これまでの自分の枠を超えたら拓けた世界

子供のころのプレゼントから研究者へ

プラットフォームラボのFrontier Technologyで遺伝子改変動物の作出を担当しています。遺伝子改変動物は、遺伝子改変ベクターの作製、受精卵やES細胞へのベクターの導入、生体取得という流れで作製され、病態の発症が確認できるまでに半年から1年以上かかります。それだけかけて作出した実験動物が目的の表現型だったときは、達成感があります。また、PCRやES細胞、CRISPRなどのようなノーベル賞ものの実験を自分の手で実施できるというのも面白さの一つです。

そもそも、研究者になることに興味をもったのは、子供のころプレゼントしてもらった顕微鏡で植物や昆虫を見たりするのが楽しかったこと、仮面ライダーの強さに憧れ、仮面ライダーを作りたいと思ったことがきっかけかなと思います。いろいろな仮面ライダー、怪人が現れるのですが、それらを作っているのは天才科学者だという設定に、幼いながら自分でも作ってみたい!と思ったからです。

大学では所属していた研究室で抗体の研究をしていたため、製薬企業に就職した先輩方と話をする機会が多くありました。流れに乗ったと言えばそれまでですが、先輩方が仕事の話をしている姿がなんかキラキラして見えてかっこよかった印象があり、そんな環境で働きたいなと思って創薬研究者を志しました。

逃げたいくらいの不安とプレッシャーから得たこと

ある遺伝子改変マウスでの研究成果を論文化した経験で、世界観が大きく変わりました。
マウスを作出後、解析を担当するチームへ渡そうとしたところ、異動などでリソースが不足しており、門外漢の自分が担当することになりました。初めてのことで右も左も分からなかったので逃げたいくらいの不安とプレッシャーで頭も心もいっぱいでした。

これは自分一人の手には負えないと考え、本来の業務では関わりのなかった部署の方にサポートいただくことになりました。自分でも調べながら解析を進めると、発表したくなるくらい良い結果が出て「論文にしよう!」という話になり、社内の方に紹介いただいたアカデミアの先生のご協力を得て、更なる知見を加えて無事に論文にすることができました。自分の作出したマウスについて論文化できたことも嬉しかったのですが、今では複数の企業様、大学様にそのマウスを使用していただけていることが、本当に嬉しいです!!

仕事の上で誰かに助けを求めるということをそれまではあまりしてきませんでしたが、手を伸ばせば助けてくれる人がたくさんいるということに気づくことができました。

その経験以降、構想段階からできるだけ多くの人を巻き込むようになりました。そうすると当初想定していたより大きな結果になることを実感し、精神面でも成長でき世界観も大きく変わりました。 チームで一つのことに向かって取り組めたときは好きな研究もより楽しいですし、結果が出ても出なくても、協力関係、信頼関係を築けたと感じられる瞬間は本当に嬉しいです。

旅を地酒とともに味わう

ユーチューブの動画を見ながら筋トレするのに最近まではまっていましたが、やり過ぎかやり方が悪かったのか腰を痛めたので、現在療養中です。地酒巡りするほど日本酒が好きで、以前は京都・奈良・高知・神戸などの酒蔵にも出かけていました。旅行に行けるようになったらまた行きたいです。

創薬への貢献に向けて

自分の周囲やテレビ、インターネットから病気で苦しんでいる患者さんの声を聴くと、自分の作ったモデル動物がちゃんと評価に値するものだったら、この病気に効く薬を創れたのでは?とモヤモヤすることがあります。創薬に貢献できるモデルを作って世の中の役に立てたらと思っています。

2021-06-07T14:02:03+09:002021/06/04|

世界で初めての”小さな”発見を大きな流れへ

「分かりやすさ」に魅せられて

Protein Scienceのグループに所属し、創薬ターゲットに対する化合物の相互作用メカニズムを明らかにする業務に携わっています。日本ロシュ、中外製薬、武田薬品工業を経て、Axcelead Drug Discovery Partners に転籍しましたが、一貫してX線結晶構造解析に携わり、化合物の結合部位を特定し、いかにして化合物が作用しているかを可視化してきました。最近は、Biophysics技術(表面プラズモン共鳴や等温滴定カロリメトリー)を用いた相互作用解析を行い、スクリーニングにより得られた化合物の検証にも携わっています。

研究者を志し、どの会社でも変わらずにX結晶構造解析を行っているのは、その「分かりやすさ」に魅力を感じたからです。タンパク質分子は条件が整えば結晶化し、構造解析が可能となり、例えば、薬剤のターゲット分子に対する相互作用様式や、ウイルスに対する中和抗体の結合部位を特定することができます。それが、引いては論理的な化合物設計や薬効の解明に繋がることもあります。当初は純粋に生命の神秘を解明していきたいと思っていましたが、自分の続けている研究が誰かの創薬研究の一助となり、結果的に社会へ貢献できればと考え今に至っています。外資企業から内資企業まで研究環境は大きな波にもまれてきましたが、細かいことには一喜一憂せずに、自分の探求心を大切にしています。

世界で初めての“小さな”発見

前職の時代に同僚が、KRASという癌に重要なかかわりを持つタンパク質に結合する化合物を見出しました。その化合物の作用メカニズムを解析したいという提案がありX線結晶構造解析を行ったところ、化合物の作用部位を特定することができ、作用機序の解明に繋がりました!ニュースになるような歴史を変える発見ではないですが、このような小さな発見が、創薬研究に役立てば良いなと思っていますし、今後もこのような発見を日々コツコツと積み上げていきたいです。

身近な変化を楽しむ

海外旅行が好きで海外に住んでいるときは週末に近隣の国へ旅行していました。今はパンデミックのため遠出を避けているので、近所の湘南を家族でウォーキングしています。咲いている花々を見て四季の変化を感じたり、例えばバラ一つとってもいろんな種類があるんだなと、身近にある変化を楽しんだりしています。COVID-19の問題が収束したら、国内の神社仏閣巡りや海外の遺跡巡りにも行きたいと思っています。

知見を提供して、創薬研究の加速化に貢献を

最近は、クライオ電子顕微鏡による構造解析にも取り組み始めました。サイエンスの日進月歩をフォローして研究の幅を広げ、薬効などの作用メカニズムを科学的に明らかにしたいと考えています。どのようにすれば活性が向上するのか、なぜ耐性が出るのか、それをどのように克服するのか、などの知見を提供することで、クライアントの皆さまの創薬研究の加速化に貢献していきたいと考えています。

2021-07-27T15:07:44+09:002021/05/25|

いま見えていないだけ、必ず答えはそこにある。

上手くいかない、、、そんな時まずは自分を疑ってみる

武田薬品工業へ入社後、14Cラベル体を用いた薬物動態試験での代謝物の構造解析、臨床Bioanalysis(生体試料中の薬物濃度測定)関連業務に携わると共に、ヒトマスバランス試験での代謝物分析などにも対応し、医薬品承認申請時の申請資料作成や適合性書面調査対応などの業務に従事していました。2017年にAxceleadへ転籍しBioanalysis、代謝物の構造解析等担当しています。

そもそも創薬に興味を持ったのは“薬ひとつで多くの命を救えることもある”そのような事例に触れて貢献したいと思ったこと、また、実験や化学が楽しかったので薬学の道へ進みました。実験が楽しいと感じるのは「そこにある真実が見えるからであり、必ず答えはそこにあるからです。」まだ見えていないものを見つけていく、自然科学はここが楽しいと感じています。

実験が上手くいかないときは大体自分が何か間違っていることが多い。本当に手順通りにやっているのか?思い込みで進めていないか?など初歩的なことを含めて“自分を疑い”取り組んでいます。恩師となる先生からの「おかしいときは大体自分がおかしい」という言葉を思い出し、経験的にもそのように感じていますので、何かしっくりこないときまずは自分を疑って見直すことにしています。なるほど!という答えが見えたときはやはり快感です。

異国で学んだ向き合う姿勢

欧州でのヒトマスバランス試験の代謝物分析に関してトラブル対応で訪問したベルギーの委託先CROで、フランス語圏のベルギー人と日本人がお互い母国語でない英語で議論し、お互いを非難するかの様相で緊迫した空気となり本当に胃が痛かった思い出があります。半年くらいテレビ電話で会議していましたがテレビ電話といっても今のような技術もなかったこともあり、なかなか言葉では通じにくいことも多々あって、プロジェクトが思うように進んでいませんでした。そこで先方からの要望もありベルギーへ。

何としてもデータを取得する必要があったため、器具が足りないなどの事態を避けるために日本からガラスの遠沈管、LCカラム、ピペットなど必要な器具を一切合切スーツケースに入れて持ち込みました。緊迫した状況の中、それらを取り出していた正にその時、その様子を見ていた先方のトップの目の色がガラッと変わって協力的になり、一緒に実験室まで入って必要な追加の器具探しまでしてくれました。前向きに進めるためのこちらの本気度を理解してくれたのだと感じました、その瞬間は今でも忘れられません。言葉が上手く通じなくても何かを真剣に訴えかければ相手に伝わるもの、という経験をしました。それ以来、真剣に向き合えば何とかなる、通じる、とある意味開き直って落ちついて取り組めるようになりました。

それぞれの特徴を楽しむ

ベルギーに行ったあたりからクラフトビールにハマり飲むようになりました。アメリカに行った時も意外と各地にいろんなビールがあって、それぞれ味に特徴があり面白く楽しんでいました。今はコロナ禍であまり行けませんが湘南や横浜あたりのクラフトビールを出しているお店に行ってみたり、横浜のベルギービールのイベントやオクトーバーフェストがあれば出向いてみたりしました。個人的にはホップが効いていて苦みと香りがあるIPAが好みです。 ※IPA:India Pale Ale

これまでの英知を活かし薬の発展へ

ガイドラインには、これまでの人類の英知が結集していると言っても過言ではないと思っています。NDAに向け、どのようにそのガイドラインを利用し、助けてもらうか。一方では、基本はやはりサイエンスであり、サイエンスを積み重ねてガイドラインと上手く組み合わせて対応していくこと、と考えています。当然わたし一人でなしえないことなのでAxceleadのネットワークなども活かし‘創薬’に取り組んで行きます。

2021-04-22T09:12:57+09:002021/04/20|

信頼されるブランドであり続けるために

創薬研究の“信頼性”を支えるQA業務

新卒で入社した武田薬品工業では、入社当初よりIND・NDAに向けた薬物動態研究に従事し、2017年に武田薬品工業からAxcelead Drug Discovery Partnersへの転籍を機に現在の部署に異動しました。GLPや信頼性基準だけでなく、会社全体の信頼性保証(Quality assurance; QA)業務に携わっています。多種多様なお客様の創薬研究において信頼性保証の観点でサポートさせていただくことにやりがいを感じています。特に、定型的でない信頼性基準の試験のご依頼をいただいた際に、どうしたら法令で求められた基準を満たした試験を実施することができるのか、社内の研究者とディスカッションしながら理論構築した結果、最適な試験を提供することができた時は、お客様の創薬の一助となれた気がして嬉しいです。

もともと薬学部で企業研究者を目指していたのですが、薬物動態研究を選択したのは、アルバイト先の調剤薬局での経験がきっかけです。薬剤師の免許を取得し大学院に進学後、アルバイトで患者さんに飲み合わせなどの服薬指導をしていました。服薬指導で使っていた薬の作用についてのデータの多くは薬物動態分野だと知り、「創薬研究者になったら、自分が出したデータで、医師や患者さん達にこうして繋がっていくことができるんだ」というところに感動し、入社時に薬物動態を希望しました。

第三者的視点でプロフェッショナルが適切にチェック

私が薬物動態研究に従事していた頃、QA部門による調査を受けていたのですが、正直、どのようなことを行っているかはあまり知りませんでした。実際にQA部門に異動してみると、「こんなところまでチェックしてるんだ!」と驚いたほど、調査体制が整っていました。ソリューションプロバイダーとして研究不正はあってはならないため、お客様から受託した試験を対象に研究不正の監査も定期的に行っています。

最新情報やPMDAの調査のトレンドをキャッチするために業界団体が開催する研修会などに毎年参加し、必要に応じて社内の研究者とも情報共有しています。また、OECD GLPガイダンス文書が新しく発出された際にはグループ内で勉強会を開くなど、情報のアップデートを欠かしません。Axceleadでは、QA部門の社員全員が元研究者として現場を知っているからこそ、机上の空論にならずに実務に落とし込むことができていると感じています。

信頼性保証を重厚にすれば、お客様からするとより安心ではあるかもしれません。一方で、重厚にすればするほど試験の納期に影響が出てしまい、お客様の創薬タイムラインに響いてしまう可能性があります。Axceleadでは、over qualityにならないよう、社内だけでなくQAの業界団体活動を通じて、医薬品業界あるいは規制当局も巻き込んで議論しています。

古都に魅せられて

大西 明美 着物

学生時代を京都で過ごした際に着物に憧れを持ち、お給料を貯めて、社会人2年目で訪問着を誂えました。着付けも習いに行き、友人の結婚式、自身や家族の慶事など様々な場面で活躍しています。以前は、休日にカジュアルな着物を着て食事に行ったりしていました。世の中の状態が落ち着いたらまた、楽しみたいと思っています。

サポートすることで創薬に貢献する

QA部門には武田薬品でGLPを20年以上経験している先輩方もいるので、指導を受けながら日々研鑽を積んでいます。最近、QAの業界団体が行っている信頼性保証業務の専門家としての登録試験に合格しました。これからも創薬研究者として培った経験を活かし、お客様の手元に届く報告書の未来のゴールを意識しながら業務に励むことで創薬に貢献していきます。

2021-03-31T08:06:43+09:002021/03/28|

「そういうもんなんだ」それって本当?!

有機合成はまるでプラモデル

メディシナルケミストリーとパラレル合成を担当しています。薬の研究に興味を持ったきっかけは、父親が小さな島で漁師をしており赤貝の養殖の研究をしていて、小学生のころ養殖場にいやいやついて行ってたんですが(笑)薬を混ぜたりするのは楽しかったんです。それと、大学生の頃東京大学の薬学部から教授が赴任してきてその研究室に配属され薬学と出会い「有機合成はまるで部品を組み立てて作り上げるプラモデルみたいだな」と興味を持ちました。有機化学者を目指した理由も、分子を自分で自由自在にデザイン・合成できることが楽しかったからです。

ここ2年は古巣の武田薬品以外にも様々な企業やアカデミアの方とプロジェクトでの関わりが増え、とにかく学ばされることが多いです。多様な文化に触れることで選択肢も増え視野もより広がりこの歳になって仕事を通じてまだ学べる、成長できるという事はこれほど幸せなことはありません。

僕らが思っている常識は常識ではないかもしれない

「知りたい!」という想いが強く「それはそういうもんなんだ」と言われると、それって本当?!と疑問を抱きます。なぜなら、僕らが思っている常識は常識ではないかもしれないからです。最前線で創薬研究をしているからこそ、既存の理論がいつ覆されるか分からないから自分でやってみて答えを出してそれを原理原則に落とし込めた時よろこび感じます。

生きる土台となっている野球から得た学び

プロ野球選手になるのが夢だったくらい野球が好きで、今もキャッチボールを会社のお昼休みにしています。そして、お声をかけていただき昨年8月から大船で少年野球のコーチとして5年ぶりに指導者復帰しました。野球に育ててもらった感覚があって、コーチを引き受けたのも野球に恩返したいと思ったからです。小さな島で育ちその中では野球が上手かったから、中学生までは「俺が!」という気持ちが強かったんです。ですが高校から島を出てみると、かなわないほど上手い人ばかりで愕然としました。そこから心を入れ替えて監督と選手の潤滑油となるマネージャーをすることで「チームで勝つにはどうしたらいいのか?」を意識して取り組んできました。

武田薬品に入社してからの創薬研究で仕事を任せられ始めると合成だけでなく、薬理、動態、毒性などいろんな専門性の方々とプロジェクトを正に「one team」で進める中で解決策を一緒に探ったり、相乗効果が働き同じ方向を向くことを経験しました。僕の行動の根底はやはり野球にあって、チームで仕事を進める、その中で自分が貢献できることを精いっぱいやれるということで、この仕事が病み付きになりました。

「薬を創る」につながるを信じて。

なぜこの化合物はこの作用を出すのか?この毒性を出すのか?じゃあこの課題をどうやってクリアできるのか?を追求していきたいです。それは「薬を創る」につながるはずです。
ニューヨークのTDIで研究した際、アカデミア発の種を「薬」に昇華させることを、製薬会社の経験からサポートする重要性、必要性を体感しました。日本のアカデミアやバイオベンチャーがもつ種を、日本の研究者と「薬」に仕上げたい。Axceleadはそれを具現化できる組織だと信じています。
※TDI:Tri-I Therapeutics Discovery Institute

2021-03-31T05:05:23+09:002021/03/15|

「楽しい、面白い」はこれまでの自分の枠を越えるカギ

課題を解決してこそ答えがある

現在は、プラットフォームラボであるFrontier Technologyのオミックスチームで、LC/MS(液体クロマトグラフィー質量分析計)を用いた代謝物変動解析をしています。科学の道に進むことを志したきっかけは、中学生くらいの時とあるドラマを見て「病理医がかっこいい!」と思い、病理検査に従事する臨床検査技師を目指ざすようになったことと高校時代の生物の先生が面白い先生で。「問題を解いて答えがある」数学や生物がもともと好きだったこともあり、その先生のおかげでより生物が好きになっていきました。ただ、病理検査に携わることを目指していましたが顕微鏡をずっと覗いてるのは私の性に合っていなかったみたいで「自分には向いてないな」と感じていたとき、学校の先生に「生化学の方が向いてるんじゃない?」と言われて「確かに、生化学の方が好きだな」と感じたのに加え、判断基準がはっきりしていて「問題を解いて答えがある」のが好きな私には「こちらの方があってるかも」と思い、今の分析する仕事に至っています。

未知なる可能性へ

入社2年目の頃、初めてLC/MSに触れて私の理解の範囲を超えていて感動しました!サンプル量が少なくても測定できること。例えば、少ない採血量で患者さんにも負担が少なく測定することができるため、大きな可能性を感じました。触れる前は、名前は聞いたことがあるという程度で、どんな装置なのかあまりにもわからないことが多すぎました。ただ、LC/MSに可能性を感じたこともあり、どうしても使いこなせるようになりたくて、死に物狂いで調べまくりました!
とりあえずいろいろやってみよう!と思うようになったのは、この頃からだったのかもしれません。LC/MSという装置は、汚れが溜まると分析結果に影響が出てしまいます。「もっと知りたい!」と思いが湧いてきたことも加わり、今では自ら装置のメンテナンスをするようになりました!分解して洗浄することで「ここを洗えばこうなる」ということまで知ることができて面白いです。難事件を解決していく過程が面白くて小さいころから名探偵コナンが好きでした。探偵になりたいと思ったこともありましたがいまはこの仕事を通して解決していく過程を楽しんでいます。

性格を変えてくれたボードゲームとの出会い

プライベートでは、「カタンの開拓者」というボードゲームをよくやっています。もともとリアル脱出ゲームが好きで各地で開催されるゲームに参加していました。ある日、ゲームに参加されていた方と仲良くなり、「社会性身に付くからどう?」と誘われたのがきっかけです。
実際にやってみたら、どう交渉したら相手は動いてくれるんだろう?とか、同じボードゲームでもプレイする人が変わると全く違った展開になったりとその面白さにハマりました。「面白いからもっとやりたい!」「身近で一緒に出来る人が欲しい!」と思って社内で広めた結果、社長と一緒に遊んだこともあります!以前は、人見知りで恥ずかしがり屋だったので自分から何かに誰かを誘うことは滅多になかったんですがそんな自分を変えてくれた出会いとなりました。

心に響いた言葉を信じて

学生時代に「どんな名医がいても、生涯で助けられる人の数はそんなに多くないけれど、優秀な薬があればより多くの人を助けられる」という言葉聞いて以来、それを信じてここまでやってきました。今でもどんな形でもいいから創薬に携わりたいと考えています。

2022-03-22T15:11:11+09:002021/01/27|

「自然はウソをつかない」語り掛ければ答えは返ってくる

多種多様な考え方と経験を掛け合わせ創薬と向き合う

現在は、統合生物・免疫疾患領域チームのリーダーとして、チームマネージメントの他、炎症・免疫疾患に関連する受託案件において試験遂行の管理や、薬理に関するコンサルテーション、創薬機能を跨る統合型創薬支援サービスにおける薬理部門のリーダー等を担当しています。大手製薬会社からアカデミア・ベンチャーなど、様々なクライアントが持つ多種多様な考え方や文化に触れ、新たなことを学び挑戦できることに面白さを感じています。自身の経験や考えを基に提案したアイデア、ソリューション案がクライアントに受け入れられ、試験を遂行できた時、また、その試験で良い結果が得られれば、更に嬉しく、楽しいです。

誰も知らないことを明らかにしていく面白さ

大学4年生の時、希望して入った研究室の教授に言われた「自然はウソをつかない」という言葉に衝撃をうけました!それまで考えたことがなかったことでしたし、その言葉を今でも大切にしています。自然はこちらから何かを問いかけるとアクションが必ず返ってきます。期待しない返事が返ってくるときは、違う問いかけをしてしまっているか、自身が立てた仮説が間違っているかです。いつも期待した答えが返ってくるわけではありませんが、やればやるだけ答えが返ってきます。新しい答えがわかると嬉しいですし、誰も知らないことを明らかにしていく面白さがあって研究にのめり込んでいきました。これが研究の楽しさだと感じています。

続けるヒケツは環境づくりから

プライベートでは、ランニングを10年ほど続けています。当時、私の周りで走り始めた方が数人いて、みんなで大会に出よう!ということになったのがきっかけです。その頃の仲間はみんなやめてしまったのと(笑)、生活の環境が変わってしばらく一人で走っていましたが、何だか寂しくなってしまい、ネットでランニングチームを見つけました。
現在は週1回、そのランニングチームでトレーニングに励んでいます。また、チームのメンバーは幅広い年齢層で、ほぼ全員が異業種で働く方々であり、走ること以外でもいい刺激になっています。

困難だからこそクライアントと共に叶えたい夢

製薬会社で研究者として働いていて、創薬の初期段階から携わった開発化合物が上市されるという幸運に辿りつけることは極まれであると言われながらも、新薬の創出を夢見て長年取り組んできました。Axceleadでは、多くのクライアントの皆様の創薬に関われることから、そのチャンスは格段に増えると思っています。引き続き、私とクライアントの共通の夢の実現、「革新的な新薬の創出」に向けて、日々業務に邁進していきます。

2021-03-31T08:17:28+09:002021/01/15|

迷ったときこそ、困難な方へ

教科書に載るような写真を撮りたい!

2017年に武田薬品工業からAxcelead Drug Discovery Partnersへ転籍し血液検査や標本作製(免疫染色や画像解析なども)、そして病理組織検査を行うチームをリードしています。それぞれの技術を目当てに異なるお客様からご依頼を受けることもありますが、薬効試験や毒性試験といった場面ではひとつのチームであることを活かし、これらの技術を総合して動物の状態により深く迫れる(病態を理解する)ことに面白さを感じます。
そもそも、標本作製技術や顕微鏡観察技術に興味を持ったのは「教科書に載るような写真を撮りたい!」「模式図やイラストなど想像で描くのではなく、自分の目で見たことを載せたい!」と思ったからです。ですので、顕微鏡や染色方法など、組織を可視化するためのツールを使いこなせるようになりたくて、大学では専門の教授の元で学び、生物現象を可視化する方法を探求しました。

創薬に携わる自分の役割、取り組む姿勢の原点

社会人になって2年目のある日、今と同じように組織染色の仕事をしていたことがありました。薬の投与によってある神経細胞が活性化していることを示唆するきれいな写真が撮れ、定性的な結果として上司に報告したところ。「え、それで終わり?それじゃあ、Go/No-Goの判断できないじゃない。」と言われました。私は、組織染色に定量性を持たせることは不可能、無意味と考えていたため、そこで思考が停止していました。しかし、上司の一言で、会社の仕事とはそういうことかと気づかされ、すぐに、数十枚の画像について活性化している細胞の数をひたすら手動でカウントし続け、グラフに起こし、統計解析を行ったところ有意な変化として捉えることができました。その日は、ちょうど会社のレクリエーションがあり、外の庭でBBQが行われ、私も楽しみにしていたのですが、参加出来ずカウントは夜まで続きました。上司はBBQに参加はしたものの早々に引き上げて、居室に戻ってデスクワークを続け、深夜近かったのですが、私の報告が上がるまで静かに待っていてくれました。結果を報告すると、「よくやったね。ここまでやるのが会社の仕事。」と笑顔で言葉をかけてくれました。その日を境に、“染めるだけでは終わらない”、といった今の仕事への姿勢につながっています。

困難な方を選択したからこそ

武田薬品からAxceleadに転籍したことで、試験を委託する側から受託する側へ。一研究員として自身の研究・役割を遂行する立場から、チームをリードする立場へ。仕事内容も薬の種を作る仕事から、創薬研究の後期のフェーズである安全性へとガラッと変わりました。正直、お話をいただいた時は悩みました。責任も大きくなりますし、今までやったことのない仕事でしたから。ですが、これまでと同じ環境よりも困難に思える方を選択したのは、「迷ったときは困難な方を選択しよう!」と大切な人に言われたことがあって、以来、人生で何か悩んだ時や迷った時こそ困難な方を選択することを大切にしています。
結果、様々な価値観の方と出会うことが増えたことで、視野が広がり「これはこういうもの」という先入観が減り、以前と比べると柔軟性が高くなったように思いますし、その違いが面白いなと感じています。

立場が変わり見えたことを活かして

委託していた立場だったからこそお客様の気持ちを理解できることもあると思っています。しかし、お客様の気持ちにちゃんと寄り添えているか?といわれると正直、至らない点もあるかと思いますが、創薬に熱い想いを持った方に技術とアイデアで新たな視点を提供し、全力を尽くしてサポートさせていただきます。

2022-03-22T15:26:37+09:002020/12/28|

答えのない問題に対して、答えを創りだす面白さ

きっかけは些細な疑問から

「病気はストレス、食事、運動不足など生活習慣の蓄積によって起こる。」と言われていますよね?ですから、常日頃から何を食べ、何を食べないかを選択することが予防医学の観点から重要と考えていたので、学生時代は研究テーマとして栄養生化学を選択しました。一方で、キノコやフグの「毒」で亡くなられるニュースをみて、「どうして、そんなことが起こるんだろう?」と思ったことがきっかけで、毒性学にも興味を持ったんです。就職する際、食品会社か製薬会社かで悩みましたが、最初にお声がけ頂いた武田薬品に入社を決めました。その後、武田薬品薬剤安全性研究所で新薬の安全性評価を中心に約30年間研究してきました。

答えのない課題を解決してきた経験が自信に

幸運にも十数もの新薬創出に関与することができました。グローバル毒性担当責任者として、新薬開発の全行程(化合物選別のスクリーニングから承認申請まで)を担当した化合物が2品目あります。いずれも武田薬品の最重要課題で、first in classの画期的な新薬でした。1品目を上市するまでに十年以上かかります。その間に毒性が問題となり、候補化合物を開発中止するかどうかの判断を迫られることが複数回ありました。いずれの毒性問題も教科書に答えが記載されている訳でもなく、文献検索しても回答が得られませんでした。考え抜いた上で実験計画を立て、自らが実験をしてデータを創り、ヒトへの安全性を証明する必要がありました。その過程では、全世界にいるエキスパートや規制当局(PMDA、FDA、EMA等)とも十分な議論が必要になってきます。しかし、それらの答えのなかった問題を解決し、新薬が上市された時の喜びは何事にも代え難いものです。これらの経験が、コンサルティングをする上でも自信となっています。

薬の偉大さを実感したからこそ

画期的な新薬により、病気であったひとの日常が一変することをこれまで何度も見てきました。例えば、寝たきりであったひと、歩けなかったひと、頻回の下痢でトイレから出てこれなかったひと、腹痛で夜寝られなかったひとが、あるお薬で発病前の日常生活に戻れます。「この新薬のおかげです」と臨床の先生や患者様本人から言われたことがあり、薬の偉大さを実感しました。これからも、クライアントとともに画期的な新薬創生に貢献していきたいと思います。

魂が震えるほどの出会い

海外旅行が趣味で、目的のひとつは“かっこいいな”と思う人に会ってエネルギーを高めることです。本物の人物を求めて、長い方だと40年くらい継続して講演を聴きに行っています。また、チャレンジしている方から話を聴いて活力にしています。あと、絵を観ることも好きで、ある絵画を観たときその前から動けなくなるほど魂が震えたことがありました。こんなことは初めてで自分でもびっくりしました。実際と写真とでは絵から発信されるメッセージが全く違うんですよね!その感覚になりたくて実は毎年のように観に行ってるんですよ。どんな絵画か?というとロンドンのナショナルギャラリーにある『レディ・ジェーン・グレイの処刑』という絵画です。家にはポスターを飾っています。仕事もプライベートも魂が喜んでいるか?どうかを基準に楽しく過ごすことを大切にしています。

2022-03-22T15:15:28+09:002020/12/16|

大学の研究室からのキャリアチェンジ!
見えた世界・見たい世界

不安を抱えつつも可能性へダイブ!

今は統合トランスレーショナル研究 Frontier TechnologyシニアダイレクターとしてプラットフォームラボであるFrontier Technologyをリードしていますが、10年間、大学で研究をした後に、武田薬品工業に転職しました。企業へキャリアチェンジしようと思ったきっかけは、研究に没頭するだけではなく、より社会の役に立ちたい!自分の可能性を試したい!と思ったからです。でも、大学の研究室というある種特殊な世界でしか過ごしたことがなかったので、製薬企業での研究はどうなんだろう?外からみた武田薬品工業の印象はサイエンスのレベルが高そうでしたし、これまでやってきた研究や知識が通用するのか?ちゃんとやっていけるのかな?と正直不安でした。
実際に入社してみると、大学と企業では研究の目指す方向性が違っていました。自分の知的好奇心があるところを大学ではどんどん追及していくスタイル。製薬企業では決まった時間の中で成果を出さなければいけない。あとは、共通言語も違っていて、キャリアチェンジした時には周りの方に手伝っていただいて、独特な社内略語の一覧表をつくり覚えていました(笑)。慣れるまで半年~1年くらいかかりましたね。

チームで結果を出す楽しさ、多様性がもたらす化学変化

大学の研究室で働いていた時は、私が計画した研究を3人くらいのチームで行っていましたが、製薬企業では大きなプロジェクトになると、関わる研究者が100人くらいいて、「こんなに大きな仕事ができるんだ!」とダイナミックさに感動しました。大学の研究室だと関わる人が限られていましたが、企業にはいろいろな感性をもった方が大勢いて刺激的でした。バックグランドが異なる合成研究者と生物研究者がいる混合チームをリードしていた時に、多様性を力に変えて短期間で結果を出す楽しさと、専門の異なるメンバーで一つのことを成し遂げたよろこびを感じました。

「良い習慣は才能を越える」まず、やってみる。

もとから「まず、やってみよう!」というタイプではなかったのですが、大学からキャリアチェンジしたことで環境が変わっていろいろな感性に触れたり、ポジションが変わったことで求められるものが広がった結果、以前は書店で素通りするくらい手に取ることがなかったビジネス書を読んでいくことで考え方や感覚が変わってきたように思います。
 
特に変わったなと感じるのは会議での姿勢です。以前は会議で発言するのが苦手で、目立たないところに座って「話を振られませんように!」と思って過ごしていました。ある時から「最低1つは質問して会議に貢献しよう!」と決め、会議に積極的に参加するようにしてから、変わっていったと思います。質問するのも最初は勇気がいりましたが、自分を変えようと思って意識して習慣化することで、いつの間にか当たり前になりました。

プライベートではお酒と旅行が好きでしたが コロナ禍で外食や旅行が難しくなり、自宅で過ごす時間が増えたので、料理を始めてみました。ちょうどパンを焼く機械があったのでピザを生地から作ることに挑戦してみたのですが、ゼロから何かを作るという面白さにはまってしまい、今では得意料理のひとつです。仕事でもプライベートでも、「まず、やってみる!」ということを大切にしています。

ひとりひとりが楽しく

アカデミア、製薬企業、ソリューションプロバイダーとキャリアチェンジを重ねてきた私ですが、一貫して「創薬」に関わり続けてきました。病で苦しむ方に薬を届けたいという想いが原点にあったからです。それは父が医師であり幼いころから研究に触れていたからかもしれません。これまでに身に着けた自分の知識や経験を創薬研究に捧げることで、より多くの人々の健康に貢献したいと考えています。また、「画期的な医薬品の創出に貢献する」というミッションの元で働いているAxceleadのひとりひとりが笑って楽しく働ける環境であるように努めることも、私の使命だと考えています。
 

2024-09-03T17:06:54+09:002020/12/09|
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