2025年6月20日にオンラインで開催される日本薬学会構造活性相関部会 構造活性フォーラム2025にてDigital Unitの半田研究員が化合物脳内濃度時間推移予測モデルについて紹介します。本学会への参加を予定されている方は、是非発表をご覧ください。
【学会概要】
構造活性フォーラム2025
主催:日本薬学会構造活性相関部会
協賛:情報計算化学生物学会(CBI学会)
【口頭発表】
日時:2025年6月20日(金) 10:40-11:20
発表形式: オンライン
タイトル:「創薬における実践的な機械学習モデルの追求」
【発表概要】
近年のAI技術の進展により、創薬分野でも大量かつ高品質なデータを活用した予測モデルの重要性が高まっている。当社は統一条件下で得られたin vitro/in vivoの薬物動態・毒性データを基に、溶解性や膜透過性、毒性など23項目を高精度に予測するモデルを開発し、創薬支援サービスとして提供している。特に中枢神経系疾患では脳移行性の予測が重要だが、従来手法では限界がある。そこで我々は脳内濃度時間推移を予測するDeep two-compartment modelを構築した。本モデルは、実測データに基づきコンパートメントモデルのパラメータを最適化し、より実践的な予測を可能とする。我々はAIプラットフォームの継続的開発と現場への適用を通じて、こうした課題の解決に取り組んでおり、本発表ではその中で得られた知見を紹介する。
【Axcelead DDPのソリューション】
Axcelead DDPでは、創薬のさらなる効率化と成功確率の向上を目指し、最先端の機械学習技術に通じたデータサイエンティストと、創薬研究に豊富な知識と経験を持つ研究者が密に協力し合い、AI開発を進めています。Axcelead DDPのAIは、以下の点に特徴があります。
①長年に亘って蓄積された高品質かつ大規模の創薬データを活用していること
②計算アルゴリズムに、より複雑で高度な計算や解析が可能なグラフニューラルネットワークやTransformerを用いた基盤モデルを採用していること
③ユーザーフレンドリーな適用範囲や予測誤差の推定機能をシステムに実装していることこれにより、信頼性が高く、より実務で使いやすい予測モデルを提供できること
現在、ADME予測モデルをお客様に提供し、化合物最適化を大幅に効率化するサービスを提供しており、今後は活性や毒性に関しても予測モデル開発を進めていきます。AI創薬をご検討の際は、是非、当社にご相談ください。

【演者】半田 耕一 Digital Unit
薬学博士。2007年東京大学大学院新領域創成科学研究科修了後、富山化学工業、北里大学、富士フイルム、帝人ファーマ、英国ケンブリッジ大学にて薬物動態研究及び創薬計算科学に従事。
2024年4月に帝人ファーマからAxcelead TWPに転籍。腎疾患を中心とした薬物動態プロジェクトを担当するとともに、eADMEスクリーニング機械学習モデルや化合物生成モデル構築に携わる。2024年9月より現職。

【研究協力】齋藤 真樹 Digital Unit
2016年3月東北大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了。博士(情報科学)。2016年4月より株式会社Preferred Networksにてコンピュータビジョンを主とした機械学習の応用研究に従事。 2024年9月よりAxcelead Drug Discovery Partnersにて機械学習を応用した創薬に関する研究開発を行う。

【研究協力】梶野 洸 Digital Unit
2016年3月東京大学大学院情報理工学系研究科博士後期課程修了後、日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所にて機械学習の基礎研究およびビジネス応用に従事。 2024年2月よりAxcelead Drug Discovery Partnersにて創薬における機械学習に関する研究開発に携わる。 著書に「機械学習による分子最適化」や「強化学習から信頼できる意思決定へ」がある。 博士(情報理工学)