2026年7月1-3日にグランキューブ大阪で開催される第53回日本毒性学会学術年会で、Discovery Technologies Business Unit 古川研究員がポスター発表をします。本学会への参加を予定されている方は、是非発表をご覧ください。
【学会概要】
第53回日本毒性学会学術年会
【ポスター発表】
日時:2026年7月2日(木)13:30-14:20
場所: グランキューブ大阪
タイトル:「機械学習で挑む薬物性肝障害予測:複数試験統合による新たなアプローチ」
ポスター番号: P155
【発表概要】
薬物性肝障害(Drug-Induced Liver Injury: DILI)は、新薬開発の中断や上市後の市場撤退の主要因として知られており、そのリスクを早期に予測することは極めて重要です。しかし、その発症メカニズムは多様かつ複雑であり、単一の試験のみで評価することは困難です。
本研究では、まず機械学習に先立ち、リード創薬段階で実施される4種の試験から得られる細胞障害性(Cytotox IC50/Cmax)、ミトコンドリア毒性(Glu/Gal比)、胆汁うっ滞(BSEP IC50/Cmax)、リン脂質蓄積(amiodaroneのAUCに対する相対値)、反応性代謝物(生成率)の5項目と文献情報より入手したCmaxについて、単独での予測精度をROC解析により検証しました。
次に、 Cytotox IC50、 Glu/Gal比、 BSEP IC50、 amiodaroneのAUCに対する相対値、反応性代謝物の生成率およびCmaxの6項目とSMILESから算出した分子記述子情報に基づき、トレーニング用の70化合物を用いて機械学習モデルを構築し、統合的なリスク評価の予測精度を検証しました。
その結果、単独評価において最も予測精度が高かったのは胆汁うっ滞でした。さらに、16化合物を用いた機械学習モデルの検証では、DILIリスクに対する感度81.8%、特異度80.0%を示しました。また、本手法はCmaxの影響を反映したモデルであるため、Cmaxが不明な化合物についても、算出されたリスクスコアに基づき、DILI懸念となる血中濃度の予測が可能でした。
以上より、5つの評価項目および分子記述子情報に基づいて構築された機械学習モデルにより、DILIリスクを予測することが可能であることが示されました。
【Axcelead DDPのソリューション】
薬物性肝障害(DILI)は医薬品開発における重要な安全性課題であり、早期予測によるリスク回避が期待されています。
Axceleadでは、リード創薬段階で取得したデータ及び分子記述子に加え、化合物の曝露指標であるCmax(最高血中濃度)を考慮した機械学習を組み合わせることで、DILIリスクの予測を実現します。
関連サービス:In vitro 探索安全性スクリーニング

古川 初江 Discovery Technologies Business Unit
武田薬品工業株式会社を経て、2017年にAxcelead Drug Discovery Partners株式会社に転籍。各種安全性評価の業務に従事。
