当社とルクサナバイオテクとの共同研究成果が「Nucleic Acid Therapeutics」に掲載されました

Hepatotoxicity Reduction Profiles of Antisense Oligonucleotides Containing Amido-Bridged Nucleic Acid and 2′-O,4′-C-Spirocyclopropylene Bridged Nucleic Acid

Published Date : March 26, 2025
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論文の概要:
アミド架橋核酸(AmNA)と2′-O,4′-C-スピロシクロプロピレン架橋核酸(scpBNA)は、高い相補鎖結合親和性とヌクレアーゼ耐性を有する架橋核酸類似体です。AmNAとscpBNAは、ホスホロチオエート修飾ギャップマーによる肝毒性を克服しますが、そのメカニズムは解明されていませんでした。本研究では、AmNA、scpBNA、およびホスホジエステル(PO)結合を組み合わせたアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)が、マウス肝毒性を著しく軽減することを見出しました。LNA群とAmNA-scpBNA群では観察された肝臓の病理組織所見はAmNA-scpBNA-PO群では減弱していました。バイオインフォマティクス解析により、肝毒性の軽減にはAtp5o遺伝子およびSdhb遺伝子というミトコンドリア関連遺伝子の発現変動が関与する可能性が示唆されました。本研究によりAmNA、scpBNA、およびPO修飾が肝毒性を軽減し、ASOの潜在能力を向上させる可能性が実証されました。
本研究はルクサナバイオテク株式会社との共同研究成果になり、Axcelead DDPは肝毒性に関する病理解析およびトランスクリプトーム解析を実施しました。本研究においては、当社が保持する抗PS-ASO抗体を用いた免疫組織化学により、投与ASOの肝臓組織内分布を解析するとともに、肝組織のトランスクリプトーム解析によって遺伝子変動を特定することでASOによる肝毒性との関連を考察しました。さらに電子顕微鏡観察によって投与ASOが誘発する組織や細胞の微細構造の変化も同定しています。

【Axcelead DDPのソリューション】
Axcelead DDPでは、核酸医薬品の可視化や安全性評価に関するソリューションを提供することでお客様の核酸創薬を推進します。当社では、核酸配列デザインや送達技術および動態、薬効、安全性評価といった創薬ステージや課題に応じた核酸創薬に関する総合支援サービスを提供していますので、核酸創薬をご検討の際は、是非、当社にご相談ください。

関連情報:ルクサナバイオテク株式会社

関連サービス:
核酸の組織内分布を見る技術–in situ hybridizationや免疫組織染色を利用したソリューションー
核酸医薬品の安全性評価サービス

浅野 真也 DMPK Business Unit
修士(農学)。東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程卒業後、ベンチャー企業を経て、2017年にAxcelead Drug Discovery Partners 株式会社に入社。RNA-seqを中心にオミクスデータ解析を担当。

浅野 真也 DMPK Business Unit
修士(農学)。東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程卒業後、ベンチャー企業を経て、2017年にAxcelead Drug Discovery Partners 株式会社に入社。RNA-seqを中心にオミクスデータ解析を担当。

2025-05-12T17:14:37+09:002025/04/25|

Screening BU 尾野研究員の共著論文が「Communications Biology」に掲載されました

Protein covariation networks for elucidating ferroptosis inducer mechanisms and potential synergistic drug targets

Published Date : March 31, 2025
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論文の概要:
表現型スクリーニングで見出されたヒット化合物の作用機序解析は、新たなバイオロジーの発見、化合物の創薬研究にとって重要なステップです。様々な作用機序解析手法が開発されていますが、絶対的に成功確率が高い手法はなく、新たなアプローチ法の開発が望まれています。本論文では、薬剤により引き起こされるタンパク質の「量・質・局在」の変化を蛍光抗体染色法により捉え、その時間的同調性に基づいて共変動ネットワークとして可視化するPLOM-CON解析法(Protein Localization and Modification-based Covariation Network analysis method)を用い、細胞死機構の一つであるフェロトーシス誘導作用を有する化合物の作用機序解明に成功しました。また、得られた共変動ネットワークデータをもとに、新たな併用治療戦略を示唆することができました。
本手法が化合物の作用機序解析に有用であるとともに、併用薬研究の可能性を拡げる手法であることが示されました。

【Axcelead DDPのソリューション】
Axcelead DDPでは表現型スクリーニングサービスに加えて、Finger printingやChemical proteomicsを用いた作用機序解析のサービスを提供しています。新たな表現型スクリーニングをご検討の際、また、お持ちの化合物の作用機序が分からずにお困りの際には、是非当社にご相談ください。

関連情報:東京科学大学

尾野 晃人 Screening Business Unit
工学修士。大阪大学大学院工学研究科修了後、武田薬品工業株式会社を経て、2017年にAxcelead Drug Discovery Partners 株式会社に入社。表現型スクリーニングや作用機序解析、細胞を用いたHTS評価系の構築を担当。

2025-04-03T13:47:11+09:002025/04/01|

DMPK BU 林研究員の共著論文が、「BPB Reports」に掲載されました

Phosphorylation Dynamics and Kinase Interaction in mRNA Transcription-Associated Kinases: Autophosphorylation of CDK12 and its Modulation by CDK7 and CDK9

Published Date : October 18, 2024
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論文の概要:
タンパク質リン酸化によるシグナル伝達経路は、細胞外の刺激を細胞に伝達することにより、増殖、分化、生存等の細胞機能において重要な役割を果たしています。また、タンパク質リン酸化修飾は、癌等の疾病原因と深く関わり、CDKの異常な活性が癌細胞の増殖や生存に寄与することから、各転写CDKを標的とした癌治療法の開発も進んでいます。転写活性で不可欠な役割を果たす、RNAポリメラーゼII(Pol II)のC末端ドメイン(CTD)と、それらをリン酸化する転写関連キナーゼCDK7、CDK9、およびCDK12間の分子相互作用は、これまでに研究されてきましたが、CDK間の相互作用は十分に研究されていませんでした。本論文では、リン酸化プロテオーム解析により、CDK12リン酸化がCDK7とCDK9によって協調的に活性化されること、およびCDK12リン酸化部位とその機能に及ぼす生物学的効果について明らかにしました。CDK間の相互作用を解明することで、これらを標的とした新薬の開発に役立つことが期待されます。

【Axcelead DDPのソリューション】
リン酸化は、タンパク質の生理機能を調整する重要な翻訳後修飾です。一方で、リン酸化は、極微量でMS解析の難度が高いこと、オミクス分析で得られた多数分子解釈の難度が高いことから手軽に実施できる技術ではありません。Axcelead DDPには、最適化したリン酸化分子濃縮法を始め、キナーゼ予測や相互作用解析等を駆使して、タンパク質リン酸化解析を実施できる高度なノウハウ・経験・知識があります。これらを活用することにより、創薬研究の加速・成功率向上に欠かせないバイオマーカーについても、他のオミクス層では見つからない、独自のマーカーを見出せる可能性があります。MOA探索、POC取得等でお困りの方、本技術を活用し、創薬研究を加速させたい方は、是非、当社にご相談ください。

林 浩三  DMPK BU Omics & Bioinformatics G 所属
1990年武田薬品工業入社。天然物化学を経て、2002年に同社初のプロテオミクスプラットフォームを構築。Axcelead Drug Discovery Partners株式会社でもプロテオミクス業務を担当。

2024-11-08T10:15:10+09:002024/11/06|

Axcelead DDPで作出された慢性腎臓病モデルマウス(AXCCマウス)の解析結果が、共著論文として「American Journal of Pathology」に掲載されました

A novel deep learning approach for analyzing glomerular basement membrane lesions in a mouse model of X-linked Alport syndrome

Published Date : October, 2024
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論文の概要:
本研究により、AxceleadDDPが作製したAXCCマウス(ヒトアルポート症候群のCOL4A5遺伝子のナンセンス変異を有する)のメスが、腎糸球体における異常IV型コラーゲンのモザイク状発現パターンを示し、アルポート症候群女性患者の病態を模倣することが明らかになりました。
さらに、筑波大学・昭和大学、AxceleadDDPそれぞれで実施された評価の組み合わせにより、AIを取り入れた病理画像解析技術の有用性や、アルポート症候群の予後予測や早期治療介入に役立つ知見が示されました。

【Axcelead DDPのソリューション】
今回の研究ではAxcelead DDPで実施したHALO(indica Labs)を用いた病理画像解析が重要な結果の一つとなり、成果が生み出されました。HALOによる病理解析は、AIを取り入れた画像解析ツールに、病理専門家の知識技術を融合させることでそのデータの価値をより高めることができます。全身各臓器/組織/細胞における薬効・毒性評価やMOA解析、薬物動態研究などに活用できますのでお客様の課題についてぜひご相談下さい。

関連情報:筑波大学

小林 亮介 Pharmacology Business Unit、Integrated Pathology
獣医学博士。認定毒性病理学専門家、獣医病理学専門家、トキシコロジスト。
2019年にAxcelead Drug Discovery Partners 株式会社入社。安全性評価、薬効評価に関連する病理組織検査や、空間的トランスクリプトミクス研究を担当。病理専門家として様々な創薬研究をサポートしている。

2024-10-24T16:42:41+09:002024/10/25|

Pharmacology BU 金子研究員、DMPK BU 濱田研究員の共著論文が「Cell Transplantation」に掲載されました

Xenogenic Engraftment of Human Induced Pluripotent Stem Cell–Derived Pancreatic Islet Cells in an Immunosuppressive Diabetic Göttingen Mini-pig Model

Published Date : October, 2024
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論文の概要:
1型糖尿病の根治的な治療法として、ES細胞やiPS細胞などのヒト多能性幹細胞から作製した膵島様細胞の移植が期待されており、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)と武田薬品の共同研究プロジェクト(T-CiRA)からヒトiPS細胞由来膵島細胞(iPIC)が見出されました。
細胞製品の開発では、臨床試験への橋渡しとして、身体の大きさがヒトに近い大動物で薬効評価を行うことが望ましいと言われています。本論文では、胸腺および脾臓を摘出したミニブタに膵β細胞を破壊する薬剤のストレプトゾトシンを投与し糖尿病の病態を再現し、さらに、免疫抑制剤を投与することでヒト細胞の移植が可能な糖尿病ミニブタを作製しました。この免疫抑制糖尿病ブタモデルに移植したiPICが、移植から約1か月後も持続的に生着していることが組織学的に確認されました。また、ヒト型C-peptide(インスリン分泌の指標)が血中に分泌されていることも確認されました。本モデルは、糖尿病に対するヒト細胞を用いた細胞移植治療の開発に役立つと期待されます。
本研究においてAxcelead DDPは、in vitro試験からの免疫抑制剤の目標血中濃度設定、免疫抑制糖尿病ブタモデルの構築および細胞移植を担当・実施しました。

【Axcelead DDPのソリューション】
免疫系臓器の切除と免疫抑制剤の投与により、ヒト細胞が生着する免疫抑制状態を呈し、かつ、安定した病態を維持することが困難と言われている1型糖尿病を併せ持つブタモデルを構築できたのはAxcelead DDPの高い動物実験技術力によります。また、リンパ球を用いたin vitro試験から適切な免疫抑制剤の投与量を設定した上で動物実験を行うことができるのもAxcelead DDPの強みです。in vitro試験からin vivo試験への用量設定のブリッジングにお困りの方、あるいは大動物/小動物の病態モデルや評価系構築をご検討の方は是非Axcelead DDPにご相談ください。

関連情報:
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)
オリヅルセラピューティクス株式会社

金子まなみ Pharmacology Business Unit
1998年北海道大学獣医学部修了後、武田薬品工業株式会社にて循環器疾患、代謝疾患領域を中心に創薬研究に従事。2017年より現職。循環器領域や代謝疾患領域のMOA解析、ターゲットバリデーション、薬効薬理試験を担当。免疫抑制大動物モデルの構築とそれを用いた薬効薬理試験を担当。2018年6月に北海道大学獣医学部 獣医学博士号取得。

2024-10-24T14:46:49+09:002024/10/15|

Data Science & Informatics 浅野研究員の共著論文が「Proceedings of the National Academy of Sciences」に掲載されました

Identification and removal of unexpected proliferative off target cells emerging after iPSC derived pancreatic islet cell implantation

Published Date : April 10, 2024
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論文の概要:
 日吉秀行 主任研究員(武田薬品工業株式会社 R&Dリサーチグローバルアドバンストプラットフォーム)、豊田太郎 講師(CiRA未来生命科学開拓部門、元タケダ-CiRA共同研究プログラム(T-CiRA))らの研究グループは、iPS細胞由来の膵島細胞を多数移植した際に、予期せぬ目的外細胞が出現することを見出し、その培養方法と除去方法を見つけました。
 糖尿病に対する細胞療法として、ヒトiPS細胞やES細胞などのヒト多能性幹細胞(PSCs)から作製した膵島様細胞の移植が期待されています。PSCsから作製された膵島細胞集団には、内分泌細胞以外の細胞(目的外細胞)が混入する可能性があります。過去の研究から、目的外細胞として膵臓の内分泌組織以外の構成要素が移植後に増殖して組織構造を形成することがあると報告されています。しかし、膵臓系譜以外の増殖性の目的外細胞の混入の可能性や、その性質の解明はほとんど研究されていませんでした。
 研究グループは、iPS細胞由来の膵島様細胞を移植して長期間経過後の移植片を多数観察したところ、予期せぬ目的外細胞が出現することがあることに気づきました。この細胞は間葉系幹細胞(MSCs)と平滑筋細胞(SMCs)の特性を持つことから、増殖性MSCおよびSMC様細胞(PMSCs)と呼ぶことにしました。PMSCsは、移植前には検出されず、細胞を多数移植した場合に検出されるため、ごく少数の細胞に由来すると考えられました。そこで、PMSCsを移植せずに検出するために、PMSCsになると推定される細胞集団を増やす培養法を構築しました。この培養系を用いた解析から、PMSCsになると推定される細胞はドセタキセルという化合物で処理することで減少することを見出しました。また、ドセタキセルで処理した細胞を移植すると、細胞を移植してから長期間観察しても、PMSCsが検出されなくなりました。本研究は、移植治療のためのヒトiPS細胞由来膵島様細胞に潜在して、移植長期間過後に顕在化する可能性のある目的外細胞を事前に除去し、安全性を高めることに役立つと期待されます。
 この研究成果は2024年4月10日(米国時間)に米国科学誌「Proceedings of the National Academy of Sciences」でオンライン公開されました。
本研究においてAxcelead DDPはシングルセル遺伝子発現解析を実施しました。


関連リンク
京都大学 iPS細胞研究所

関連サービス
シングルセル遺伝子発現解析

浅野 真也 Data Science & Informatics
修士(農学)。東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程卒業後、ベンチャー企業を経て、2017年にAxcelead Drug Discovery Partners 株式会社に入社。RNA-seqを中心にオミクスデータ解析を担当。

2024-04-22T08:48:31+09:002024/04/22|

統合トランスレーショナル研究部門で執筆したオリジナル論文が「Journal of Toxicologic Pathology」に掲載されました!

Lobular distribution of enhanced expression levels of heat shock proteins using in-situ hybridization in the mouse liver treated with a single administration of CCl4

Hitoshi Kandori, Masami Aoki, Yumiko Miyamoto, Sayuri Nakamura, Ryosuke Kobayashi, Mitsuharu Matsumoto, Kotaro Yokoyama

Web版公開日: 2023年10月27日
雑誌掲載:2024年1月

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本論文に掲載した画像データは本誌1月号の表紙に採用されています
 ※日本毒性病理学会のウェブサイトへ遷移します

論文の概要:
本稿はAxceleadが保持するin situハイブリダイゼーション(ISH)と免疫組織化学(IHC)の高い技術を用い細胞ストレス応答を可視化したオリジナル論文です。CCl4を投与したマウスから6時間または1日後に肝臓を摘出し、heat shock protein(HSP)のISHを実施しました。6時間後、肝小葉中心部にHspa1a、Hspa1b、およびGrp78のmRNAシグナル増強が認められ、1日後には消失しました。CCl4を投与したマウスの小葉中心部肝細胞において細胞ストレス反応であるHSPのmRNAレベル増加が短時間で生じることをISHにより可視化した世界で初めての成果と考えられます。同時に実施したIHCの結果はISHの結果と必ずしも一致せず、細胞ストレス応答で知られる転写後遺伝子制御のメカニズムが関与しているとの考察も導くことができました。

神鳥 仁志 統合トランスレーショナル研究 Integrated Pathology 所属
東京大学農学部獣医学科卒業後、武田薬品工業を経て、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社へ参加。医学博士、獣医師、日本獣医病理学専門家協会会員、日本毒性病理学会毒性病理学専門家

青木 正美 統合トランスレーショナル研究 Integrated Pathology 所属
大阪大学医療技術短期大学部卒業後、武田薬品工業株式会社薬剤安全性研究所に入社。 
2017年にAxcelead Drug Discovery Partners株式会社に転籍。主に非臨床試験の臨床病理を担当。

神鳥 仁志 統合トランスレーショナル研究 Integrated Pathology 所属
東京大学農学部獣医学科卒業後、武田薬品工業を経て、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社へ参加。医学博士、獣医師、日本獣医病理学専門家協会会員、日本毒性病理学会毒性病理学専門家

青木 正美 統合トランスレーショナル研究 Integrated Pathology 所属
大阪大学医療技術短期大学部卒業後、武田薬品工業株式会社薬剤安全性研究所に入社。 
2017年にAxcelead Drug Discovery Partners株式会社に転籍。主に非臨床試験の臨床病理を担当。

2024-04-18T19:17:36+09:002024/01/18|

Data Science & Informatics 浅野研究員の共著論文が「Frontiers in Immunology」に掲載されました

Lineage tracing of T cell differentiation from T-iPSC by 2D feeder-free culture and 3D organoid culture

Published Date : December 15, 2023
詳細はこちらから

論文の概要:
抗原特異的T細胞を初期化したiPS細胞から誘導したT細胞 (T-iPS-T細胞)はT細胞免疫療法に有用なツールです。細胞傷害性T-iPS-T細胞の誘導はすでに確立されていますが、ヘルパーT-iPS-T細胞の誘導は依然として困難です。今回T-iPS-T細胞の経時的なシングルセル遺伝子発現解析を実施しました。ヒト胸腺組織のscRNA-seqデータセットと統合して解析した結果、T-iPS-T細胞はヒト胸腺に移行するT細胞と類似していることが示唆され、CD4+ T-iPS-T細胞の分化・生成に重要な遺伝子を見出しました。

本研究においてAxcelead DDPはシングルセル遺伝子発現解析を実施しました。


関連サービス
シングルセル遺伝子発現解析

浅野 真也 Data Science & Informatics
修士(農学)。東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程卒業後、ベンチャー企業を経て、2017年にAxcelead Drug Discovery Partners 株式会社に入社。RNA-seqを中心にオミクスデータ解析を担当。


2024-04-18T19:17:37+09:002024/01/15|

統合トランスレーショナル研究 田中研究員の共著論文が「Springer Link」に掲載されました!

The combination of brentuximab vedotin and chidamide synergistically suppresses the proliferation of T-cell lymphoma cells through the enhancement of apoptosis

Published online Date : November 3, 2023
詳細はこちらから

論文の概要:
Brentuximab vedotin (BV)はPeripheral T-cell lymphoma(PTCL)で承認されている薬剤であり、単剤あるいは併用療法においてsurvival timeの改善に寄与しています。今回、さらなるsurvival timeの改善を目指した新しい併用療法を念頭に置き、BVのパートナーとなりえる薬剤を前臨床試験にて評価しました。承認薬あるいは後期臨床開発薬から選択した併用パートナー候補薬のうち、BVとの強い併用効果を示す薬剤として、Chidamideを見出しました。BVとChidamideの併用は、細胞実験に加えて動物実験でも相乗効果を示し、トランスクリプトーム・パスウェイ等を含む種々の解析から、がん細胞においてアポトーシスを増強していることが確認されました。

Peripheral T-cell lymphoma (PTCL)
胸腺での分化・成熟を経て末梢臓器に移動したT細胞に由来する種々のリンパ系腫瘍の総称であり、月単位で進行するアグレッシブリンパ腫に分類。
Brentuximab vedotin
細胞表面マーカーCD30を標的とする抗体に微小管阻害作用を有するmonomethyl auristatin E(MMAE)が結合した薬物複合体。

関連サービス
臨床での併用戦略や併用化合物の探索・メカニズム解析など、お客様のニーズに合わせた薬剤併用解析サービスをご提供

田中 浩史 統合トランスレーショナル研究
九州大学大学院農学研究科修士課程を卒業後、武田薬品工業を経て、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社へ転籍。癌領域を中心にin vitroアッセイを担当。

2024-04-18T19:17:38+09:002023/11/27|

医薬探索研究 近藤研究員の共著論文が「Journal of Medicinal Chemistry」に掲載されました!

Discovery of a Novel Series of Potent, Selective, Orally Available, and Brain-Penetrable C1s Inhibitors for Modulation of the Complement Pathway

Publication Date:April 25, 2023
詳細はこちらから

論文の概要:
本論文は、高活性、経口投与可能、かつ脳透過性の認められた初めての選択的C1s阻害剤についての報告です。
C1sは、免疫機能において重要な役割を持つ補体系の3つの活性化経路の1つ、古典経路の因子であるセリンプロテアーゼです。補体系の異常は、免疫性神経疾患を含むさまざまな疾患の発症や進行に関与しており、C1s阻害剤は様々な補体関連疾患の治療薬となることが期待されます。
当社は、in vitro試験を担当し、C1sや選択性アッセイのタンパク質調製、系構築、スクリーニングおよび化合物の活性評価で本研究に貢献しました。

近藤 光代 医薬探索研究 Discovery Biology 所属
名古屋大学農学部卒業後、武田薬品工業を経て、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社へ参加。Cell freeアッセイ系構築、スクリーニングマネジメント、化合物評価等の業務を担当する。


2024-04-18T19:17:47+09:002023/05/17|

統合トランスレーショナル研究 安藤研究員、林研究員、医薬探索研究 土永研究員の共著論文が「Bioanalysis」に掲載されました!

Multi-laboratory evaluation of immunoaffinity LC-MS-based glucagon-like peptide-1 assay

Published online: March 24, 2023
詳細はこちらから

論文の概要:
創薬研究において、バイオマーカー研究の重要性は幅広く認知されており、その測定対象は広がり続けています。一方で、それらの測定法が満たすべき性能基準には、未設定の部分が多く残っています。このため、合理性の有る基準の設定、および、その下での研究実施の実現が、創薬研究者から求められています。この研究では、その基準の提起のために、研究例の少ない生理活性ペプチド、GLP-1をモデルにIA-LC-MS測定法を立ち上げ、弊社を含む、異なる6つの研究機関でその性能検証を行いました。その結果、本測定法は、各研究機関において、所定の性能および再現性の有る測定結果を示す事が出来ました。本研究で構築したIA-LC-MS測定法の性能基準は、普遍的に達成可能であると考えられ、今後のバイオマーカ-研究の指標となる事が期待されます。

安藤 智広 統合トランスレーショナル研究 Omics 所属 ダイレクター
東京大学大学院 薬学系研究科 博士課程終了後、武田薬品工業を経て、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社へ、設立時より参加。メタボロミクス、プロテオミクス業務を担当する。

林 浩三  統合トランスレーショナル研究 Omics 所属
1990年武田薬品工業入社。天然物化学を経て、2002年に同社初のプロテオミクスプラットフォームを構築。Axcelead Drug Discovery Partners株式会社でもプロテオミクス業務を担当。

2024-04-18T19:17:48+09:002023/04/25|

統合トランスレーショナル研究 岩知道研究員の共著論文が「Future Science」に掲載されました!

Consideration for the Validation of Clinical Laboratory Method in Non-Clinical Fields

Hirofumi Minomo1, 2, *, Yoshimi Inoue1, 3, Takako Iwachido1, 4, Hiromi Oota5,
Koji Otabe1, 6, Katsuo Kubono1, 7, Satoshi Kondo8, Daisuke Sasaki9,
Yusuke Suzuki10, Yuta Nakamura11, Hitoshi Naraoka1, 9, Masumi Higashiyama1, 12, Nozomi Fujisawa13, Kumi Honda1, 14, Tadao Matsumoto1, 15, Hideki Yasui16, Yoshiro Saito17, and Naoto Toyota1, 13

Published online: January 19, 2023
詳細はこちらから

論文の概要:
臨床検査で使用する測定システム(測定試薬,測定装置など)は、測定に関する様々な要求(真度,精度など)を満たしている事が求められ、これらの要求事項をあらかじめ確認、検証(バリデーション)し、結果の妥当性及び信頼性を保証する必要があります。しかしながら,実験動物を用いた非臨床分野の創薬研究では、臨床検査測定法バリデーションに関する指針がないため、各研究施設で独自の基準でバリデーションを実施しているのが現状です。そこで、非臨床分野での検査法バリデーションを十分なレベルで実施するために、動物実験から採取した液体試料に対する定量分析法のバリデーションについて、体系的かつ実践的なガイダンスとしてまとめました。

※臨床分野では日本臨床化学会クオリティマネジメント専門委員会から2011年に定量測定法に関するバリデーション指針が報告されています。そこで、日本臨床化学会動物臨床化学専門委員会では非臨床分野における臨床検査測定法バリデーション指針を作成するためにプロジェクトを発足し、非臨床における特有の問題点を考慮したガイダンスを作成しました。

2024-04-18T19:17:52+09:002023/02/16|

統合トランスレーショナル研究 浅野研究員の共著論文が「Stem Cell Research & Therapy」に掲載されました!

CDK8/19 inhibition plays an important role in pancreatic β-cell induction from human iPSCs

Kensuke Sakuma, Noriko Tsubooka-Yamazoe, Kiyohiro Hashimoto, Nozomu Sakai, Shinya Asano, Saori Watanabe-Matsumoto, Takeshi Watanabe, Bunnai Saito, Hirokazu Matsumoto, Hikaru Ueno, Ryo Ito & Taro Toyoda

Publish: January 5,2023
https://stemcellres.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13287-022-03220-4

論文の概要:

糖尿病の根治的な治療法として、ES細胞やiPS細胞などのヒト多能性幹細胞から作製した膵島様細胞の移植が期待されており、オリヅルセラピューティクス株式会社ではヒトiPS細胞由来膵島細胞(iPIC)の製品開発を進めています。製造工程で用いる培地成分や分化誘導因子等への暴露による最終製品への影響を最小化し、より安全性の高い細胞を作製することおよびその品質管理を行うことは、細胞移植製品開発において非常に大きな課題です。

佐久間健介主任研究員(オリヅルセラピューティクス株式会社)、および豊田太郎講師(京都大学iPS細胞研究所(CiRA)未来生命科学開拓部門、元タケダ-CiRA共同研究プログラム(T-CiRA)PI)らの研究グループは、iPIC作製過程で使用する分化誘導因子の安全性リスク評価を行いました。その結果、ES細胞やiPS 細胞から膵島様細胞集団を分化誘導する過程で世界的に広く用いられている誘導因子の1つ、ALK5 inhibitor IIに安全性リスクの異なる兆候を見出しました。そこで代替化合物への製法変更を試みたところ、これまで知られていなかったオフターゲットのサイクリン依存性キナーゼCDK8/19の阻害が膵島様細胞集団の誘導に重要な役割を果たしていることが明らかとなりました。この知見に基づいて、CDK8/19阻害剤を取り入れた独自の誘導法を確立し、より安全性の高い膵島様細胞集団を得ることに成功しました。

本研究においてAxceleadはシングルセル遺伝子発現解析・エームス試験・キナーゼプロファイリングを担当・実施しました。

関連サービス:
シングルセル遺伝子発現解析

関連サイト:
オリヅルセラピューティクス株式会社

2024-04-18T19:17:53+09:002023/01/25|

統合トランスレーショナル研究 浅野研究員の共著論文が『Scientific Reports』に掲載されました!

Characterization and reduction of non-endocrine cells accompanying islet-like endocrine cells differentiated from human iPSC

2022年4月
https://www.nature.com/articles/s41598-022-08753-5

論文の概要:

糖尿病の根治的な治療法として、ES細胞やiPS細胞などのヒト多能性幹細胞から作製した膵島様細胞の移植が期待されています。人工的に細胞を作製すると目的外の細胞が混入する可能性があります。特に大量の細胞移植が必要となる臨床応用にむけて、安全性の観点から可能な限り混入を低減することが望まれますが、混入する細胞は非常に稀な細胞集団であるため、解析が困難で不明な点が多いという課題があります。

日吉秀行 主任研究員(武田薬品工業株式会社T-CiRAディスカバリー)、佐久間健介 主任研究員(前職:武田薬品工業株式会社T-CiRAディスカバリー、現職: オリヅルセラピューティクス株式会社)、山添則子 主任研究員(前職:武田薬品工業株式会社T-CiRAディスカバリー、現職: オリヅルセラピューティクス株式会社)および豊田太郎 講師(CiRA増殖分化機構研究部門、T-CiRA、現 未来生命科学開拓部門)らの研究グループは、 ヒトiPS細胞由来の膵島様細胞の遺伝子発現を単一細胞レベルで解析することで、製造過程で混入の可能性がある目的外細胞の特徴を同定し、高感度に検出する方法を見出しました。また、目的外細胞の除去方法として、細胞増殖に関わるPLK分子の阻害や、解糖系の阻害といった新規の方法が有効であることを示しました。これらの知見は、移植治療のためのヒトiPS細胞由来膵島様細胞の大量製造において、既存の方法と組み合わせて目的外細胞を除去し、安全性を高めることに役立つと期待されます。

本研究においてAxceleadはシングルセル遺伝子発現解析を担当しました。

シングルセル遺伝子発現解析

関連情報:

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)

2024-04-18T19:18:04+09:002022/06/14|

統合トランスレーショナル研究部門 出堀・冨原主任研究員の共著論文が、『Pharmaceutical Research』に掲載されました!

Construction and Functional Evaluation of a Three-Dimensional Blood–Brain Barrier Model Equipped With Human Induced Pluripotent Stem Cell-Derived Brain Microvascular Endothelial Cells

2022年4月
https://doi.org/10.1038/s41598-021-00820-7

論文の概要:

帝京大学薬学部薬学薬学動態研究室の出口芳春 教授・手賀悠真 元助教・黒澤俊樹 助教と共同でOrgan-on-a-chip上に血液脳関門(BBB)を搭載した3次元BBB-on-a-chipを開発しました。BBBのモデル細胞であるヒトiPS細胞由来脳毛細血管内皮細胞はOrgan-on-a-chip上で血流を模倣したShear stressを与えられたことで毛細血管様の3次元構造を形成しました。タイトジャンクションの形成が示唆されただけでなく、トランスポーターの機能的な発現も認められ、化合物の移行性も評価できることを明らかにしました。ヒト中枢移行性の予測において有用なハイスループット評価ツールになり得ると期待されています。

このOrgan-on-a-chipはmicrophysiological systems(マイクロ流体デバイス)とも呼ばれ、様々な臓器モデルや疾患モデルの開発に適用が可能であり、創薬のあらゆるプラットフォームで期待されています。

関連情報:

帝京大学 薬学部 薬物動態学研究室

2024-04-18T19:18:05+09:002022/05/11|

医薬探索研究 柴田主任研究員、曽我部主任研究員の論文が『Scientific Reports』に掲載されました!

Identification of the first highly selective inhibitor of human lactate dehydrogenase B

2021年11月1日オンライン掲載
https://doi.org/10.1038/s41598-021-00820-7

論文の概要:

LDHB阻害薬のハイスループットスクリーニングを実施して、世界初のLDHB選択的阻害剤であるAXKO-0046を見出しました。また、AXKO-0046がLDHBに対して不拮抗的な阻害作用を示す非常にユニークな特性を持つ化合物であることを明らかにしました。さらに、AXKO-0046とLDHBタンパク質の複合体の結晶化およびX線構造解析に成功し、AXKO-0046が未知のアロステリック部位に結合していることを見出しました。

「Axceleadの」RapidFireハイスループット質量分析システム

本研究では、基質および生成物の測定に、RapidFireハイスループット質量分析システムを用いました。RapidFireは固相抽出技術を応用した方法で、質量分析によって検出する次世代のラベルフリーアッセイシステムです。弊社では、複数のRapidFireシステムを保有しスクリーニング業務を実施しております。

関連サービス:

RapidFire HT-MS, タンパク質X線結晶構造解析

(右)柴田早智雄 医薬探索研究 Discovery Biology 主任研究員
1989年武田薬品工業に入社。新規疾患関連遺伝子の探索や癌領域の創薬研究に従事。2017年、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社に転籍後は化合物探索のスクリーニング業務に従事。
お客様へのメッセージ:新たな技術プラットフォームを構築し新薬開発に貢献します。また、新規化合物をスクリーニングすることで、お客様の良きパートナーでありたいと考えています。

(右)柴田早智雄 医薬探索研究 Discovery Biology 主任研究員
1989年武田薬品工業に入社。新規疾患関連遺伝子の探索や癌領域の創薬研究に従事。2017年、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社に転籍後は化合物探索のスクリーニング業務に従事。
お客様へのメッセージ:新たな技術プラットフォームを構築し新薬開発に貢献します。また、新規化合物をスクリーニングすることで、お客様の良きパートナーでありたいと考えています。

(右)柴田早智雄 医薬探索研究 Discovery Biology 主任研究員
1989年武田薬品工業に入社。新規疾患関連遺伝子の探索や癌領域の創薬研究に従事。2017年、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社に転籍後は化合物探索のスクリーニング業務に従事。
お客様へのメッセージ:新たな技術プラットフォームを構築し新薬開発に貢献します。また、新規化合物をスクリーニングすることで、お客様の良きパートナーでありたいと考えています。

(右)柴田早智雄 医薬探索研究 Discovery Biology 主任研究員
1989年武田薬品工業に入社。新規疾患関連遺伝子の探索や癌領域の創薬研究に従事。2017年、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社に転籍後は化合物探索のスクリーニング業務に従事。
お客様へのメッセージ:新たな技術プラットフォームを構築し新薬開発に貢献します。また、新規化合物をスクリーニングすることで、お客様の良きパートナーでありたいと考えています。

2024-04-18T19:18:55+09:002021/11/15|

統合トランスレーショナル研究部門 高砂主席研究員の論文が、『Journal of Pharmacological and Toxicological Methods』に掲載されました。

Reliable identification of cardiac cunduction abnormalities in drug discovery using automated patch clamp II: Best practices for Nav1.5 peak current in a high throughput screening enviroment

Maria Giustina Rotordam1, Alison Obergrussberger1, Nina Brinkwirth1, Kiyoshi Takasuna2, Nadine Becker1, András Horváth1, Hatsue Furukawa2, Yuka Hasegawa2, Takayuki Oka3, Niels Fertig1, Sonja Stoelzle-Feix1

1 Nanion Technologies GmbH, Germany,
2 Axcelead Drug Discovery Partners, Inc., Japan,
3 Nanion Technologies Japan K.K., Japan
Published: September 6, 2021

 Science Direct へ

AutoPtach Clamp system を用いた心臓イオンチャネル assay は薬剤誘発性催不整脈作用回避のための必須試験となって久しいが、実験条件・手法は未だ様々で標準化されていない。昨年我々は、世界をリードするNanion社の SyncroPatch systemを用い、hERG assay についてGloval standard assay を目指した様々な基礎検討を行い、その結果をNanion社と共同投稿した (DOI: 10.1016/j.vascn.2020.106884)。今回、その第2弾としてNav1.5 チャネルアッセイについて基礎的共同研究をNANIONと展開し、Axcelead ユニークな Frozen cells と CiPA …

2024-04-18T19:18:56+09:002021/11/12|

医薬探索研究部門 坂本主席研究員の共著論文が、『Scientific reports』に掲載されました!

『Identification of novel inhibitors of Keap1/Nrf2
by a promising method combining protein–protein interaction‑oriented library and machine learning』
Yugo Shimizu et al.  Published online 2021 April 1
「Scientific reports」サイトへ

論文の概要:

本研究は、AMEDの創薬基盤推進研究事業において、元株式会社ファルマデザイン、古谷利夫様主導の「PPI界面三次元構造に基づくPPI化合物ライブラリー」において、構築されたPPI化合物ライブラリーを利用し、慶應義塾大学薬学部生命機能物理学講座(大澤匡範教授)の池田和由特任准教授・清水裕吾特任助教により研究開発されたPPI創薬への応用を想定したAI機能を搭載したシステムの構築の一環として実施されました。

弊社では、開発されたAI予測モデルの検証をするために、PPI標的の一つであるKeap1/Nrf2に対して、AI予測モデルで選択された化合物を含むライブラリー化合物群の評価を実施し、本PPI化合物ライブラリーとAI予測モデルの有用性の検証に貢献することができました。また、多検体の化合物評価を安定的に実施するにあたっては、弊社2名の研究員(柴崎都、山口美香)の匠の技が光りました。

関連リンク

「PPI界面三次元構造に基づくPPI化合物ライブラリー」
日本の研究.com
https://research-er.jp/projects/view/924966

お知らせ「大澤匡範教授が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の創薬基盤推進研究事業に研究開発分担者として参加-新規PPI-AI創薬手法の開発とその基盤DBシステムの実装-」
慶應義塾大学 薬学部・薬学研究科
http://www.pha.keio.ac.jp/news/2019/05150900.html

「AMED創薬基盤 プロジェクトの成果物」
慶應義塾大学 薬学部 生命機能物理学講座
 http://square.umin.ac.jp/keio-skb/amed_dlip.html

坂本潤一 医薬探索研究 Discovery Biology主席研究員

坂本潤一 医薬探索研究 Discovery Biology主席研究員

坂本潤一 医薬探索研究 Discovery Biology主席研究員

2024-04-18T19:19:07+09:002021/04/12|

医薬探索研究部門 沖主任研究員、丸主任研究員の共著論文が、『Structure』に掲載されました!

『Cryo-EM structure of K+-bound hERG channel complexed with the blocker astemizole』
Tatsuki Asai et al. Published online 2021 January 14
https://doi.org/10.1016/j.str.2020.12.007 Structure へ

論文の概要:

薬剤の副作用の原因となるhERGチャネルと、その機能を阻害する薬剤であるアステミゾールとの複合体構造を、クライオ電子顕微鏡単粒子解析によって明らかにしました。詳細は関連リンクにあるプレスリリースおよび論文を御参照下さい。
本研究は、千葉大学、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所、弊社を含む企業5社による産官学連携のもとで行われ、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業(BINDS)の一環として遂行されました。

AxceleadのAS-MS技術:

クライオ電子顕微鏡単粒子解析のために調製した hERG タンパク質と、その阻害剤であるアステミゾールとの結合能を、Affinity Selection-Mass Spectrometry (AS-MS) という弊社の技術で評価しました。AS-MS は、放射性同位元素の利用や、タンパク質への修飾等、試料に手を加えることなくターゲットとリガンドの相互作用を評価できます。hERGのような膜タンパク質や、DNA、RNA といった核酸もターゲットにできるため、適用範囲の広い技術です。
Axceleadでは、AS-MS による相互作用解析、タンパク質X線結晶構造解析のサービスを提供しています。

関連リンク:

ニュースリリース「副作用原因タンパク質 hERG チャネルと薬剤の複合体構造を明らかにすることに成功−重篤な副作用の回避にもクライオ電子顕微鏡解析が役立つ−」
国立大学法人千葉大学、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構、国立研究開発法人日本医療研究開発機構
http://www.s.chiba-u.ac.jp/pr/files/20210115murata.pdf

大阪大学大学院理学研究科博士課程前期修了後、武田薬品工業に入社。構造生物の観点から創薬研究に携わる。タンパク質X線結晶構造解析、計算化学的手法による薬物設計、NMRやMSによる相互作用解析に従事。タケダサンディエゴ …

沖英幸 医薬探索研究 Discovery Biology 主任研究員

大阪大学大学院理学研究科博士課程前期修了後、武田薬品工業に入社。構造生物の観点から創薬研究に携わる。タンパク質X線結晶構造解析、計算化学的手法による薬物設計、NMRやMSによる相互作用解析に従事。タケダサンディエゴ …

沖英幸 医薬探索研究 Discovery Biology 主任研究員

大阪大学大学院理学研究科博士課程前期修了後、武田薬品工業に入社。構造生物の観点から創薬研究に携わる。タンパク質X線結晶構造解析、計算化学的手法による薬物設計、NMRやMSによる相互作用解析に従事。タケダサンディエゴ …

2024-04-18T19:19:16+09:002021/02/16|

統合トランスレーショナル研究部門 竹山主席研究員・階上主任研究員と筑波大学との共同研究が『Scientific Reports』に掲載されました。

『Bidirectional, non-necrotizing glomerular crescents are the critical pathology in X-linked Alport syndrome mouse model harboring nonsense mutation of human COL4A5』

JiangYing Song(1,3,4), Nobuyuki Saga(1,4), Kunio Kawanishi1, Kentaro Hashikami(2), MichiyasuTakeyama(2) & Michio Nagata(1)

  • Kidney and Vascular Pathology, Faculty of Medicine, University of Tsukuba
  • Axcelead Drug Discovery Partners
  • Department of Nephrology,Chongquing General Hospital, University of Chinese Academy of Sciences CGH
  • These authors contributed equally: Jiang Ying Song and Nobuyuki Saga.

Published: November 03, 2020

Scientific Reports へ

論文の要旨:

2024-04-18T19:19:19+09:002020/11/18|

統合トランスレーショナル研究部門 高砂主席研究員が心臓チームリーダーとして活動に貢献したCSAHiの活動報告がCurrent Pharmaceutical Biotechnology誌に掲載されました。

『Comprehensive Cardiac Safety Assessment using hiPS-cardiomyocytes (Consortium for Safety Assessment using Human iPS Cells: CSAHi)』
Author(s): Kiyoshi Takasuna(a), Katsuyuki Kazusa(b), Tomohiro Hayakawa(c)

a:Axcelead Drug Discovery Partners株式会社
b:アステラス製薬株式会社
c:ソニー株式会社(現所属:シスメックス株式会社)

Current Pharmaceutical Biotechnology へ

2013年から2018年にかけてのCSAHiの活動を報告したCurrent Pharmaceutical Biotechnology誌 総説特集号(Volume 21, Number 9,2020)に、高砂主席研究員が心臓チームの代表として活動内容を報告しています。

論文の要旨:

2013年、日本製薬工業協会タスクフォースの傘下に、現在ICHガイドラインで制定されている心臓安全性評価試験(hERG, APD, テレメトリー)を補完すべく、ヒトiPS/ES細胞由来分化(心筋)細胞の創薬安全性評価応用コンソーシアム(CSAHi; http://csahi.org/en/)が組織された。CSAHi 心臓チームは、マルチ電極アレイ(MEA)、細胞インピーダンス、モーションフィールドイメージング(MFI)、Caトランジェントの光学イメージングなど最新の様々な心機能評価機器を駆使し、hiPS心筋細胞を用いた新規Platforms の創薬安全性評価への応用可能性について検証した。その結果、hiPS-心筋細胞は、薬物誘発性QT延長リスク/不整脈予測には既存評価系を凌駕する資質が確認されたが、不整脈誘発活性の過大評価(偽陽性)、QT延長以外の機序による不整脈あるいは陽性変力作用予測能力は十分でないことが示唆されたため、hiPS心筋細胞を用いた各種プラットフォームは、その長所と短所を十分に理解したうえで使用することを提唱した。

CSAHi:Consortium for Safety Assessment using Human iPS Cells について

「ヒトiPS細胞由来分化心筋・肝臓・神経細胞を用いた各種安全性評価技術について、新規医薬品開発への応用可能性を実験的に検証し、将来的展望も含め実用に向け世の中に提言する」を活動目的に、2013年7月に発足。2020年8月現在、製薬企業15社、安研協加盟4社を含む57社・機関が活動に参加。http://csahi.org/
高砂主席研究員は、発足当時から心臓チームリーダーとして活動に貢献しています。

1983年金沢大学薬学部薬学研究科修了後、第一製薬株式会社、第一三共株式会社、第一三共RDノバーレにてin vivo安全性薬理及び、in vitro安全性研究に従事。
2019年3月より現職。
CSAHi(Consortium for …

高砂 浄 統合トランスレーショナル研究  主席研究員

1983年金沢大学薬学部薬学研究科修了後、第一製薬株式会社、第一三共株式会社、第一三共RDノバーレにてin vivo安全性薬理及び、in vitro安全性研究に従事。
2019年3月より現職。
CSAHi(Consortium for …

高砂 浄 統合トランスレーショナル研究  主席研究員

1983年金沢大学薬学部薬学研究科修了後、第一製薬株式会社、第一三共株式会社、第一三共RDノバーレにてin vivo安全性薬理及び、in vitro安全性研究に従事。
2019年3月より現職。
CSAHi(Consortium for …

2024-04-18T19:19:20+09:002020/08/25|

統合トランスレーショナル研究部門 高砂主席研究員の論文が、『Journal of Pharmacological and Toxicological Methods』に掲載されました。

『Reliable identification of cardiac liability in drug discovery using automated patch clamp: Benchmarking best practices and calibration standards for improved proarrhythmic assessment』


 Science Direct へ

高速・高品質の電気生理学的実験を可能にしたAutoPatch Clamp systemが創薬研究で汎用され始めた一方で、当該システムを用いた hERG current assay はICHガイドライン試験にも関わらず未だ世界的標準化がなされていない。 今回、当該アッセイの世界標準化に一石を投じるべく、細胞種(HEK or CHO)、パルスプロトコール(2秒⁻Step pulse vs Step ramp)、Plate 材質(PP vs テフロンvs  Glass), 薬液の取り扱い(調製後保管時間、細胞暴露時間)など様々な観点から評価結果に及ぼす影響について検討を行った。その結果、細胞種、パルスプロトコールの差異は大きな影響を及ぼさないこと、使用するplateの材質や薬液の取り扱いは結果に大きな影響を及ぼすものの、ある一定の条件(調製後30分以内に使用、暴露は6分以上、例数は≧4など)を満たせばそのリスクは回避できることが明らかとなった。したがって、これらを考慮した実験条件を構築・最適化すれば、既有の細胞種や使用システムが異なっても標準的なアッセイを構築できる可能性が示唆された。

◆関連サービスのご紹介

2024-04-18T19:19:21+09:002020/06/30|

バイオロジー部門 松本研究員の論文が、『PLOS ONE』に掲載されました。

『Acetyl-CoA carboxylase 1 and 2 inhibition ameliorates steatosis and hepatic fibrosis in a MC4R knockout murine model of nonalcoholic steatohepatitis』

Mitsuharu Matsumoto ,Hiroaki Yashiro,Hitomi Ogino,Kazunobu Aoyama,Tadahiro Nambu,Sayuri Nakamura,Mayumi Nishida,Xiaolun Wang,Derek M. Erion,Manami Kaneko

Published: January 28, 2020

 PLOS ONE サイトへ

  • 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)モデルである高脂肪食負荷MC4R KOマウスを用いてGS-0976 の薬効を評価した報告です。
  • GS-0976の投与用量は、PDマーカーである肝臓中/骨格筋中マロニルCoA測定を実施して設定しました。
  • GS-0976により、本モデルで生じる脂肪肝や線維化が抑制され、臨床においてNASH患者の診断に使用されるNASの病理評価でも有効性が確認できました。

MC4R KOマウスについて:

MC4Rは、視床下部で発現するGタンパク質共役受容体であり、摂食調節に関与しています。
アクセリード社で生産したMC4R KOマウスは過食を呈しNASH患者で見られるような肥満とインスリン抵抗性を示すモデルです。

MC4R KOマウス
2024-04-18T19:19:23+09:002020/01/28|
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