Axcelead社員インタビュー
#013

薬物動態一筋20年!
「餅は餅屋」と言われるように

蛯原 卓哉 非臨床開発 Development DMPK 主任研究員

20年魅せられ続けている薬物動態との出会い

臨床開発化合物の非臨床薬物動態を担当しています。新薬承認に向けて、主に放射性炭素(14C)で標識した開発化合物を用いて、その体内動態の全体像(吸収、分布、代謝、排泄)をin vivo及びin vitro試験から明らかにし、治験及び承認申請資料にまとめていきます。これから医薬品として世に出ていくであろう化合物だけに、新しいデータを見るのは、いつもワクワクします。薬物間相互作用のin vitro評価やヒトでの用法用量の予測を通して、化合物が医薬品へと育っていく過程に間近に関わることができるのもこの仕事の魅力の一つです。

そもそも薬学の道に進んだのは、幼いころに家族を病気で亡くしたことが影響していると思います。その中でも薬物動態に興味をもったきっかけは、大学恩師の講義でした。薬の効果を考える上で化合物濃度と時間の概念がいかに大事か、薬を「ウサギ」と「カメ」に例えた話にどんどん引き込まれていきました。体内での薬の濃度及び効果を定量的に解析し、その個人差を予測するという世界にとても魅力を感じ、それ以来、薬物動態一筋20年。自分でも驚きます。

狭き門を突破して感じたこと

新薬の研究開発は、プロジェクトが順調に進んでも承認までには十年もの時間がかかり、その過程で多くがドロップする狭き門です。幸い、前職では担当したいくつかの化合物が承認され、医薬品として実際に患者様に使われるようになりました。製薬会社、医療関係者、治験に参加された患者様など、多くの人々の尽力や協力の上で成し遂げられる道程ですが、私自身も関わったものが承認され、市販されたことは、非臨床薬物動態の担当者として大変自信になりました。本当によい経験をすることができたと感じています。長年付き合った化合物が承認されたと聞いた瞬間は、歓喜よりもむしろ、ほっと胸をなでおろし、無事に承認されてよかったという思いの方が強かったです。

イエナカ燻製づくりに挑戦!

以前から興味はあったのですが、コロナ禍で外食の機会が減ったのをきっかけに、自宅でいつもとは違う一品を作ってみよう!と思い、料理を始めました。その一つが「イエナカ」燻製づくりです。加熱10分、火からおろして保温20分。だいたい30分くらいで出来ちゃうんです。鶏肉、チーズ、ソーセージなど試してみましたが、どれもいい味に仕上がりました。他に、塩釜焼も作ってみました。塩の粘土をこねているようでなかなか面白く、子どもとも楽しめます。

「餅は餅屋」と言われるように

皆様のベストパートナーとして医薬品の創出に貢献できるよう、日々サービス向上に努めています。臨床開発化合物の非臨床薬物動態という限られた範囲を、15年以上に渡って担当してきました。求められるものは比較的はっきりしていますが、創薬過程の全体を考えると、そう頻繁に承認申請が行われるわけではないので、それを何度も経験していることは大きな強みです。「餅は餅屋」と言われるように精進してまいります。

蛯原 卓哉 非臨床開発 Development DMPK 主任研究員

九州大学大学院薬学府修了後、武田薬品工業へ入社。開発化合物の非臨床薬物動態を、in vivo及びトランスポーターなどのin vitro試験を中心に担当。 2017年にAxcelead Drug Discovery Partners株式会社へ転籍し、現職。