2025/12/11
miRNA解析
-176種類以上のmiRNAを網羅的に解析-
miRNAでバイオマーカー探索しませんか
miRNAとは?
21~23塩基程度の短いノンコーディングRNA(non-coding RNA)で、標的となるメッセンジャーRNA(mRNA)に結合して翻訳抑制を行い、遺伝子を抑制的に制御します。
細胞の分化や個体発生など様々な生命現象に関与し、その発現異常はがんをはじめとする多くの疾患と関係することがわかってきています。
miRNAの特徴は?
- 塩基配列は種を超えて保存されているため、種差の影響を受けにくい
- 臓器特異的なmiRNAが存在する
- 疾患組織と正常組織とでmiRNAプロファイルが異なる
- 血液(血漿・血清)や尿、唾液、脳脊髄液といった様々な体液中にも存在
- 体液中のmiRNAはRNaseの影響を受けにくいため、安定性が高い
miRNA解析
組織採取より低侵襲的で簡便に得られる利点があることから、血液や尿、唾液などの体液中miRNAを用いた疾患マーカーや臓器障害マーカーの探索は加速していくと思われます。Axceleadでは、ヒトで約2,000種類あるといわれているmiRNAのうち、疾患に関連するmiRNAを解析いたします。
miRNA解析から、課題解決に適したバイオマーカーを見つけてみませんか。

少量の検体から網羅的解析が可能です!
200uLの検体からmiRNAを網羅的に解析し、評価します。 たとえ、RNA収量が少なくても、miRNA解析が可能です。
例)健常人由来唾液200 uLからtotal RNAを抽出し、qPCR解析
核酸の組織内分布を見る技術
–in situ hybridizationや免疫組織染色を
利用したソリューションー
見えれば分かる核酸医薬開発の課題と解決策
近年、核酸医薬品の研究・開発が盛んになり、Lipid Nano Particle (LNP)に内封した核酸の動態・薬効評価、更には効率的に送達させるためのスクリーニング技術開発が進められています。従来、核酸の動態評価や生体内分布の評価には、質量分析による組織抽出物中の核酸定量法が用いられてきました。
しかし、質量分析では、組織中の含有量は検出できますが、位置情報までは確認できません。特に、ターゲット遺伝子のノックダウン活性と定量結果とに乖離がある場合に「組織内分布が確認できれば良いのに!」と思われることはなかったでしょうか?
そのような時にターゲット遺伝子に対するプローブを用いたin situ hybridizationや修飾核酸に特異的に結合する抗体を用いた免疫組織染色で組織内・細胞内での分布を可視化することにより、投与した核酸が狙い通りに標的組織や細胞まで届いたのか、あるいは血管内に蓄積していたのかなど重要な位置情報を知ることができます。
一歩踏み込んだ核酸医薬の動態・薬効評価、
そして毒性MOAについての新たな知見を提供します!
■投与した核酸と、その後を可視化します!
投与したDNA(Plasmid DNA)はターゲット遺伝子に対するプローブを用いたin situ hybridizationで、修飾を施したAntisense oligonucleotide(ASO)の局在は修飾部位に特異的に結合する抗体を用いた免疫組織染色で、細胞レベルでの可視化が可能です。更に、投与した核酸の取り込みをこれらの技術で識別するとともに、転写、翻訳後の産物もin situ hybridizationや免疫組織染色を実施することで、取り込み、転写、翻訳までの一連の流れにおける標的物質を可視化できます。この技術により、一歩踏み込んだ核酸医薬の動態・薬効評価、そして毒性MOAについての新たな知見を提供可能です。

■どんなものでも可視化できるの?
可視化したい核酸の配列に対するプローブをハイブリダイズさせるin situ hybridizationを用いますので、ターゲット遺伝子の配列が分かり、それに対する特異的なプローブを設計/作製できれば可視化が可能です。
■配列が短いASOは?
ASOなど配列が短く特異的なプローブの設計が難しい場合でも、Phosphorothioate(PS)修飾されたASOであれば、PS修飾部位に特異的なオリジナル抗体を用いた免疫組織染色により、配列に依存することなく可視化が可能です。

核酸の生体内分布評価をトータルでお引き受けします!
■核酸の局在・質量分析を総合的に評価可能に!
Axceleadでは、可視化技術をもって作製された標本の染色結果から、病理専門家による評価を行うことが可能です。更に、核酸の動態に関する専門部門からのデータも併せ、総合的な評価をご提供することができます。
核酸医薬品の評価に取り組まれている皆様でノックダウン活性と定量結果との乖離など、解釈でお困りの方がいらっしゃいましたら、Axceleadの可視化技術で課題解決に取り組んでみてはいかがでしょうか?是非お声かけください!
◇関連サービスのご紹介◇
病理ピアレビューの実施により、
毒性試験の病理データの質と信頼性を向上
病理ピアレビューの実施が、OECDガイダンスによって推奨されています。その背景には、病理データがパソロジストの知識・経験・主観に左右される側面があり、経験豊かな第三者のパソロジストによるピアレビュー実施が望まれています。Axceleadには、創薬経験を持つ熟練のパソロジストが複数名在籍しており、毒性試験の病理ピアレビューを実施することで、病理データの質と信頼性を向上させます。
様々な毒性試験において、お客様の目的に合わせた病理ピアレビューを実施
- げっ歯類・イヌ・サル・ブタの毒性試験の病理検査について、GLP基準の公式ピアレビューあるいは簡略的な非公式ピアレビューなど、お客様の目的に合わせた病理ピアレビューを実施します。
- 病理ピアレビューの一環として、毒性試験の中で認められた所見の判断や解釈などのご相談をお受けいたします。
- 他施設で実施した毒性病理検査の病理ピアレビューを実施することが可能です。
- Whole slide imageを用いたテレパソロジー(webを活用した遠隔病理評価)による病理ピアレビューについても、ご要望に応じて検討いたします。
経験豊富なパソロジストが、セカンドオピニオンとして
公正かつ的確な病理ピアレビューを実施
- JSTP認定毒性病理学専門家、JCVP認定専門家である熟練のパソロジストが在籍しています。
- GLP及びINHAND(毒性病理用語・診断基準国際統一化)に精通した経験豊富なパソロジストが病理ピアレビューを実施することにより、所見の精度や信頼性を高めることができます。
- 第三者のパソロジストが客観的な視点で病理ピアレビューを実施することにより、病理データの納得性や信頼性が高まります。
- お客様の若手パソロジスト育成を目的とした教育的な病理ピアレビューも受けております。

微量検体を活用し、創薬研究初期から肝・腎障害を評価
わずか20 μLの微量検体を最大活用!
- Axceleadは、創薬研究の初期段階から肝・腎障害を検討するために、これまで100 μL以上の検体量が必要であった血液生化学検査を改善しました。すなわち小動物の健康状態に影響が無い採血(頻回を含む)で得られる程度の微量血液で臓器障害マーカーを評価できるように、微量検体の肝・腎障害マーカー測定系を構築しました。
- 肝臓・腎臓は薬物の主要な代謝臓器であり、薬物による肝・腎障害の見極めは非常に重要です。開発初期段階から手持ちの血漿・血清を有効活用し、肝・腎障害の懸念を払拭しませんか?
- わずか20 μLで肝障害マーカー(AST, ALT, GLDH)1)または腎障害マーカー(Cre, UN)2)の評価が可能です(肝・腎障害マーカー両方で40 μL)。
- 別途、25 μLで臨床検体あるいは非臨床検体(サル、イヌ、ブタ、ラット、マウス)のサイトカインなど最大100項目の評価が可能です。
- P1・P2レベルの検体に対応できます。
- 限られた検体量の中で、お客様の課題解決に必要な測定項目をご提案します。
1) AST: Aspartate aminotransferase, ALT: Alanine aminotransferase, GLDH: Glutamate dehydrogenase
2) Cre: Creatinine, UN: Urea nitrogen.
創薬初期から肝障害を見極めることが重要です
- 臨床試験の中止や上市薬が市場から撤退する理由の多くは、薬物性肝障害(DILI)であり、全体の30%を占めます。また、近年開発が進む核酸医薬品には、肝臓や腎臓など特定の臓器に集積しやすい特徴があるため、それら臓器障害の有無を早期に見極めることは非常に重要です。
- DILIを見極めるために、肝障害バイオマーカーである肝逸脱酵素の血中AST・ALTが広く利用されていますが、AST・ALTは骨格筋にも多く発現していることが知られています。採血時の保定操作で骨格筋からAST・ALTが逸脱し、一見すると肝障害があるように見誤る可能性があります。Axceleadは、骨格筋の影響を受けない肝障害バイオマーカーとしてGLDHを採用し、AST・ALT・GLDHを測定する事で肝障害を的確にとらえます(第44-46回日本毒性学会にて、ラット、イヌ、サルにおける肝逸脱酵素(ALT, AST, GLDH)の臓器・組織分布及びその種間比較として発表)。
カニクイザルにおける肝逸脱酵素(ALT, AST, GLDH)の臓器・組織分布


お客様の課題解決に必要なサポートのご提案
- マルチプレックスアッセイは微量検体から沢山の情報を得る事ができ、多様なキットが販売されていますが、どれを選んだら良いかお悩みではないですか?
- GLP/Non-GLP毒性試験を長年担当してきた経験豊富な研究者が、お客様の課題解決に最適なキット・評価項目をご提案いたします。例えば、急性炎症の評価に用いられる急性相反応タンパクは、ヒトではCRPが用いられますが、げっ歯類ではCRPに比べSAA(Serum Amyloid A)の方が炎症に対して鋭敏に反応するため、げっ歯類の急性炎症の評価にはSAAをお勧めしています。このような種差の他、検体採取の条件などもご提案いたします。
- ICH3)-Q2分析法などガイドラインを準拠したバリデーションの実施も可能です。
3) ICH: International Council for Harmonisation of Technical …
Laser Microdissection法
組織/細胞レベルでの領域特異的な解析により、
生物学的作用の機序解明やターゲット/バイオマーカー探索研究の課題解決を可能にします
Laser Microdissection法(LMD)とは、凍結切片やFFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)切片を専用スライドに載せ、顕微鏡で組織の観察を行いながら解析領域を採取する技術です。網羅的な遺伝子・タンパク質発現解析と組み合わせることで、目的の領域に特異的な現象を捉えることが可能になります。Axceleadでは、病理やオミクス研究の知識技術・経験を活かした統合的なサービスをご提供しております。
- 病変部位、特定構造やその比較対象を、解析領域として適切に見極めて採取することで、従来アプローチできなかった創薬ターゲットやバイオマーカーの探索/検証が可能となります。
- 病理組織像や作用機序に基づいて領域を設定することで、解像度を上げた薬効作用、毒性発現機序検証を実施することができます。
- ドラッグリポジショニングを目的に、お客様が保管されているFFPEブロックを再解析してターゲット探索/同定を実施することが可能です。
- 複合的なサービスとして、シングルセル/核-RNAseqなど周辺技術を用いた解析や薬効薬理試験との同時実施の形でご提供することも可能です。
シングルセル遺伝子発現解析
シングル核遺伝子発現解析
様々なサンプルに対応可能!
- Axceleadでは腎臓、膵臓、肝臓、眼球、卵巣、精巣、大動脈、癌組織やスフェロイドなど、様々な臓器/組織を扱った実績がございます。また、従来RNA断片化などの悪影響が懸念されてきたFFPEブロックについても、良好な結果が得られております。
- 事前検討として、解析に用いる組織の病理組織評価やRNAの質・量の確認を行い、サンプルの選別を実施することが可能です。例えば、臨床検体を用いてLMDからトランスクリプトーム解析を行う場合には、ブロックに含まれる組織成分とRNAの質・量が不均一であることが解析を妨げる原因になります。事前検討を実施しその結果を活かすことで、お客様の課題が解決できる可能性が高まります。

臨床検体で腸神経叢組織に着目した解析例。FFPEブロックを用いた解析例になります。

目的組織を含まない領域のブロックをトリミング除去して切片を作製することで、1枚のLMDスライドに載せる切片枚数を多くし、採取組織量を効率的に増加させることができます。
お客様の目的に合わせた適切な領域設定をご提案!
- 病理組織学的な観点からの病変/非病変部位の切り分けや、マーカー分子を利用した多重免疫染色による領域分類をご提案した実績がございます。お客様の目的に合わせた解析領域の設定をご提案させて頂きます。

多重免疫染色の一例。マーカー分子を赤色蛍光(細胞質)と緑色蛍光(核)に染め分けることで、発現分子による領域分類が可能になりました。
遺伝子発現解析だけでなくタンパク質発現解析も可能!
- AxceleadではLMDとプロテオーム解析を組み合わせた課題解決の実績がございます。これまで解析が困難であるとされていた微量組織やFFPEでも対応可能なプロテオーム解析技術とセットでのサービスとしてもご利用下さい。
プロテオーム解析技術
きれいな染色像では終わらない。
画像解析による定量データで薬効評価をサポート

1. Original 投薬終了後のマウス腸管組織 サンプルに対して抗MPO抗体*を用いた免疫組織化学を実施。 * : 好中球のマーカー
2. Markup 免疫陽性反応(茶色)の染色強度を画像解析ソフトで数値化。
生体内の反応を最大限に評価する
AxceleadのIntegratedサービス
バイオロジーと安全性、一つ屋根の下にいる2つの部門が協力して、
無駄のない薬効評価試験デザインを提案します。
ワンストップで評価することで
スピーディで確かな考察を提供いたします。
【実施例】
大腸炎モデルマウスを用いた
薬理評価と炎症系細胞の画像解析
画像解析:

1. Original 投薬終了後のマウス腸管組織 サンプルに対して抗MPO抗体*を用いた免疫組織化学を実施。 * : 好中球のマーカー
2. Markup 免疫陽性反応(茶色)の染色強度を画像解析ソフトで数値化。