医薬品免疫毒性のヒトリスク評価を考える

【開催日時】

2026年10月30日(金) 15:00 – 17:00 (途中退場可)

【開催形式】ハイブリッド開催

オンサイト:湘南ヘルスイノベーションパーク Hall 3
オンライン:Zoomウェビナー

【開催概要】

近年、抗体医薬品やニューモダリティ医薬の開発が急速に進展するなか、サイトカイン放出症候群(Cytokine Release Syndrome:CRS)をはじめとする免疫毒性をどのように評価し、ヒトにおけるリスクをいかに予測するかは、非臨床開発における重要な課題となっています。

一方で、サイトカイン放出能の評価については、ICHガイドラインにおいても具体的な試験法が示されておらず、国際的に標準化された評価手法も確立されておりません。そのため、製薬企業は、医薬品の作用機序や特性を踏まえ、規制当局に受け入れられる適切な試験系を選択した上で、ヒトへのリスクを総合的に評価することが求められています。

本講演会では、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の角田 聡氏をお迎えし、審査の視点から、医薬品の免疫毒性に関するヒトリスク評価について、実際の審査事例を交えながらご講演いただきます。また、Axceleadの研究者より、ヒトPBMCを用いたサイトカインリリースアッセイの概要や活用事例についてご紹介いたします。

免疫毒性評価やCRSリスク評価に携わる非臨床安全性研究者をはじめ、新薬開発のプロジェクトに関わる皆様にとって、最新の規制動向と実践的な評価戦略を学ぶ貴重な機会となれば幸いです。

時間講演
15:00〜15:20
<講演1>
抗体医薬品を対象としたサイトカインリリースアッセイのご紹介
長谷川 裕香(Axcelead Drug Discovery Partners株式会社)
15:20〜17:00
<講演2>
医薬品免疫毒性のヒトリスク評価に関する規制側の視点
角田 聡 氏(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)

注意事項

  • お申し込みのない方への視聴URLの共有はご遠慮いただいております。
  • オンラインでのご参加は、Web会議ツール「Zoomウェビナー」を使用します。
  • 会場でのご参加の場合、会場へのアクセス方法はお申し込みの方に別途ご案内いたします。
  • 講演内容の録画、録音、画面キャプチャなどはお控えください。
  • 申し込み時に記載されるメールアドレスに、GmailやYahoo!メール、Hotmailなどのフリーメールはご利用いただけません。ご所属施設のドメインのメールアドレスにてご登録をお願いいたします(フリーメールにてご登録いただいた場合、登録を解除させていただくことがございます)。

<講演1> 抗体医薬品を対象としたサイトカインリリースアッセイのご紹介

抗体医薬品の開発では、サイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome: CRS)の発現リスクを非臨床段階でいかに予測するかが重要な課題となっています。ヒト特異的な免疫応答は動物試験では十分に予測できない場合があり、ヒト細胞を用いたin vitro評価への期待が高まっています。

本講演では、こうしたCRS予測の課題と現状を概説したうえで、Axceleadで実施しているヒト末梢血単核球(PBMC)を用いたサイトカインリリースアッセイについて、試験系の概要と判定の考え方をご紹介します。本アッセイでは、固相化した被験抗体と複数ドナーのPBMCを培養し、炎症性および抗炎症性サイトカインを定量したうえで、低リスク抗体(panitumumab)と高リスク抗体(muromonab)を基準にドナーごとのリスクをlow・middle・highの3段階で判定します。あわせて、臨床でのCRSプロファイルが異なる抗体医薬品を用いた検証データもお示しします。

長谷川 裕香
Axcelead Drug Discovery Partners 株式会社, Translational Research Business Unit

2009年武田薬品工業株式会社に入社し薬理研究に従事。2017年Axcelead Drug Discovery Partners株式会社安全性研究部門に転籍。専門はIn vitro tox試験、新規評価系構築にも従事している。

<講演2> 医薬品免疫毒性のヒトリスク評価に関する規制側の視点

医薬品の免疫毒性評価については、2008年に発効したICH S8ガイドラインで、主に免疫抑制に着目した評価アプローチが示されており、評価系は有効に機能しています。一方、2006年には、抗体医薬品TGN1412の臨床試験で予期せぬ免疫活性化に起因するサイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome: CRS)が発生し、重篤な健康被害が生じました。これを契機に、薬剤のサイトカイン放出能を評価するヒト細胞を用いたin vitro試験法が開発され、CRSに起因する有害事象の発生は減少しましたが、現在でも一定の頻度で認められています。サイトカイン放出能の評価は、抗体医薬品だけでなく低分子医薬品においても重要な位置を占めています。

その一方で、ICHなどによる国際的に標準化された試験法はまだ確立されておらず、申請者は医薬品の特性に応じて適切な試験系を慎重に選ぶ必要があります。さらに、近年急速に開発品目が増えているニューモダリティには、同ガイドラインでは十分に想定されていない免疫活性化や抗原性を示すものもあります。このため、非臨床データのヒトリスク評価において規制当局と申請者との間にギャップが生じ、医薬品開発上の課題となる場合があります。

本講演では、ニューモダリティを含む医薬品における免疫毒性の発生状況と、そのヒトリスク評価について、審査側の視点から個別の審査事例を交えてご紹介します。

角田 聡 氏
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)スペシャリスト(毒性)

1997年科研製薬株式会社に入社し、非臨床安全性研究に従事。2009年株式会社資生堂を経て、2014年に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に移り、審査専門員、主任専門員を経て2020年より現職。2019年から2026年までICH E14/S7B IWGのPMDA/MHLWトピックリーダーを務めた。HESI S7A Steering Teamメンバー、日本毒性学会評議員。


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