当社とルクサナバイオテクとの共同研究成果が「Nucleic Acid Therapeutics」に掲載されました
Hepatotoxicity Reduction Profiles of Antisense Oligonucleotides Containing Amido-Bridged Nucleic Acid and 2′-O,4′-C-Spirocyclopropylene Bridged Nucleic Acid
Published Date : March 26, 2025
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論文の概要:
アミド架橋核酸(AmNA)と2′-O,4′-C-スピロシクロプロピレン架橋核酸(scpBNA)は、高い相補鎖結合親和性とヌクレアーゼ耐性を有する架橋核酸類似体です。AmNAとscpBNAは、ホスホロチオエート修飾ギャップマーによる肝毒性を克服しますが、そのメカニズムは解明されていませんでした。本研究では、AmNA、scpBNA、およびホスホジエステル(PO)結合を組み合わせたアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)が、マウス肝毒性を著しく軽減することを見出しました。LNA群とAmNA-scpBNA群では観察された肝臓の病理組織所見はAmNA-scpBNA-PO群では減弱していました。バイオインフォマティクス解析により、肝毒性の軽減にはAtp5o遺伝子およびSdhb遺伝子というミトコンドリア関連遺伝子の発現変動が関与する可能性が示唆されました。本研究によりAmNA、scpBNA、およびPO修飾が肝毒性を軽減し、ASOの潜在能力を向上させる可能性が実証されました。
本研究はルクサナバイオテク株式会社との共同研究成果になり、Axcelead DDPは肝毒性に関する病理解析およびトランスクリプトーム解析を実施しました。本研究においては、当社が保持する抗PS-ASO抗体を用いた免疫組織化学により、投与ASOの肝臓組織内分布を解析するとともに、肝組織のトランスクリプトーム解析によって遺伝子変動を特定することでASOによる肝毒性との関連を考察しました。さらに電子顕微鏡観察によって投与ASOが誘発する組織や細胞の微細構造の変化も同定しています。
【Axcelead DDPのソリューション】
Axcelead DDPでは、核酸医薬品の可視化や安全性評価に関するソリューションを提供することでお客様の核酸創薬を推進します。当社では、核酸配列デザインや送達技術および動態、薬効、安全性評価といった創薬ステージや課題に応じた核酸創薬に関する総合支援サービスを提供していますので、核酸創薬をご検討の際は、是非、当社にご相談ください。
関連情報:ルクサナバイオテク株式会社
関連サービス:
核酸の組織内分布を見る技術–in situ hybridizationや免疫組織染色を利用したソリューションー
核酸医薬品の安全性評価サービス
浅野 真也 DMPK Business Unit
修士(農学)。東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程卒業後、ベンチャー企業を経て、2017年にAxcelead Drug Discovery Partners 株式会社に入社。RNA-seqを中心にオミクスデータ解析を担当。
浅野 真也 DMPK Business Unit
修士(農学)。東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程卒業後、ベンチャー企業を経て、2017年にAxcelead Drug Discovery Partners 株式会社に入社。RNA-seqを中心にオミクスデータ解析を担当。