2025年4月23日

Pharmacology BUの日高研究員がECO 2025にてポスター発表をします

2025年5月11~14日の4日間、スペインで開催されるECO 2025(32nd European Congress on Obesity)で、Pharmacology BUの日高研究員がポスター発表をします。本学会への参加を予定されている方は、是非発表をご覧ください。

【学会概要】
ECO 2025(32nd European Congress on Obesity)

【ポスター発表】
日時:5月13日(火)18:00~18:45
場所: Malaga, Spain
タイトル:「Comparison of anti-obese effects on GLP-1 analogue peptides, Semaglutide, Tirzepatide and Retatrutide using MC4R deficient obesity model mice」
ポスター番号:PO4.142

【発表概要】
2024年、肥満症の治療薬としてGLP-1 agonist であるSemaglutideが本邦30年ぶりの新薬として上市され、大きなニュースとなりました。また、近年Tirzepatide やRetatrutideの臨床試験結果が報告され、その高い抗肥満効果から肥満患者のQOL向上に大きな期待が寄せられています。一方でこれらGLP-1 agonistの作用を同時に評価した非臨床試験の報告はありません。そこで本研究ではMC4R KOマウスを用いてSemaglutide、Tirzepatide 及びRetatrutideを同時に試験し、その効果を比較しました。その結果、Semaglutideと比較してTirzepatideの方が高い体重減少効果を示すことが確認されました。また、いずれのGLP-1 agonistも高い抗肥満効果を示す一方で、筋肉量も低下させることを示唆する結果が得られました。Semaglutideによる筋肉量減少作用は臨床試験結果からも報告されており、本結果は筋肉量減少作用がGLP-1 agonistに共通する作用であることを示唆する可能性があります。本研究の結果が、肥満症領域における創薬研究の発展に貢献することを期待しています。

【Axcelead DDPのソリューション】
肥満症のモデルマウスについては、Diet Induced Obesity(DIO)マウス、db/dbマウス、ob/obマウス等が知られており、それぞれ特徴を有した肥満症モデルとして有用であるものの、モデル作成までに時間を要することや糖尿病を合併すること等の課題があります。MC4R欠損モデルマウスは過食を呈し、早期に肥満化しますが、高血糖を呈しにくい特徴を有しており、抗肥満症領域の創薬研究において高い有用性があります。また、Axcelead DDPでは種々の測定機器(EchoMRI、Oxymaxシステム、X線CT)を用いた総合的な抗肥満評価が可能です。これらの測定系は肥満症領域の創薬研究において薬効評価だけでなくMOA解析、特徴化等に非常に有用で、各種肥満モデルも含めて肥満症研究を幅広くサポートできます。肥満症領域の動物評価やMOA解析、特徴化にお困りの際は、是非、当社にご相談ください。

日高 幸佑 Pharmacology Business Unit
薬学修士。2012年九州大学大学院薬学府修了後、大正製薬株式会社に入社し、感染症や腎臓疾患を対象とした創薬研究に従事。2023年にAxcelead Drug Discovery Partners株式会社に入社。入社後は腎・肝臓疾患や肥満症をはじめとした代謝性疾患領域の薬効薬理試験に従事。

 

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