(第48回日本毒性学会学術年会ランチョンセミナーL2-5の再講演です)
日時:
2021年8月20日(金)12:00 – 13:00
概要:
新薬開発のいずれのフェーズにおいても、心毒性は今や肝毒性を抜いて開発中止理由のNo.1 Safety issueとなっている。この薬剤誘発性の心毒性は、催不整脈、収縮機能不全および心筋細胞毒性の3つの観点から評価する必要性が提唱されているが、臨床成績を的確に予測しうる理想的な評価Platform/Surrogate markersは依然検証段階の域をでていない。
また、近年の革新的な医薬品の登場に伴う新たな心毒性の懸念やICHS7B/E14 の改訂など、医薬開発における心毒性のスクリーニング戦略や評価技術もそれらに合わせて最適化する必要がでてきている。特に、QT延長以外の原因による催不整脈、抗がん剤で代表される収縮機能不全や心筋細胞毒性さらには全身循環動態不全など、前臨床フェーズにおける心毒性の回避は益々重要となっている。
本セミナーでは、こうした状況を踏まえ、弊社が保有する実験技術(hiPS心筋細胞を用いたPlatforms、テレメトリー法による左室内圧測定及び心エコーによる心機能測定)を紹介し、また弊社が考える理想的な心毒性プロファイリング戦略について提案する。
演者紹介:
(あいうえお順に記載)
Axcelead Drug Discovery Partners株式会社 統合トランスレーショナル研究 主席研究員 金子まなみ
Axcelead Drug Discovery Partners株式会社 統合トランスレーショナル研究 主席研究員 高砂浄
Axcelead Drug Discovery Partners株式会社 非臨床開発 主任研究員 古川義之
Axcelead Drug Discovery Partners株式会社 非臨床開発 主席研究員 宮﨑裕康
金子まなみ・統合トランスレーショナル研究 統合生物 主席研究員
1998年北海道大学獣医学部修了後、武田薬品工業株式会社にて循環器疾患、代謝疾患領域を中心に創薬研究に従事。2017年より現職。循環器領域や代謝疾患領域のMOA解析、ターゲットバリデーション、薬効薬理試験を担当。免疫抑制大動物モデルの構築とそれを用いた薬効薬理試験を担当。2018年6月に北海道大学獣医学部 獣医学博士号取得。
高砂 浄・統合トランスレーショナル研究 Discovery DMPK and Toxicology 主席研究員
1983年金沢大学薬学部薬学研究科修了後、第一製薬株式会社、第一三共株式会社、第一三共RDノバーレにて in vivo 安全性薬理、及び in vitro 安全性研究に従事。 2019年3月より現職。 (Integrated & Translational Research 主席研究員。薬学博士) CSAHi (Consortium for Safety Assessment using Human iPS Cells) にて hiPS 由来心筋細胞を使った安全性研究チームリーダー。
古川 義之・非臨床開発 安全性評価 主任研究員
1999年東京農工大学農学部獣医学科終了後、獣医師免許取得。武田薬品工業株式会社にて一般毒性試験、がん原性試験、安全性薬理試験等に従事。主に循環器毒性研究及びその評価系構築に携わる。2005年毒性学会認定トキシコロジスト(DJSOT)取得。2017年Axecelead Drug Dixcovery Partners, Incに転籍。2018年Diplomate of American Board of Toxicology (DABT)取得。
宮﨑 裕康・非臨床開発 安全性評価 主席研究員
万有製薬(現:MSD)、Merck & Co., Inc.(米国)にて安全性薬理試験や試験系の研究に従事。 2018年7月より現職(Director, Safety Assessment, Nonclinical Development、獣医師・博士)。JPMA QT PRODACT (製薬協・案件協ICH S7b データベース構築プロジェクト)、テレメトリー試験系のバリデーション及びQT個体別補正に関する研究論文の原著者。