「患者様」、「お客様」、「仲間」のために

薬ってすごい!!

2009年に武田薬品工業へ入社。当初より薬理部門で癌創薬業務に従事し、2017年にAxcelead Drug Discovery Partnersへ転籍後も変わらず薬理部門で癌領域の薬理試験を担当しています。転籍前はin vitro試験が主な業務でしたが、現在はin vitro試験に加えてin vivoでの薬効評価や癌免疫の業務も加わり新しいスキルや知識を得ながら業務に励んでいます。

創薬に関わるようになったのは、学生時代に友人のおばあさまのお話を聴いて興味を持ったからです。おばあさまは認知症で要介護者。一人で着替えやトイレはできず、孫である友人の事も分からない状況だったのが、病院の先生の勧めで精神科を受診した結果、毎日飲んでいた薬を替えたところ着替えやトイレも一人でできるようになった!!と、嬉しそうに話していた友人が印象的で、単純に「薬ってすごい!!」と思いました。臨床検査技師の資格取得を目指し大学で学び大学病院で研修をしていましたが、そのことがあって病院ではなく「製薬会社に就職したい!」と思い立ち、武田薬品工業にご縁があって入社する運びとなりました。入社当初は動物や機械の扱いに戸惑ったり覚えることが沢山あったりで大変でしたが、教えてくれる頼もしい先輩達のお陰で徐々に慣れ、創薬に携われていることに喜びを感じながら今も取り組んでいます。

「誰かのために何か役に立つ事ができていると思える事が嬉しい。だから頑張れる」

「誰かのために何か役に立つ事ができていると思える事が嬉しい。だから頑張れる」これは7年前に所属していた部署で『より良い組織』になるための研修に参加した時に考えた目的意識ですが、Axcelead Drug Discovery Partnersへ転籍した今でも変わっていません。意志が弱く、自分のために勉強しよう!ダイエットしよう!と思ってもぜんぜん続かない性格ですが、お世話になった方や頼りにしてくれる仲間がいると頑張れます!!自分一人では仕事は達成できないので、周りで支えてくれる方々に日々感謝し、その方達のためにも頑張ろうと思えます。

先のことを考えすぎず今も楽しむ

先のことをあまり考えすぎず今も楽しむことを心がけて日々を過ごしています。休日は大好きなディズニーとビールを楽しんでいます。ディズニーランドやディズニーシーではシーズンごとのショーを観るのが好きで、ハロウィンシーズンにはパレードに出ているダンサーさんと同じ衣装が着たくて、仕事の後で同僚と一緒に手作りする事も。前日からホテルに泊まりこんで翌朝、その衣装を着てディズニーへ行き、パレードを見たりお酒を飲んだりというのが私の楽しみ方です。一緒に行く人にも楽しんでもらえるように、パレードはどこから見るといいのかなど計画を立てるのも楽しくて、ついついディズニーの情報を収集してしまうので、行く予定がある方にプランニングを頼まれるのも嬉しいです!!

患者さんが少しでも豊かな暮らしができるように

知識を増やし深めてがん免疫を極めたい!と思っています。自分が出来ることが増えることによってご依頼頂ける案件の種類を増やすことによって、不自由な思いをされている患者さんが少しでも豊かな暮らしができるように。お客様の創薬に貢献できたら嬉しいです。

2023-08-02T10:39:18+09:002022/12/23|

研究者から人事へキャリアチェンジ!
多角的に観る大切さ。

人事へ転身、「新人なので分からない」は半年で卒業

人事部門の統括をしています。もともとは武田薬品に研究者として入社し楽しく研究に取り組んでいました。が、ある日突然、部門長に呼ばれ人事へ異動の打診をされ驚きましたし「私には向いていない!」と思いその場ではお断りしました。お断りした理由は2つあってひとつは人見知りでコミュニケーションをとるのが苦手だと感じていて、黙々と作業することが好きなので研究者を選択していたこと、もうひとつは研究も楽しくしていたからです。

ですが、お話を伺っているうちに人事の仕事にも魅力を感じてキャリアチェンジしました。「やる!」と決めてからは「新人なので分からない」は半年で卒業すると決めて業務に取り組みました。異動して苦労したのは『頭の使い方』です。研究者は仮説を説明した後に結果を伝えますが、人事では結論から話し、しかも相手が誰なのかを考慮して伝える必要があります。発表資料を作成する時など上司にかなり注意され、この回路が出来るまで非常に苦労しましたし、多角的に観ることの大切さを痛感しました。

一方で採用やキャリアチェンジで接した人がその後、活躍されている姿を拝見すると嬉しくて、研究者とは違う人事ならではの喜びを感じます。

新しい人事制度に込めた思い

「信頼関係・多様性・主体性」この3つを軸に、7月に人事制度を新しくしました。2年前から準備を進め、その中で一番大変だったのはこの「軸」を決めることでした。経営層を含めてディスカッションを繰り返し、固まるまで2,3ヵ月はかかりました!この3つのキーワードには、それぞれに想いが込められています。

「いけちゃんねる#45 :HRのヘッドに聞いてみた!」
Axcelead YouTubeチャンネルにて公開中!

『信頼関係』
クライアントから信頼を得ることが大切。そう在るには会社と従業員が信頼し合い対等の立場で切磋琢磨することで信頼関係が深まり、その良い影響がクライアントとの信頼が深まり互いのビジョンを叶えたい
『多様性』
様々な価値観を持った人と会社がうまく活かされる組織を目指しており、様々な意見がぶつかることでイノベーションが生まれ、そのイノベーションによってクライアントに新たな提案が生まれることで薬を生み出したい
『主体性』
過去こうだったから、ではなく柔軟にこれまで培ってきた経験、技術を活かしてチャレンジ出来る方、主体的に動いて行ける人に集まって欲しい!会社や制度を活用しどんどんチャレンジし、Axceleadを卒業後も活躍していけたら嬉しい

AxceleadはPRO(Partnership Research Organization)ですので制限はあるものの、社員が多様な働き方を選択できるように設計しています。具体的には、短時間勤務、短日数勤務、リモートワーク、あるいは副業の実施などです。Axceleadには研究だけでなく、どのようにビジネスに展開していけるかを考えチャレンジできる環境があり、働いている社員の志も高く会社の規模も丁度いいため連携も取りやすいと考えています。新しい人事制度もどんどん活用していただき、それぞれが自立して主体的にいろいろなことにチャレンジしていただきたいと思っていますし、それを人事として後押しすることができれば本当に嬉しいです。

頭も身体もスッキリ

ウォーキングを数年続けており、年々歩数が上がってきています。今は毎日平均17,000歩くらい歩いています。ウォーキング中の楽しみは、犬の散歩姿を見ること。毎日、何匹会えたか数えています。
「めんどくさいな」と思ったことはなくて逆にウォーキングしないと気持ちが悪いくらい習慣になっていて、先日尾瀬へ行った時も4万歩近く歩いてきました!歩くことで疲れがとれて、頭も身体もスッキリしてリフレッシュされます。

2022-10-31T09:42:12+09:002022/10/25|

研究者からセールへ転身、お客様とAxcelead研究者の「想い」を大切にした橋渡しを

研究者からセールへ転身

カスタマーイノベーション推進部でセールスを担当しています。もともと研究者として中枢疾患薬理の研究に18年ほど従事していましたが、昨年、チャンスがありセールスへで異動しました。
武田薬品からAxceleadへの移籍時は、会社設立のためにできることからやろう!と、これまで経験を積み上げてきた中枢疾患の研究で貢献しました。ですが、研究者としてお客様と対話する機会はそれほど多くなく、「お客様と対話をしながら、Axceleadの研究者との橋渡しをしたい!」という想いが強くなりました。セールスであれば、お客様と直接対話できる機会も多いのでは?と考えていた時、チャンスが巡ってきました。

そもそもAxceleadへの転籍を決意したきっかけに東日本大震災があります。創薬という使命を果たすために研究に没頭してきましたが、育児休暇中に震災があり、仕事復帰を目前にして、自身が世の中に貢献できることについて考えさせられました。「人と対話をしながら何か新しいことにチャレンジできないか・・・」と模索し続け研究をしていた時、Axcelead設立の話が舞い込みました。様々な創薬プレイヤーと一緒に研究ができるという魅力と、Axceleadが創薬エコシステムのハブになるという方向性に共感し、転籍を即決しました。研究者を経てセールスへのキャリアチェンジにより、より自身の目指したいところが明確になったような気がします。

セールス担当としてお客様と対話をする中で、お客様が様々な課題を抱えながら解決法を模索されていたり、限られた資源の中で最善の方法で取り組んでいらっしゃる姿勢に、創薬への熱い想いを肌で感じることが多くあります。私は、Axceleadのサービスを通して、一端でもお手伝いをできることにやりがいを感じますし、いろいろなご相談を頂けることが嬉しいです。

変わらぬ想い

Axceleadのプレゼンテーションの最後を飾る「共に手を取り 創薬を通して 希望ある未来を創りたい」というメッセージがあります。実は、Axcelead創立後、初めてBioJapanという展示会に出展する際、私が考えました。創薬のステップの中で、シーズを探したり、どうやったら薬として世に出るかをディスカッションしたり、解決法を実行したり、お客様とAxceleadがチームとなり創薬を推進したいという想いがあります。そういった想いをギュッと濃縮し、写真撮影をしたメンバーの想いも表したスライドです。これを見るたび、初心に立ち戻ることができ、今でもその想いは変わっていません。

想いのあるものを応援したい!

作り手の想いやストーリーのあるものを応援したい!という気持ちがあり、そこに価値を見出せたものを選ぶようにしています。子どもが生まれた時に体に良い物を!と思い、ネットで探した農家さんが丹精込めてつくった無農薬野菜を購入するようになりました。持続可能な農業を実践し、資源の節約や環境保護に対する考え方に共感し、直接会いに行って、気が付けば農家さんとは10年以上のお付き合い。田植え、餅つき、枝豆や大豆の収穫、山に入って落ち葉拾い、味噌づくりなどの農業体験にも参加していて、自然に触れることの楽しさを実感しています。その体験で作ったお米、大豆を使って、毎年自家製味噌を作っています。人と人との想いを繋ぎ合わせたものを頂くと、言葉や数字では表せないほどの豊かさを感じます。

頼ってもらえるような存在になるために

何かあったら「前田さんに訊いてみよう!」と、人として頼ってもらえるような存在になることが目標です。そのような存在になるには、お客様お一人お一人とのコミュニケーションを通じて、課題やニーズを把握することが第一歩です。「お客様が必要としていることは?ゴールは何か?」という視点に立ち、Axceleadらしいご提案ができることを目指しています。日々のセールス業務でも試行錯誤することがたくさんありますが、Axceleadには沢山の経験豊富なスペシャリストがいることはとても心強いです。スペシャリストが集まったチームは、新たなソリューションやアイデアを生み出し、試行錯誤する中で「化学反応」が起こる楽しみがあります。私は、お客様の想いと、Axceleadのチームの想いと、大切に橋渡しして、垣根を超えたチームが「化学反応」を起こしてゴールを達成することをお手伝いしたいと思います。

2022-06-24T13:07:05+09:002022/06/14|

一人ひとりが出来ることで助け合い、
患者様へ薬を届ける

人との関わりで見えた目指す先

血液検査をメインとした臨床検査業務に携わっています。新卒で武田薬品に入社した際に安全性部門に配属され、主にラットやイヌ、サルで行われる毒性試験での業務を実施していました。Axceleadに転籍してからは毒性試験に加え、薬効試験などのサンプルや臨床サンプルを扱うことが増え、また、関わる人が社内から社外の方に代わり良い緊張感を感じながら日々奮闘しています。

創薬の道に進むきっかけとなった出来事が二つあります。
ひとつは大学進学の時、「その大学を選択する理由はなに?」「大学に行くのは、その先にやりたいことがあるからでしょう?」と親に聞かれたのですが、正直将来のことを考えていなかったので“はっ”としました。

母親が看護師をしていたこともあり医療について聞いたり調べたりしていくうちに「医療の道へ進んで患者さんやその家族が豊かな生活を送れるように自分も役立ちたい」と思うようになり、臨床検査技師を目指して進路を決めました。ロボットやガンダムが好きでそれらを開発する博士にあこがれて「博士になってロボットを創れば人の役に立ってみんなに喜んでもらえる!」と夢見ていた小学生の頃の想いに通じるものがあったかもしれません。
2つ目は就職活動の際、大学の先生から企業に就職する道もあると言われたことです。自分の中では臨床検査技師=病院で働くというイメージを強く持っていたため他の選択肢が見えていなかったので、衝撃を受けたと同時に、「企業で創薬研究に関わることでより多くの人の役に立てるのでは!?」と思い立ち、ご縁あって武田薬品へ就職することになりました。

データが教えてくれた自分の長所

検査データはピペットの使い方ひとつで変わってしまいます。ある時、他の方の作業でばらつきが出ていたデータが自分の測定ではばらつかず一定しているのを目の当たりにし、正確性の求められる検査業務は自分の天職では?と気が付かされました。子供のころから几帳面だと周りから言われることが多く、家の中は毎日掃除し整理整頓されていないと気が済みません。そういった性格がピペット捌きや手順確認の徹底など自然と意識することにつながっているのかもしれません。

車×自然を掛け合わせた新たな楽しみ

昨年くらいからデイキャンプをするようになりました。 もともと車が好きでオフ会に参加したとき、キャンプをしている人が多く影響を受け、自然が好きなのもあってハマりました。BBQやのんびりコーヒーを飲みながら季節ごとの雰囲気を楽しんでいます。本格的なキャンプを始めるのはハードルが高いですが、デイキャンプだったら手軽に始められるのでお勧めです。

みんなで話し合い、助け合いながら

昔から一人で何かに打ち込むよりもみんなで話し合い、助け合いながらそれぞれの能力を結集させチームで成し遂げていくことに楽しさや喜びを感じます。今もそれは変わらず、世界中の患者様により良い薬を一日でも早くお届けできるよう、お客様と一緒に創薬研究をしていきたいと思っています。

2022-02-16T09:46:24+09:002022/02/15|

あなたの笑顔がみたくて

祖母が買ってくれた顕微鏡

Oncologyグループで薬理試験を担当しています。培養したがん細胞をマウスへ移植して作製した担癌モデルを使用し、様々な被験物質の投与による薬効評価を行います。私はAxceleadに入社して初めてがん研究に携わりましたが、使用するがん細胞によって、増殖する腫瘍の形状、性質、被験物質への感受性も多種多様で、がんという疾患の難しさを実感していますし、その分やりがいも感じています。Axceleadでは試験の実施に加えてお客様との関りも非常に大事な業務ですが、お客様からご相談いただいた試験に関して、自身で調べてご提案した内容が採用されたり、実際にご提案の方法でよい試験結果が得られた時の嬉しさは一入で、Axceleadの目指す「PRO※」の大切さも再認識できました。

今では生きがいを感じながら日々研究に励んでいますが、最初から研究者を目指したわけでありませんでした。小さい頃は周囲に影響を受けやすく、テニスが趣味の両親を見て、テニスプレイヤーになりたい、友達が小説家になりたいと言っているのを聞いて私も小説家になりたい、と将来の夢がコロコロ変わっていましたが、小学生の頃祖母に買ってもらった顕微鏡で葉脈を見たりするのが面白くて、歴史など暗記するものよりも手先を使ったり、理論があって結果がある方が好きだなと感じ、徐々に研究者への道を歩むようになりました。
※PRO:Partnership research organization

新たなサービス「同所性移植モデル」が大きな自信と成長へ

2019年より、同所性移植モデルの作製に力を入れています。がん領域の薬理試験では、動物の皮下にがん細胞を移植することで担癌モデル(異所性移植モデル)を作製する方法が広く使われていますが、同所性移植モデルでは使用するがん細胞由来の臓器にダイレクトに移植をします。この手法を行うには、臓器に移植する技術はもちろん、非侵襲的に腫瘍増殖を確認するための特殊な機械とそれを使いこなせる技術も問われますが、このモデルを用いることで、がん細胞が持つ本来の特性をより反映した評価が可能となると考えており、現在は脳腫瘍モデルや卵巣がんモデル等、数種のモデル作製に成功しています。

特に脳腫瘍モデルについてはお客様からのお問い合わせも多く、現在進行形で試験を進めているご依頼案件もありニーズも感じています。よりがん研究に役立つ試験系を確立していくにはまだまだ課題もありますが、Axceleadとしてご提供できる新たなサービスを作り出せたことは長年、実験動物技術者として創薬に携わってきた私自身の大きな自信と成長につながっていると思っています。

「美しさ」と「美味しさ」を兼ね備えた本格スイーツづくり

こだわって創作したスィーツの一部

研究者として創薬に携わるか、お菓子の商品開発の仕事をするか一時期、本気で悩んでいたほどお菓子作りが好きです。製菓衛生師の国家免許も所持しています!調理師免許を取得することも検討しましたが、お菓子作りに特化した知識や技術を習得したかったので国家資格でもある製菓衛生師を取得。その後カフェを経営するための学校へも学びに通っていました。
味はもちろんのこと、スイーツの美しく芸術的なフォルムを表現することを大切にしていて、完成したスイーツは社内でシェアすることが多いのですが、手間と時間をかけて作り上げたものを食べてもらい、「美味しい」と喜んでもらえた時はとっても嬉しいです!いつしか、カフェをOPEN出来たらいいなと想いを膨らませています。

その先にある患者さんの笑顔のために

26歳の時に同年代の関節リウマチ患者の方と知り合い、友達になりました。15歳でリウマチを発症し10年治療を続けていた彼女が言っていました。完治しないとわかっているのに、10年経った今でも、主治医に「治りますか?」と聞いてしまうことがある、と。その言葉が忘れられず今でも心に残っていますし、あり方を見直す機会にもなりました。これまでは、「研究が面白い」「実験した結果が出た面白い!」という感覚で研究していましたが、それだけではダメだ!その先にある患者さんがいて自分は大事な仕事をしているんだ!という自覚がより湧いてきたのです。

現在私は、がんの試験を担当していますが、昔は治らない病として認識されていたがんも、今は治せる疾患のひとつになりつつあります。同様に難病と言われている疾患も、私たちの努力で「治せる病気」に一歩近づけるのではないか、その先にある患者さんの笑顔のために少しでも貢献することができたら、創薬研究者としてこれ以上の喜びはない、と思っています。

2022-01-12T14:16:58+09:002022/01/06|

「患者様のため」から
「患者様とお客様のため」へ

心惹かれた研究者の道

臨床試験に入る前の薬剤の安全性評価を担当しています。人で重篤な毒性が発現することのない様に、前臨床段階で複数の動物種を用いて、レギュレーションに則った試験を実施しています。動物試験で毒性が発現した場合に、人への外挿性を考察し必要に応じて毒性機序解明の試験を実施した結果、薬剤開発のステップを一段上げることが出来た時、やりがいを感じます。

そもそも、研究者に興味をもったのは小児喘息で減感作療法のために定期的に通院していた時です。院内薬局の薬を調合しているのを見て「楽しそう」と感じ薬剤師という仕事に興味が湧き、小学校の卒業文集にも「薬剤師になりたい」と書きました。その後、大学の研究室で実験を始めてからは、これまで学生でやってきた「先生が準備したものがその通りになるかならないか」とは違って、「結果が分からないことに対して自分で計画して組み立てる」実験をすることが楽しくなり、病院へ薬剤師の実習にも行きましたが、実験を続ける方に心惹かれ研究者の道を選択しました。

4年で2度の臨床試験を経て

Axeleadへ転籍し、約4年で2度お客様のパートナーとして目標達成をお手伝いできたことに喜びを感じています。とあるベンチャー企業様の2つの化合物のうち1つは臨床試験へ、もう1つは別の会社へライセンスアウトするための毒性試験を担当させていただきました。正直、締め切りがタイトで大変なこともありましたが、望む期限までにお客様が求める成果を達成したところとても喜んで頂け、かつ約4年で2度も関われたことがとても貴重な経験となりました。

Axeleadに転籍してから、お客様の薬剤開発が目標地点に到達して、大変喜んで頂く機会を得ることが出来ました。以前の職場では、「患者様のために」仕事をしていましたが、現在は「患者様とお客様のために」仕事をしており、誰のために仕事をするかと言う対象が身近になり、よりやりがいを感じています。

スキーに打ち込んだ青春時代

大学生の頃からスキーを続けています。学生時代、冬は信州の同じ民宿で毎年居候をし、朝と夕方は宿の手伝いをして、昼は滑っていました。民宿のご飯は美味く「痩せさせてしまっては申し訳ないから」と毎日たくさん、料理を出して頂いた結果、スキーをして体を動かしていたにも関わらず夏と冬の体重の差が激しかったです。(笑)当時、私も料理をお手伝いしていたので今でもたまに当時の味を思い出して作っています。

あれから30年以上経ち今はもう民宿は辞められましたが、未だにお歳暮やお中元のやり取りをしています。世の中が落ち着いて行けるようになると嬉しいです。

将来的な事故を防ぐために

安全性を評価する上で、開発のgo/no goを決断しなくてはならない場面があります。場合によっては、お客様の薬剤開発のリスクをお伝えしなくてならない場合もあります。将来的な事故を防ぐためにも判断をしっかりとしていきたいと思っています。

2021-12-20T14:47:07+09:002021/12/02|

挑戦続きの末に生まれたこだわりのアッセイ

「人の役に立ちたい!」という想いから研究者へ

in vitro toxグループで初期毒性評価を担当しています。研究者になったきっかけは「人の役に立ちたい!」という想いからです。医療に興味があり臨床検査技師の資格を取得し、製薬会社へ入社しました。Axceleadに転籍後は業務内容が大きく変わった(in vivo からin vitro 業務へ)こともあり、初めて体験することばかりで戸惑うこともありますが、グループの仲間とともに切磋琢磨しつつ、日々気を引き締めながら初期毒性評価を担当しています。
メインの仕事はオートパッチクランプ装置を用いた電気生理学的手法による心毒性(QTリスク)評価と再生医療製品の造腫瘍性評価です。条件設定にこだわった3チャネル(hERG, Cav1.2, Nav1.5)のマルチイオンチャネルアッセイをして完成させることができた時の達成感はひとしおでした。

より簡単により正確により安定したアッセイ作り

この電気生理のアッセイは安定した電流測定を継続させることが難しいので、毎週の定期アッセイを遅延することなく結果報告していく仕組みを作り上げていくことに苦労しました。初期の毒性評価は、一度に大量のデータを裁く責務があります。少量であればさほど難しくないアッセイでも、成功確率を上げ一度に多くの化合物を評価しなければならないため、どのようなアッセイ系を立ち上げるべきなのか意識しながら多くの条件を探り合わせるのは困難な工程でした。
現在では多くのお客様にご利用いただいており、我々が立ち上げた試験で皆様の創薬研究のお手伝いができることに、やりがいを感じています。

AxceleadのhERG current アッセイの魅力に迫る! ~心機能毒性評価のベストパートナーを目指して~

植物のお世話でリラックス

以前から屋外で植物を育てることが好きでしたが、コロナ禍で「部屋にも緑が欲しい!」と思い最近ではウンベラータ、セローム、アイビーなど観葉植物や多肉植物にはまっています。つい水をやりすぎてしまって根腐れを起こしてしまいトラブルも多いのですが、植物があると部屋が立体的にみえ、いろいろな角度から「素敵だな」と植物をよく眺めています。世話をすることが好きなので、リラックス、リフレッシュができていますね。
あと、お菓子作りも大好きでシフォンケーキやチーズケーキ、ティラミスなど作っていましたが、今のマイブームは植物なのでしばらくお休みしています。植物熱が納まってきたらまた作り始めるかもしれません。コロナ禍ですっかりインドア派になってしまいました・・・。

“上手く・早く・安く”をモットーにデータ提供を

武田薬品に入社当時は2年間継続して動物に投薬/観察を行うがん原性試験を担当しており、薬が出来上がるまで莫大な期間とコストがかかることをその当時実感しました。現在の業務では、お客様の沢山の早期化合物を取り扱っており、“上手く・早く・安く”をモットーに日々データを提供しています。研究開発初期の段階で高速なスクリーニングで高品質なデータを提供することにより毒性プロファイルが明らになり、リスク回避することがとても重要であると考えています。

2021-11-01T10:56:15+09:002021/11/01|

『目的は何か』常に立ち返る

大変だからこそチャレンジしたい!

代謝物の構造解析、低分子および中分子化合物の生体試料定量分析をコア業務として、さらに薬物動態のコアメンバーとして様々なプロジェクトへ参画しています。高校生の頃から生命現象が化学物質の作用として論理的に説明できる化学に興味を持ちその延長で大学へ進学、そこで配属された研究室が発がん物質の研究をしておりがんに関わる薬などを作りたいと思い始めました。薬を出すのは大変だと学生ながらに知識としてありましたが、だからこそそれにチャレンジしたい!と思い、製薬会社へ入社を決めました。

LC/MS分析法の構築では上手くいかないことの連続ですが、その原因を推察して、仮説を立て、実証しての繰り返しの中から納得のいくものが作り出せたとき、充実感・達成感を感じます。

プロジェクト打ち切りを回避したブレイクスルー

25年くらい前、合成部門にいた頃の話ですが、生物活性が10-7程度のケモタイプを4人で「活性向上しよう!」と試行錯誤したことがあります。芳しい結果がなかなか出ず、もうこのプロジェクトは打ち切りかもしれない、、、という時、たまたま自分の作った化合物の活性が100倍向上したんです!それを目にした時の感動と達成感を今でも覚えていますし、合成研究の醍醐味を味わったように思います。上手くいかない時、視野が狭くなりがちで目的からズレてしまうこともあるので『目的は何か』常に立ち返ることを意識し、上手くいかないのは失敗ではなく気づきを得ることができたと前向きに捉え、それが最終的に成功に繋がると信じて取り組んでいます。今は薬物動態部門で2匹目のドジョウを狙って日々新しいことにトライをしたいと思っています。

料理も日々開発中

今はコロナ禍ということもあり、単身寮で昨年5月から自炊を始め今も続いています。作れるようになったのは「これ作って」と家族に言われ指導してもらったおかげかも知れません。材料から買ってきて皮に包んで焼き餃子なんかも作ったりします。夕食で作ったものを翌日の昼食としてお弁当を持参しています。フライパン1つでできる料理を日々開発中です。

実現に向けて諦めず歩みを進める

はるか昔の若い頃、せっかく製薬会社に入社したのだから、製品(薬)を一つでも出したい!と面接で言ったことがありました。それから30年以上を経てもまだ実現できていませんが、何らかの形で少しでも患者さんのためになるものを創り出すことに貢献したいです。

2021-10-11T17:11:31+09:002021/10/11|

患者を想い、中立な立場で

毒性学の重要性に気づき社会貢献を

医薬品の候補となる薬剤について、非臨床開発段階における薬剤の安全性を評価しています。薬剤安全性の評価は毒性学の幅広い知識力、科学的根拠に基づいた診断力の両方が必要であり、解剖学、生理学、薬理学、生化学、病理学など、あらゆる学問体系を駆使して、毒性機序を考えなくてはなりません。

毒性学に興味をもつようになったのは、大学5年生の時に受けた毒性学の授業がきっかけです。ある化合物が人体にとって薬になるのか毒になるのか、それは投与量で決まり、どこまで服用していいのかを明確にするためにも毒性を評価しておかなければなりません。

適正量を判定する仕組みや毒性のメカニズムを学んでいくうちに毒性学の魅力に引き込まれ、学んだことを活かし社会貢献できる職種に就きたいと思い、研究者として武田薬品工業へ入社しました。薬剤の副作用を事前に予測するシステムを実現するのはなかなか難しいと思いますが、将来的には動物実験がほとんど不要となり、AIを駆使したシステムによる毒性評価ができるといいなと考えています。

襟を正し毒性と向き合う

安全性評価の中でも「開発キラー」と呼ばれている毒性プロファイルの一つに、薬剤性の致死性不整脈が挙げられます。10年くらい前とある催不整脈モデル構築実験中に、モデル動物において致死性不整脈が実際に再現されるのを初めて目の当たりにしました。教科書などで学んだ机上の知識はありましたが、「百聞は一見に如かず」とは正にこのことです。自分にとっては知識としてのみ存在していた毒性事象が実際に目の前で発生し、驚いたと同時に「毒性を評価するとはこういうことか」と改めてその重要性に気づき、それ以来より気を引き締めて実験に携わっています。

思いのほか続いている朝の習慣

コロナ禍になり毎朝6時半からラジオをリアルタイムで聞きながら、10分間ラジオ体操をしています。ぎっくり腰予防も兼ねて、土日も欠かさず真剣に体を動かしています。あまり続くタイプではないと思っていたのですが、アーカイブ動画を見ながらではなく決まった時間にリアルタイムでしているからか習慣化され続いているのと、その甲斐あってか前屈して手が届くようになり柔軟性がよくなる効果が出ているようで勝手に自己満足しています!

あと、実はうどん屋をしてみたい!という夢があるほどうどんが好きで、うどん県・香川にうどん巡りに行っていました。これまで40-50件は訪ねていますが、お店それぞれの味があり飽きることはないです。好みのお店は毎回訪問リスト入り!また行ける日を今は楽しみにしています。

クライアントと共に上市を目指して

薬剤の安全性評価は中立性が求められる、と常々思っています。新たな毒性が見つかり、薬効用量との安全域が確保できない場合においても、クライアントに対してそのリスクをきちんと説明しなくてはなりません。その化合物の開発が困難となっても、逆にその薬剤が臨床試験に使用されず、また上市されないことによって薬害が発生せず、人々の健康を担保することにつながります。そのような業務に関われることに誇りをもっています。パートナーとしてクライアントの皆さまと共に、安全域が担保され、有望な薬剤の上市を目指したいです。

2021-09-07T11:38:06+09:002021/09/03|

創薬の種をクライアントと共に育み届ける

何気なく始めた研究職が天職に

統合トランスレーショナルグループで循環(心臓・血管)/代謝(糖尿・肥満)領域の薬理を担当しています。もともと大学時代に生理学で学んだ身体の仕組みや様々な調節機構がとても面白くて、それが薬で変化する薬理学も好きでした。しかし、就職を決めた時は創薬研究者になるぞ!という熱い思いからではなく、まずは製薬会社で働いてみてから続けるか考えよう、というスタートでした。ですが、目の前の実験や課題をこなしているうちに1年が経ち、3年が経ち、10年が経ち・・・今に至ります。病気や薬のメカニズムは知れば知るほど興味深く、データを見て考察するのが好きなので私には創薬研究者が天職だったようです。

新たな領域にチャレンジ!

担当している循環(心臓 ・血管)/代謝(糖尿・肥満)領域はともに治療満足度や治療に対する薬剤貢献度が高く、市場ニーズは充足しつつあるので、大動物薬理試験や腎臓へグループのケイパビリティを拡大しています。その中でクライアントへ最適な病態モデルや評価系を提案が出来るよう、ニーズや課題を伺いつつ社内検討しています。お客様のご希望や悩みをお聞きしながらそれを解決する手立てを考えることはAxceleadに来て初めて経験することなので大変さはありますが、それがピタリとはまり想像を超え良い結果になった時、そこからさらに次の打ち手を考えるのが楽しいですし、考察したことが実を結びクライアントから喜びの声を頂くときは励みになりますしとても嬉しいです。また、新しくチャレンジしている腎臓の構造や調節機構が複雑で難解なので、高い山に挑んでいる感があって燃えます。

自然の神秘に触れる

読書と旅行が昔からの二大趣味ですが、後者は新型コロナの影響でお預け中です。国内旅行はテレビやネットで見かけて気になったらふらっと行って観光したり、その土地の食事を楽しんだりしていました。直近の海外旅行で印象に残っているのはカナダで見たオーロラです。3日間観に行ったうち、1,2日目は奇麗だったのですが「こんな感じなんだ、、、」とイメージしていたのとは違っていて、やや期待外れでしたが、3日目はあのカーテンのようなテレビなどで見ている風景が目の前に現れて神秘的で感動しました!併せて紅葉も見られるので、9月はお勧めの時期です。早くコロナ禍が明けて、長年行きたいと思っているエジプトと、学生時代に過ごした北海道に行くのを心待ちにしています。

創薬の種を育み必要な方へ届けるサポートを

製薬会社で創薬を行っていた際は、自分がリードしたプロジェクトは残念ながら臨床までたどり着くことが出来ませんでした。創薬ソリューションプロバイダーという立場になったことで多くの創薬の種と関わる機会が増え、その中から一つでも多くの化合物が臨床に進み、患者さんの元に届くようサポート出来たらと思っています。また、前職では経験のなかった稀少疾患のプロジェクトに関わるケースもあり、世の中には未だに治療法の無い多くの病気があり、苦しんでいる患者さんがいるということをより考えるようになりました。これまでは関わることが出来なかった疾患に携わることが出来るのはとても得難い経験であり、少しでも役に立てたらと思っています。

2021-07-30T17:52:40+09:002021/07/30|

これまでの自分の枠を超えたら拓けた世界

子供のころのプレゼントから研究者へ

プラットフォームラボのFrontier Technologyで遺伝子改変動物の作出を担当しています。遺伝子改変動物は、遺伝子改変ベクターの作製、受精卵やES細胞へのベクターの導入、生体取得という流れで作製され、病態の発症が確認できるまでに半年から1年以上かかります。それだけかけて作出した実験動物が目的の表現型だったときは、達成感があります。また、PCRやES細胞、CRISPRなどのようなノーベル賞ものの実験を自分の手で実施できるというのも面白さの一つです。

そもそも、研究者になることに興味をもったのは、子供のころプレゼントしてもらった顕微鏡で植物や昆虫を見たりするのが楽しかったこと、仮面ライダーの強さに憧れ、仮面ライダーを作りたいと思ったことがきっかけかなと思います。いろいろな仮面ライダー、怪人が現れるのですが、それらを作っているのは天才科学者だという設定に、幼いながら自分でも作ってみたい!と思ったからです。

大学では所属していた研究室で抗体の研究をしていたため、製薬企業に就職した先輩方と話をする機会が多くありました。流れに乗ったと言えばそれまでですが、先輩方が仕事の話をしている姿がなんかキラキラして見えてかっこよかった印象があり、そんな環境で働きたいなと思って創薬研究者を志しました。

逃げたいくらいの不安とプレッシャーから得たこと

ある遺伝子改変マウスでの研究成果を論文化した経験で、世界観が大きく変わりました。
マウスを作出後、解析を担当するチームへ渡そうとしたところ、異動などでリソースが不足しており、門外漢の自分が担当することになりました。初めてのことで右も左も分からなかったので逃げたいくらいの不安とプレッシャーで頭も心もいっぱいでした。

これは自分一人の手には負えないと考え、本来の業務では関わりのなかった部署の方にサポートいただくことになりました。自分でも調べながら解析を進めると、発表したくなるくらい良い結果が出て「論文にしよう!」という話になり、社内の方に紹介いただいたアカデミアの先生のご協力を得て、更なる知見を加えて無事に論文にすることができました。自分の作出したマウスについて論文化できたことも嬉しかったのですが、今では複数の企業様、大学様にそのマウスを使用していただけていることが、本当に嬉しいです!!

仕事の上で誰かに助けを求めるということをそれまではあまりしてきませんでしたが、手を伸ばせば助けてくれる人がたくさんいるということに気づくことができました。

その経験以降、構想段階からできるだけ多くの人を巻き込むようになりました。そうすると当初想定していたより大きな結果になることを実感し、精神面でも成長でき世界観も大きく変わりました。 チームで一つのことに向かって取り組めたときは好きな研究もより楽しいですし、結果が出ても出なくても、協力関係、信頼関係を築けたと感じられる瞬間は本当に嬉しいです。

旅を地酒とともに味わう

ユーチューブの動画を見ながら筋トレするのに最近まではまっていましたが、やり過ぎかやり方が悪かったのか腰を痛めたので、現在療養中です。地酒巡りするほど日本酒が好きで、以前は京都・奈良・高知・神戸などの酒蔵にも出かけていました。旅行に行けるようになったらまた行きたいです。

創薬への貢献に向けて

自分の周囲やテレビ、インターネットから病気で苦しんでいる患者さんの声を聴くと、自分の作ったモデル動物がちゃんと評価に値するものだったら、この病気に効く薬を創れたのでは?とモヤモヤすることがあります。創薬に貢献できるモデルを作って世の中の役に立てたらと思っています。

2021-06-07T14:02:03+09:002021/06/04|

世界で初めての”小さな”発見を大きな流れへ

「分かりやすさ」に魅せられて

Protein Scienceのグループに所属し、創薬ターゲットに対する化合物の相互作用メカニズムを明らかにする業務に携わっています。日本ロシュ、中外製薬、武田薬品工業を経て、Axcelead Drug Discovery Partners に転籍しましたが、一貫してX線結晶構造解析に携わり、化合物の結合部位を特定し、いかにして化合物が作用しているかを可視化してきました。最近は、Biophysics技術(表面プラズモン共鳴や等温滴定カロリメトリー)を用いた相互作用解析を行い、スクリーニングにより得られた化合物の検証にも携わっています。

研究者を志し、どの会社でも変わらずにX結晶構造解析を行っているのは、その「分かりやすさ」に魅力を感じたからです。タンパク質分子は条件が整えば結晶化し、構造解析が可能となり、例えば、薬剤のターゲット分子に対する相互作用様式や、ウイルスに対する中和抗体の結合部位を特定することができます。それが、引いては論理的な化合物設計や薬効の解明に繋がることもあります。当初は純粋に生命の神秘を解明していきたいと思っていましたが、自分の続けている研究が誰かの創薬研究の一助となり、結果的に社会へ貢献できればと考え今に至っています。外資企業から内資企業まで研究環境は大きな波にもまれてきましたが、細かいことには一喜一憂せずに、自分の探求心を大切にしています。

世界で初めての“小さな”発見

前職の時代に同僚が、KRASという癌に重要なかかわりを持つタンパク質に結合する化合物を見出しました。その化合物の作用メカニズムを解析したいという提案がありX線結晶構造解析を行ったところ、化合物の作用部位を特定することができ、作用機序の解明に繋がりました!ニュースになるような歴史を変える発見ではないですが、このような小さな発見が、創薬研究に役立てば良いなと思っていますし、今後もこのような発見を日々コツコツと積み上げていきたいです。

身近な変化を楽しむ

海外旅行が好きで海外に住んでいるときは週末に近隣の国へ旅行していました。今はパンデミックのため遠出を避けているので、近所の湘南を家族でウォーキングしています。咲いている花々を見て四季の変化を感じたり、例えばバラ一つとってもいろんな種類があるんだなと、身近にある変化を楽しんだりしています。COVID-19の問題が収束したら、国内の神社仏閣巡りや海外の遺跡巡りにも行きたいと思っています。

知見を提供して、創薬研究の加速化に貢献を

最近は、クライオ電子顕微鏡による構造解析にも取り組み始めました。サイエンスの日進月歩をフォローして研究の幅を広げ、薬効などの作用メカニズムを科学的に明らかにしたいと考えています。どのようにすれば活性が向上するのか、なぜ耐性が出るのか、それをどのように克服するのか、などの知見を提供することで、クライアントの皆さまの創薬研究の加速化に貢献していきたいと考えています。

2021-07-27T15:07:44+09:002021/05/25|

いま見えていないだけ、必ず答えはそこにある。

上手くいかない、、、そんな時まずは自分を疑ってみる

武田薬品工業へ入社後、14Cラベル体を用いた薬物動態試験での代謝物の構造解析、臨床Bioanalysis(生体試料中の薬物濃度測定)関連業務に携わると共に、ヒトマスバランス試験での代謝物分析などにも対応し、医薬品承認申請時の申請資料作成や適合性書面調査対応などの業務に従事していました。2017年にAxceleadへ転籍しBioanalysis、代謝物の構造解析等担当しています。

そもそも創薬に興味を持ったのは“薬ひとつで多くの命を救えることもある”そのような事例に触れて貢献したいと思ったこと、また、実験や化学が楽しかったので薬学の道へ進みました。実験が楽しいと感じるのは「そこにある真実が見えるからであり、必ず答えはそこにあるからです。」まだ見えていないものを見つけていく、自然科学はここが楽しいと感じています。

実験が上手くいかないときは大体自分が何か間違っていることが多い。本当に手順通りにやっているのか?思い込みで進めていないか?など初歩的なことを含めて“自分を疑い”取り組んでいます。恩師となる先生からの「おかしいときは大体自分がおかしい」という言葉を思い出し、経験的にもそのように感じていますので、何かしっくりこないときまずは自分を疑って見直すことにしています。なるほど!という答えが見えたときはやはり快感です。

異国で学んだ向き合う姿勢

欧州でのヒトマスバランス試験の代謝物分析に関してトラブル対応で訪問したベルギーの委託先CROで、フランス語圏のベルギー人と日本人がお互い母国語でない英語で議論し、お互いを非難するかの様相で緊迫した空気となり本当に胃が痛かった思い出があります。半年くらいテレビ電話で会議していましたがテレビ電話といっても今のような技術もなかったこともあり、なかなか言葉では通じにくいことも多々あって、プロジェクトが思うように進んでいませんでした。そこで先方からの要望もありベルギーへ。

何としてもデータを取得する必要があったため、器具が足りないなどの事態を避けるために日本からガラスの遠沈管、LCカラム、ピペットなど必要な器具を一切合切スーツケースに入れて持ち込みました。緊迫した状況の中、それらを取り出していた正にその時、その様子を見ていた先方のトップの目の色がガラッと変わって協力的になり、一緒に実験室まで入って必要な追加の器具探しまでしてくれました。前向きに進めるためのこちらの本気度を理解してくれたのだと感じました、その瞬間は今でも忘れられません。言葉が上手く通じなくても何かを真剣に訴えかければ相手に伝わるもの、という経験をしました。それ以来、真剣に向き合えば何とかなる、通じる、とある意味開き直って落ちついて取り組めるようになりました。

それぞれの特徴を楽しむ

ベルギーに行ったあたりからクラフトビールにハマり飲むようになりました。アメリカに行った時も意外と各地にいろんなビールがあって、それぞれ味に特徴があり面白く楽しんでいました。今はコロナ禍であまり行けませんが湘南や横浜あたりのクラフトビールを出しているお店に行ってみたり、横浜のベルギービールのイベントやオクトーバーフェストがあれば出向いてみたりしました。個人的にはホップが効いていて苦みと香りがあるIPAが好みです。 ※IPA:India Pale Ale

これまでの英知を活かし薬の発展へ

ガイドラインには、これまでの人類の英知が結集していると言っても過言ではないと思っています。NDAに向け、どのようにそのガイドラインを利用し、助けてもらうか。一方では、基本はやはりサイエンスであり、サイエンスを積み重ねてガイドラインと上手く組み合わせて対応していくこと、と考えています。当然わたし一人でなしえないことなのでAxceleadのネットワークなども活かし‘創薬’に取り組んで行きます。

2021-04-22T09:12:57+09:002021/04/20|

信頼されるブランドであり続けるために

創薬研究の“信頼性”を支えるQA業務

新卒で入社した武田薬品工業では、入社当初よりIND・NDAに向けた薬物動態研究に従事し、2017年に武田薬品工業からAxcelead Drug Discovery Partnersへの転籍を機に現在の部署に異動しました。GLPや信頼性基準だけでなく、会社全体の信頼性保証(Quality assurance; QA)業務に携わっています。多種多様なお客様の創薬研究において信頼性保証の観点でサポートさせていただくことにやりがいを感じています。特に、定型的でない信頼性基準の試験のご依頼をいただいた際に、どうしたら法令で求められた基準を満たした試験を実施することができるのか、社内の研究者とディスカッションしながら理論構築した結果、最適な試験を提供することができた時は、お客様の創薬の一助となれた気がして嬉しいです。

もともと薬学部で企業研究者を目指していたのですが、薬物動態研究を選択したのは、アルバイト先の調剤薬局での経験がきっかけです。薬剤師の免許を取得し大学院に進学後、アルバイトで患者さんに飲み合わせなどの服薬指導をしていました。服薬指導で使っていた薬の作用についてのデータの多くは薬物動態分野だと知り、「創薬研究者になったら、自分が出したデータで、医師や患者さん達にこうして繋がっていくことができるんだ」というところに感動し、入社時に薬物動態を希望しました。

第三者的視点でプロフェッショナルが適切にチェック

私が薬物動態研究に従事していた頃、QA部門による調査を受けていたのですが、正直、どのようなことを行っているかはあまり知りませんでした。実際にQA部門に異動してみると、「こんなところまでチェックしてるんだ!」と驚いたほど、調査体制が整っていました。ソリューションプロバイダーとして研究不正はあってはならないため、お客様から受託した試験を対象に研究不正の監査も定期的に行っています。

最新情報やPMDAの調査のトレンドをキャッチするために業界団体が開催する研修会などに毎年参加し、必要に応じて社内の研究者とも情報共有しています。また、OECD GLPガイダンス文書が新しく発出された際にはグループ内で勉強会を開くなど、情報のアップデートを欠かしません。Axceleadでは、QA部門の社員全員が元研究者として現場を知っているからこそ、机上の空論にならずに実務に落とし込むことができていると感じています。

信頼性保証を重厚にすれば、お客様からするとより安心ではあるかもしれません。一方で、重厚にすればするほど試験の納期に影響が出てしまい、お客様の創薬タイムラインに響いてしまう可能性があります。Axceleadでは、over qualityにならないよう、社内だけでなくQAの業界団体活動を通じて、医薬品業界あるいは規制当局も巻き込んで議論しています。

古都に魅せられて

大西 明美 着物

学生時代を京都で過ごした際に着物に憧れを持ち、お給料を貯めて、社会人2年目で訪問着を誂えました。着付けも習いに行き、友人の結婚式、自身や家族の慶事など様々な場面で活躍しています。以前は、休日にカジュアルな着物を着て食事に行ったりしていました。世の中の状態が落ち着いたらまた、楽しみたいと思っています。

サポートすることで創薬に貢献する

QA部門には武田薬品でGLPを20年以上経験している先輩方もいるので、指導を受けながら日々研鑽を積んでいます。最近、QAの業界団体が行っている信頼性保証業務の専門家としての登録試験に合格しました。これからも創薬研究者として培った経験を活かし、お客様の手元に届く報告書の未来のゴールを意識しながら業務に励むことで創薬に貢献していきます。

2021-03-31T08:06:43+09:002021/03/28|

「そういうもんなんだ」それって本当?!

有機合成はまるでプラモデル

メディシナルケミストリーとパラレル合成を担当しています。薬の研究に興味を持ったきっかけは、父親が小さな島で漁師をしており赤貝の養殖の研究をしていて、小学生のころ養殖場にいやいやついて行ってたんですが(笑)薬を混ぜたりするのは楽しかったんです。それと、大学生の頃東京大学の薬学部から教授が赴任してきてその研究室に配属され薬学と出会い「有機合成はまるで部品を組み立てて作り上げるプラモデルみたいだな」と興味を持ちました。有機化学者を目指した理由も、分子を自分で自由自在にデザイン・合成できることが楽しかったからです。

ここ2年は古巣の武田薬品以外にも様々な企業やアカデミアの方とプロジェクトでの関わりが増え、とにかく学ばされることが多いです。多様な文化に触れることで選択肢も増え視野もより広がりこの歳になって仕事を通じてまだ学べる、成長できるという事はこれほど幸せなことはありません。

僕らが思っている常識は常識ではないかもしれない

「知りたい!」という想いが強く「それはそういうもんなんだ」と言われると、それって本当?!と疑問を抱きます。なぜなら、僕らが思っている常識は常識ではないかもしれないからです。最前線で創薬研究をしているからこそ、既存の理論がいつ覆されるか分からないから自分でやってみて答えを出してそれを原理原則に落とし込めた時よろこび感じます。

生きる土台となっている野球から得た学び

プロ野球選手になるのが夢だったくらい野球が好きで、今もキャッチボールを会社のお昼休みにしています。そして、お声をかけていただき昨年8月から大船で少年野球のコーチとして5年ぶりに指導者復帰しました。野球に育ててもらった感覚があって、コーチを引き受けたのも野球に恩返したいと思ったからです。小さな島で育ちその中では野球が上手かったから、中学生までは「俺が!」という気持ちが強かったんです。ですが高校から島を出てみると、かなわないほど上手い人ばかりで愕然としました。そこから心を入れ替えて監督と選手の潤滑油となるマネージャーをすることで「チームで勝つにはどうしたらいいのか?」を意識して取り組んできました。

武田薬品に入社してからの創薬研究で仕事を任せられ始めると合成だけでなく、薬理、動態、毒性などいろんな専門性の方々とプロジェクトを正に「one team」で進める中で解決策を一緒に探ったり、相乗効果が働き同じ方向を向くことを経験しました。僕の行動の根底はやはり野球にあって、チームで仕事を進める、その中で自分が貢献できることを精いっぱいやれるということで、この仕事が病み付きになりました。

「薬を創る」につながるを信じて。

なぜこの化合物はこの作用を出すのか?この毒性を出すのか?じゃあこの課題をどうやってクリアできるのか?を追求していきたいです。それは「薬を創る」につながるはずです。
ニューヨークのTDIで研究した際、アカデミア発の種を「薬」に昇華させることを、製薬会社の経験からサポートする重要性、必要性を体感しました。日本のアカデミアやバイオベンチャーがもつ種を、日本の研究者と「薬」に仕上げたい。Axceleadはそれを具現化できる組織だと信じています。
※TDI:Tri-I Therapeutics Discovery Institute

2021-03-31T05:05:23+09:002021/03/15|

「楽しい、面白い」はこれまでの自分の枠を越えるカギ

課題を解決してこそ答えがある

現在は、プラットフォームラボであるFrontier Technologyのオミックスチームで、LC/MS(液体クロマトグラフィー質量分析計)を用いた代謝物変動解析をしています。科学の道に進むことを志したきっかけは、中学生くらいの時とあるドラマを見て「病理医がかっこいい!」と思い、病理検査に従事する臨床検査技師を目指ざすようになったことと高校時代の生物の先生が面白い先生で。「問題を解いて答えがある」数学や生物がもともと好きだったこともあり、その先生のおかげでより生物が好きになっていきました。ただ、病理検査に携わることを目指していましたが顕微鏡をずっと覗いてるのは私の性に合っていなかったみたいで「自分には向いてないな」と感じていたとき、学校の先生に「生化学の方が向いてるんじゃない?」と言われて「確かに、生化学の方が好きだな」と感じたのに加え、判断基準がはっきりしていて「問題を解いて答えがある」のが好きな私には「こちらの方があってるかも」と思い、今の分析する仕事に至っています。

未知なる可能性へ

入社2年目の頃、初めてLC/MSに触れて私の理解の範囲を超えていて感動しました!サンプル量が少なくても測定できること。例えば、少ない採血量で患者さんにも負担が少なく測定することができるため、大きな可能性を感じました。触れる前は、名前は聞いたことがあるという程度で、どんな装置なのかあまりにもわからないことが多すぎました。ただ、LC/MSに可能性を感じたこともあり、どうしても使いこなせるようになりたくて、死に物狂いで調べまくりました!
とりあえずいろいろやってみよう!と思うようになったのは、この頃からだったのかもしれません。LC/MSという装置は、汚れが溜まると分析結果に影響が出てしまいます。「もっと知りたい!」と思いが湧いてきたことも加わり、今では自ら装置のメンテナンスをするようになりました!分解して洗浄することで「ここを洗えばこうなる」ということまで知ることができて面白いです。難事件を解決していく過程が面白くて小さいころから名探偵コナンが好きでした。探偵になりたいと思ったこともありましたがいまはこの仕事を通して解決していく過程を楽しんでいます。

性格を変えてくれたボードゲームとの出会い

プライベートでは、「カタンの開拓者」というボードゲームをよくやっています。もともとリアル脱出ゲームが好きで各地で開催されるゲームに参加していました。ある日、ゲームに参加されていた方と仲良くなり、「社会性身に付くからどう?」と誘われたのがきっかけです。
実際にやってみたら、どう交渉したら相手は動いてくれるんだろう?とか、同じボードゲームでもプレイする人が変わると全く違った展開になったりとその面白さにハマりました。「面白いからもっとやりたい!」「身近で一緒に出来る人が欲しい!」と思って社内で広めた結果、社長と一緒に遊んだこともあります!以前は、人見知りで恥ずかしがり屋だったので自分から何かに誰かを誘うことは滅多になかったんですがそんな自分を変えてくれた出会いとなりました。

心に響いた言葉を信じて

学生時代に「どんな名医がいても、生涯で助けられる人の数はそんなに多くないけれど、優秀な薬があればより多くの人を助けられる」という言葉聞いて以来、それを信じてここまでやってきました。今でもどんな形でもいいから創薬に携わりたいと考えています。

2022-03-22T15:11:11+09:002021/01/27|

「自然はウソをつかない」語り掛ければ答えは返ってくる

多種多様な考え方と経験を掛け合わせ創薬と向き合う

現在は、統合生物・免疫疾患領域チームのリーダーとして、チームマネージメントの他、炎症・免疫疾患に関連する受託案件において試験遂行の管理や、薬理に関するコンサルテーション、創薬機能を跨る統合型創薬支援サービスにおける薬理部門のリーダー等を担当しています。大手製薬会社からアカデミア・ベンチャーなど、様々なクライアントが持つ多種多様な考え方や文化に触れ、新たなことを学び挑戦できることに面白さを感じています。自身の経験や考えを基に提案したアイデア、ソリューション案がクライアントに受け入れられ、試験を遂行できた時、また、その試験で良い結果が得られれば、更に嬉しく、楽しいです。

誰も知らないことを明らかにしていく面白さ

大学4年生の時、希望して入った研究室の教授に言われた「自然はウソをつかない」という言葉に衝撃をうけました!それまで考えたことがなかったことでしたし、その言葉を今でも大切にしています。自然はこちらから何かを問いかけるとアクションが必ず返ってきます。期待しない返事が返ってくるときは、違う問いかけをしてしまっているか、自身が立てた仮説が間違っているかです。いつも期待した答えが返ってくるわけではありませんが、やればやるだけ答えが返ってきます。新しい答えがわかると嬉しいですし、誰も知らないことを明らかにしていく面白さがあって研究にのめり込んでいきました。これが研究の楽しさだと感じています。

続けるヒケツは環境づくりから

プライベートでは、ランニングを10年ほど続けています。当時、私の周りで走り始めた方が数人いて、みんなで大会に出よう!ということになったのがきっかけです。その頃の仲間はみんなやめてしまったのと(笑)、生活の環境が変わってしばらく一人で走っていましたが、何だか寂しくなってしまい、ネットでランニングチームを見つけました。
現在は週1回、そのランニングチームでトレーニングに励んでいます。また、チームのメンバーは幅広い年齢層で、ほぼ全員が異業種で働く方々であり、走ること以外でもいい刺激になっています。

困難だからこそクライアントと共に叶えたい夢

製薬会社で研究者として働いていて、創薬の初期段階から携わった開発化合物が上市されるという幸運に辿りつけることは極まれであると言われながらも、新薬の創出を夢見て長年取り組んできました。Axceleadでは、多くのクライアントの皆様の創薬に関われることから、そのチャンスは格段に増えると思っています。引き続き、私とクライアントの共通の夢の実現、「革新的な新薬の創出」に向けて、日々業務に邁進していきます。

2021-03-31T08:17:28+09:002021/01/15|

迷ったときこそ、困難な方へ

教科書に載るような写真を撮りたい!

2017年に武田薬品工業からAxcelead Drug Discovery Partnersへ転籍し血液検査や標本作製(免疫染色や画像解析なども)、そして病理組織検査を行うチームをリードしています。それぞれの技術を目当てに異なるお客様からご依頼を受けることもありますが、薬効試験や毒性試験といった場面ではひとつのチームであることを活かし、これらの技術を総合して動物の状態により深く迫れる(病態を理解する)ことに面白さを感じます。
そもそも、標本作製技術や顕微鏡観察技術に興味を持ったのは「教科書に載るような写真を撮りたい!」「模式図やイラストなど想像で描くのではなく、自分の目で見たことを載せたい!」と思ったからです。ですので、顕微鏡や染色方法など、組織を可視化するためのツールを使いこなせるようになりたくて、大学では専門の教授の元で学び、生物現象を可視化する方法を探求しました。

創薬に携わる自分の役割、取り組む姿勢の原点

社会人になって2年目のある日、今と同じように組織染色の仕事をしていたことがありました。薬の投与によってある神経細胞が活性化していることを示唆するきれいな写真が撮れ、定性的な結果として上司に報告したところ。「え、それで終わり?それじゃあ、Go/No-Goの判断できないじゃない。」と言われました。私は、組織染色に定量性を持たせることは不可能、無意味と考えていたため、そこで思考が停止していました。しかし、上司の一言で、会社の仕事とはそういうことかと気づかされ、すぐに、数十枚の画像について活性化している細胞の数をひたすら手動でカウントし続け、グラフに起こし、統計解析を行ったところ有意な変化として捉えることができました。その日は、ちょうど会社のレクリエーションがあり、外の庭でBBQが行われ、私も楽しみにしていたのですが、参加出来ずカウントは夜まで続きました。上司はBBQに参加はしたものの早々に引き上げて、居室に戻ってデスクワークを続け、深夜近かったのですが、私の報告が上がるまで静かに待っていてくれました。結果を報告すると、「よくやったね。ここまでやるのが会社の仕事。」と笑顔で言葉をかけてくれました。その日を境に、“染めるだけでは終わらない”、といった今の仕事への姿勢につながっています。

困難な方を選択したからこそ

武田薬品からAxceleadに転籍したことで、試験を委託する側から受託する側へ。一研究員として自身の研究・役割を遂行する立場から、チームをリードする立場へ。仕事内容も薬の種を作る仕事から、創薬研究の後期のフェーズである安全性へとガラッと変わりました。正直、お話をいただいた時は悩みました。責任も大きくなりますし、今までやったことのない仕事でしたから。ですが、これまでと同じ環境よりも困難に思える方を選択したのは、「迷ったときは困難な方を選択しよう!」と大切な人に言われたことがあって、以来、人生で何か悩んだ時や迷った時こそ困難な方を選択することを大切にしています。
結果、様々な価値観の方と出会うことが増えたことで、視野が広がり「これはこういうもの」という先入観が減り、以前と比べると柔軟性が高くなったように思いますし、その違いが面白いなと感じています。

立場が変わり見えたことを活かして

委託していた立場だったからこそお客様の気持ちを理解できることもあると思っています。しかし、お客様の気持ちにちゃんと寄り添えているか?といわれると正直、至らない点もあるかと思いますが、創薬に熱い想いを持った方に技術とアイデアで新たな視点を提供し、全力を尽くしてサポートさせていただきます。

2022-03-22T15:26:37+09:002020/12/28|

答えのない問題に対して、答えを創りだす面白さ

きっかけは些細な疑問から

「病気はストレス、食事、運動不足など生活習慣の蓄積によって起こる。」と言われていますよね?ですから、常日頃から何を食べ、何を食べないかを選択することが予防医学の観点から重要と考えていたので、学生時代は研究テーマとして栄養生化学を選択しました。一方で、キノコやフグの「毒」で亡くなられるニュースをみて、「どうして、そんなことが起こるんだろう?」と思ったことがきっかけで、毒性学にも興味を持ったんです。就職する際、食品会社か製薬会社かで悩みましたが、最初にお声がけ頂いた武田薬品に入社を決めました。その後、武田薬品薬剤安全性研究所で新薬の安全性評価を中心に約30年間研究してきました。

答えのない課題を解決してきた経験が自信に

幸運にも十数もの新薬創出に関与することができました。グローバル毒性担当責任者として、新薬開発の全行程(化合物選別のスクリーニングから承認申請まで)を担当した化合物が2品目あります。いずれも武田薬品の最重要課題で、first in classの画期的な新薬でした。1品目を上市するまでに十年以上かかります。その間に毒性が問題となり、候補化合物を開発中止するかどうかの判断を迫られることが複数回ありました。いずれの毒性問題も教科書に答えが記載されている訳でもなく、文献検索しても回答が得られませんでした。考え抜いた上で実験計画を立て、自らが実験をしてデータを創り、ヒトへの安全性を証明する必要がありました。その過程では、全世界にいるエキスパートや規制当局(PMDA、FDA、EMA等)とも十分な議論が必要になってきます。しかし、それらの答えのなかった問題を解決し、新薬が上市された時の喜びは何事にも代え難いものです。これらの経験が、コンサルティングをする上でも自信となっています。

薬の偉大さを実感したからこそ

画期的な新薬により、病気であったひとの日常が一変することをこれまで何度も見てきました。例えば、寝たきりであったひと、歩けなかったひと、頻回の下痢でトイレから出てこれなかったひと、腹痛で夜寝られなかったひとが、あるお薬で発病前の日常生活に戻れます。「この新薬のおかげです」と臨床の先生や患者様本人から言われたことがあり、薬の偉大さを実感しました。これからも、クライアントとともに画期的な新薬創生に貢献していきたいと思います。

魂が震えるほどの出会い

海外旅行が趣味で、目的のひとつは“かっこいいな”と思う人に会ってエネルギーを高めることです。本物の人物を求めて、長い方だと40年くらい継続して講演を聴きに行っています。また、チャレンジしている方から話を聴いて活力にしています。あと、絵を観ることも好きで、ある絵画を観たときその前から動けなくなるほど魂が震えたことがありました。こんなことは初めてで自分でもびっくりしました。実際と写真とでは絵から発信されるメッセージが全く違うんですよね!その感覚になりたくて実は毎年のように観に行ってるんですよ。どんな絵画か?というとロンドンのナショナルギャラリーにある『レディ・ジェーン・グレイの処刑』という絵画です。家にはポスターを飾っています。仕事もプライベートも魂が喜んでいるか?どうかを基準に楽しく過ごすことを大切にしています。

2022-03-22T15:15:28+09:002020/12/16|

大学の研究室からのキャリアチェンジ!
見えた世界・見たい世界

不安を抱えつつも可能性へダイブ!

今は統合トランスレーショナル研究 Frontier TechnologyシニアダイレクターとしてプラットフォームラボであるFrontier Technologyをリードしていますが、10年間、大学で研究をした後に、武田薬品工業に転職しました。企業へキャリアチェンジしようと思ったきっかけは、研究に没頭するだけではなく、より社会の役に立ちたい!自分の可能性を試したい!と思ったからです。でも、大学の研究室というある種特殊な世界でしか過ごしたことがなかったので、製薬企業での研究はどうなんだろう?外からみた武田薬品工業の印象はサイエンスのレベルが高そうでしたし、これまでやってきた研究や知識が通用するのか?ちゃんとやっていけるのかな?と正直不安でした。
実際に入社してみると、大学と企業では研究の目指す方向性が違っていました。自分の知的好奇心があるところを大学ではどんどん追及していくスタイル。製薬企業では決まった時間の中で成果を出さなければいけない。あとは、共通言語も違っていて、キャリアチェンジした時には周りの方に手伝っていただいて、独特な社内略語の一覧表をつくり覚えていました(笑)。慣れるまで半年~1年くらいかかりましたね。

チームで結果を出す楽しさ、多様性がもたらす化学変化

大学の研究室で働いていた時は、私が計画した研究を3人くらいのチームで行っていましたが、製薬企業では大きなプロジェクトになると、関わる研究者が100人くらいいて、「こんなに大きな仕事ができるんだ!」とダイナミックさに感動しました。大学の研究室だと関わる人が限られていましたが、企業にはいろいろな感性をもった方が大勢いて刺激的でした。バックグランドが異なる合成研究者と生物研究者がいる混合チームをリードしていた時に、多様性を力に変えて短期間で結果を出す楽しさと、専門の異なるメンバーで一つのことを成し遂げたよろこびを感じました。

「良い習慣は才能を越える」まず、やってみる。

もとから「まず、やってみよう!」というタイプではなかったのですが、大学からキャリアチェンジしたことで環境が変わっていろいろな感性に触れたり、ポジションが変わったことで求められるものが広がった結果、以前は書店で素通りするくらい手に取ることがなかったビジネス書を読んでいくことで考え方や感覚が変わってきたように思います。
 
特に変わったなと感じるのは会議での姿勢です。以前は会議で発言するのが苦手で、目立たないところに座って「話を振られませんように!」と思って過ごしていました。ある時から「最低1つは質問して会議に貢献しよう!」と決め、会議に積極的に参加するようにしてから、変わっていったと思います。質問するのも最初は勇気がいりましたが、自分を変えようと思って意識して習慣化することで、いつの間にか当たり前になりました。

プライベートではお酒と旅行が好きでしたが コロナ禍で外食や旅行が難しくなり、自宅で過ごす時間が増えたので、料理を始めてみました。ちょうどパンを焼く機械があったのでピザを生地から作ることに挑戦してみたのですが、ゼロから何かを作るという面白さにはまってしまい、今では得意料理のひとつです。仕事でもプライベートでも、「まず、やってみる!」ということを大切にしています。

ひとりひとりが楽しく

アカデミア、製薬企業、ソリューションプロバイダーとキャリアチェンジを重ねてきた私ですが、一貫して「創薬」に関わり続けてきました。病で苦しむ方に薬を届けたいという想いが原点にあったからです。それは父が医師であり幼いころから研究に触れていたからかもしれません。これまでに身に着けた自分の知識や経験を創薬研究に捧げることで、より多くの人々の健康に貢献したいと考えています。また、「画期的な医薬品の創出に貢献する」というミッションの元で働いているAxceleadのひとりひとりが笑って楽しく働ける環境であるように努めることも、私の使命だと考えています。
 

2024-09-03T17:06:54+09:002020/12/09|
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