2025年9月25~27日の3日間、石川県金沢市で開催される第84回日本癌学会学術総会で、Pharmacology BU 田畑研究員がポスター発表をします。本学会への参加を予定されている方は、是非発表をご覧ください。
【学会概要】
第84回日本癌学会学術総会
【ポスター発表】
日時:2025年9月27日(土)16:15-17:00
場所: もてなしドーム地下広場
タイトル:「ヒトのtumoroidを用いた腫瘍環境を保持するin vitro評価系の構築」
セッション名:I-P10-7
演題番号:P-3155
【発表概要】
新規抗がん剤の開発において従来より汎用されている、単一細胞での培養評価系や複数種の細胞での2D培養評価系は、複雑かつ不均一な腫瘍微小環境 (TME) を十分に再現しておらず、新薬候補物質のヒトでの薬効予測には不適であるとされています。そのため、生体に近い環境下での薬効プロファイリングを可能とするin vitroの前臨床試験系の開発が急務となっています。そこで我々は、摘出手術により得られたがん組織を採取後24時間以内にtumoroidとし、新薬候補物質の薬効を評価できるassay系を構築しました。本assay系では、評価期間を通してがん細胞の他に、がん関連線維芽細胞や腫瘍浸潤リンパ球などTMEを構成する多様な細胞種が保持されていること、また既存薬の薬効をtumoroidの生存率を指標にして再現性良く評価できることが明らかとなりました。これらの成績は、本assay系が新薬候補物質のヒトでの薬効予測に大変有用なものであることを示唆しています。
【Axcelead DDPのソリューション】
Axcelead DDPでは、創薬研究において極めて有用なツールとなるヒトの新鮮がん組織を入手する独自のシステムを構築してきました。新鮮がん組織を用いて、細胞間のコミュニケーションを可能な限り保持しつつ患者固有の腫瘍環境を再現したin vitro評価系は、新薬候補物質のヒトでの薬効予測に大変有用なものであると考えられます。また、Axcelead DDPは新鮮がん組織を利用した評価系に加え、がんオルガノイドや同所性移植モデルマウスを用いた薬効薬理試験、各種オミックス解析を駆使したMOA解析やバイオマーカー探索など、さまざまなニーズに対して幅広く創薬支援を行っています。ご興味のある評価系や創薬に関する課題がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

田畑 遼太朗 Pharmacology Business Unit
2018年に大正製薬株式会社に入社し、肝疾患領域の iPS細胞を用いた創薬研究に従事。2023年にAxcelead Drug Discovery Partners株式会社へ入社し、iPS細胞や新鮮がん組織といったヒト外挿性の高いモデル構築やがん領域の薬効薬理試験に従事。
