2025年3月17~19日、幕張メッセで開催されるAPPW2025(第130回 日本解剖学会/第102回 日本生理学会/第98回 日本薬理学会 合同大会)にてPharmacology Business Unitの日高研究員がポスター発表をします。本学会への参加を予定されている方は、是非発表をご覧ください。
【学会概要】
APPW2025(第130回 日本解剖学会/第102回 日本生理学会/第98回 日本薬理学会 合同大会)
【ポスター発表】
日時:2025年3月18日(火) 15:40-16:40
場所: 幕張メッセ 展示会場(国際展示場 展示ホール8内)
タイトル:「MC4R KO過食性肥満モデルマウスに対するGLP-1Rアゴニストの作用の検討」
演題番号:2P-396
【発表概要】
2024年、肥満症の治療薬としてGLP-1 agonist であるSemaglutide(ウゴービ)が本邦30年ぶりの新薬として上市され、大きなニュースとなりました。また、近年Tirzepatide (GLP-1R, GIPR dual-agonist)やRetatrutide(GLP-1R, GIPR, GCGR triple-agonist)の臨床試験結果が報告され、その高い抗肥満効果から肥満患者のQOL向上に大きな期待が寄せられています。一方でこれらGLP-1 agonistの作用を同時に評価した非臨床試験の報告はありません。そこで本研究ではMC4R KOマウスを用いてSemaglutide、Tirzepatide 及びRetatrutideを同時に試験し、その効果を比較しました。その結果、Semaglutideと比較してTirzepatideの方が高い体重減少効果を示すことが確認されました。また、いずれのGLP-1 agonistも高い抗肥満効果を示す一方で、筋肉量も低下させることを示唆する結果が得られました。Semaglutideによる筋肉量減少作用は臨床試験結果からも報告されており、本結果は筋肉量減少作用がGLP-1 agonistに共通する作用であることを示唆する可能性があります。本研究の結果が、抗肥満疾患領域における創薬研究の発展に貢献することを期待しています。
【Axcelead DDPのソリューション】
Axcelead DDPが有するメラノコルチン4型受容体(MC4R)欠損モデルマウスは、モデル作成までに時間を要することや糖尿病を合併すること等といった他のモデルマウスとは異なり、過食を呈し早期に肥満化しますが糖尿病を合併しません。そのため抗肥満症領域の創薬研究において高い有用性があります。
また、本研究ではEchoMRI・Oxymaxシステム・X線CTといった測定機器を用いて抗肥満評価を行っており、これらの測定系は肥満症領域の創薬研究において薬効評価だけでなくMOA解析、特徴化等に非常に有用です。
肥満症領域の動物評価やMOA解析、特徴化にお困りの際は、是非、当社にご相談ください。

日高 幸佑 Pharmacology Business Unit
薬学修士。2012年九州大学大学院薬学府修了後、大正製薬株式会社に入社し、感染症や腎臓疾患を対象とした創薬研究に従事。2023年にAxcelead Drug Discovery Partners株式会社に入社。入社後は腎・肝臓疾患や肥満症をはじめとした代謝性疾患領域の薬効薬理試験に従事