全性評価」についてインタビューします。 最近課題となっている、サルの輸入制限・価格高騰下での安全性評価。Axceleadが提案するソリューションとは?

◆ニューモダリティの安全性試験をサポートするAxceleadのKI動物 : いけちゃんねる#66

モデル動物グループをリードする竹山道康氏をお招きし、「ニューモダリティの安全性試験をサポートするAxceleadのKI動物」についてインタビューします。創薬研究における遺伝子改変動物活用の歴史とは?Axcelead モデル動物チームならではの魅力とは?