2019年7月10日

富士フイルムとAxcelead Drug Discovery Partners、iPS細胞を用いた創薬支援分野における協業を開始

富士フイルム株式会社
Axcelead Drug Discovery Partners

 

顧客提案力のさらなる強化により、新薬の研究開発の効率化・迅速化に貢献

 

  富士フイルム株式会社(社長:助野 健児、本社:東京都港区、以下 富士フイルム)とAxcelead Drug Discovery Partners株式会社(社長:池浦 義典、本社:神奈川県藤沢市、以下 Axcelead)は、本日より、iPS細胞を用いた創薬支援分野における協業を開始しましたのでお知らせします。富士フイルムのiPS細胞由来製品とAxceleadの化合物評価・解析サービスなど、両社の技術や製品・サービスを組み合わせることで、顧客提案力のさらなる強化を図るとともに、新たな評価方法やサービスの開発を目指します。
昨今、新薬の研究開発では、多額の費用がかかる臨床試験前に、医薬品候補化合物の安全性や有効性、薬物動態などをより効率的かつ高精度に評価したいというニーズが高まる中、無限増殖性と多様な細胞に分化する性質を持つiPS細胞が新薬の研究開発ツールとして注目されています。iPS細胞は、狙った細胞に分化誘導させて、その細胞(iPS細胞由来分化細胞)を用いることで、ヒト生体に近い環境を再現できるため、医薬品候補化合物の評価に活用される事例が増えています。また、iPS細胞由来分化細胞を用いた安全性試験の標準化に向けた取り組みも進んでおり、iPS細胞のさらなる需要拡大が見込まれています。
富士フイルムは、iPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニーである米国子会社FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.(フジフイルム・セルラー・ダイナミクス、以下 FCDI)を通じて、iPS細胞由来の心筋細胞や肝細胞、ミクログリア細胞※など15種類の創薬支援用iPS細胞由来分化細胞を、全世界の製薬企業やアカデミアなどに販売し、多様な顧客ニーズに応えるとともに、iPS細胞を用いた新薬開発の普及に取り組んでいます。
Axceleadは、創薬ターゲットの探索から医薬品候補化合物の最適化、さらには臨床開発への橋渡しプロセスまでの総合的な非臨床創薬研究サービスプロバイダーです。現在、創薬研究をプロジェクト単位で請け負う統合型創薬研究支援サービス(Integrated Drug Discovery service)など特長的なサービスを展開し、事業拡大を進めています。
今回、富士フイルムとAxceleadは、両社の技術や製品・サービスを組み合わせた協業を通じて、iPS細胞を用いた創薬支援分野での顧客提案力をさらに強化します。例えば、富士フイルムのiPS細胞由来心筋細胞と、Axceleadの医薬品候補化合物の評価・解析サービスを組み合わせて、予測性の高い心毒性の評価サービスなどを幅広く提供していきます。さらに、両社の技術・ノウハウを活用して、顧客のきめ細かなニーズに応じた評価方法やサービスの開発も行い、顧客が進める新薬の研究開発の効率化・迅速化に貢献していきます。
今後、培地のリーディングカンパニーであるFUJIFILM Irvine Scientific, Incや総合試薬メーカーである富士フイルム和光純薬株式会社の持つ培地・試薬なども組み合わせた、創薬支援分野でのさらなる協業も検討していきます。
富士フイルムとAxceleadは、幅広い顧客ニーズに応える付加価値の高い製品・サービスを提供することで、顧客の画期的な新薬の創出に貢献していきます。
※脳や脊髄に存在する免疫細胞。死んだ神経細胞や脳内に集積したアミロイドβを貪食したり、傷ついた神経細胞の再生を促したりするなどの免疫機能を持つ。

■本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。
【富士フイルム株式会社
報道関係: コーポレートコミュニケーション部 TEL 03-6271-2000
その他:  再生医療事業部             TEL 03-6271-3030
 
【Axcelead Drug Discovery Partners株式会社】
事業推進        Email  info@axcelead.com / TEL  0466-32-4500